EMT 139 プリアンプ始動 久々のNF-EQの音は?
あれほど潤沢に供給されていたEMT-TSD15カートリッジが、このところ市場からすっかりと姿を消してしまいました。
実売価格も八割増しといった状況で、これに限らず旧式のカートリッジをお使いの皆さんも針先の寿命についてはわが身を削るような思いでお使いかと思います。
我が家では更に古いNeumann DST-62を主力で使ってきましたが、平成5年頃に入手した個体は2,3年前にビリツキだして使用不能。
チップの交換もままならぬとあっては残有戦力で自分の残りの寿命と戦わなければなりません。
そのためにどうしても春先に針交換を済ましたTSD15の助力が必要です。
こうして2種類のカートリッジを併用する為にもう1台のPhono-EQの準備を進めて来ました。
EMT139モノラルEQを2台使いしてステレオ使用するものです。
カートリッジ単体で抜群の切れ味を誇るDST62には、雰囲気の出やすいEMT139を組み合わせ、
比較すると滑らかなTSD15にはCR-EQで切れ込みを期待する。なんて、勝手な想像を描き立てながらもくもくと取組んでいたのです。
電源を作ったときの記事
なんと、昨年の10月のことでしたね、なんという牛歩戦術!!
さて、EMT139はモノラル時代の設計ですから定数の変更をしないとRIAAカーヴがでません。
設計上はなんてことはなし、時定数75μsに合わせてコンデンサーを差し替えれば良いだけなのですが、これはご存知の通り一筋縄には行きませんでした。
①数千pFという小容量のコンデンサーは誤差が大きい。
レタリングが3300pFでも平気で4200pFとかあるのもあります。
古い部品の保管品だからという理由もあるかもしれません。
近所で入手できるならCメーターを持参して測らせてもらってから買うことも(許されるなら)できるかもしれませんが、ドイツから取り寄せる場合は、沢山買って選別するしかありません。
その上、何種類も試したので、2度手間、3度手間になってしまいました。
最新の部品を使う限りにおいてはこんな苦労は無いと思いますがパーツも旧式なので仕方ありません。
②回路のインピーダンスによって、計算通りのカーヴを描いてくれない。
測定器でカーヴをトレースしたり、レコードを聴いてみてもどうにも腑に落ちない事態になります。
CR-EQより素子の誤差によって音に影響が出やすいのでしょうか?
上手い具合の値を発見するまでに随分と長い時間を使ってしまいました。
その他、電源のハムに悩まされたり(0Vラインが外れたり・・・ハムバランサーの存在をうっかりしたり)じたばたしましたが、昨夜からようやくRIAA-EQとして試用を開始しました。
聞き始めは、何ともおっとりとした調子に聴こえます。
やはり、音の切れはCR-EQには敵わないのか?などと本で読んだような言葉が頭を過ります。
丸1日通電した現在でも基本的な印象は変わりありませんが、表現の彫りは随分と深くなって来たようです。
そして何より嬉しい誤算は、TSD15との相性が非常に宜しいのです。
同じメーカーだから当たり前といえばそれまでですが、EMT139が設計された時点では、TSD15は未だ誕生していないのでこれは「血がそうさせた」なんて臭い台詞を吐かなくてはなりません。
TSD15で聴くEMT139はホールの中に連れていかれたような響きの廻り方をします。
CR-EQのキリリとテンションの張った余韻ではなく、頭の後ろ側まで響きを放出するイメージと言えば良いでしょうか。確かに違うものですね
最後に、このEMTという機械にはいつも驚かされている事ばかりですが、今回も強烈なのをお見舞いしてくれました。
取り替えて外したコンデンサーです。
単位はμじゃないんです。 4150pFなんです。
設計する人からみたら、部品をよっぽど信用していなければ、こんな値のコンデンサーで設計できないでしょう!
五味さんが嘗て「20Hz~20kHzで偏差0」に驚愕して1台求めたと書いておりましたが、カタログ用の謳い文句でもなんでもなく、こうした裏づけがあったのですね。
このアンプは1956年ころの製造ですから、約55年前のコンデンサーで10pFの誤差が無いのです。
EMTのプレーヤーは発売当時から大変に高価でしたが、コンデンサー1つがこの調子ですから、致し方無いとこれは言えるでしょうね。
ちなみに手持ちの3台とも全て同じ部品で4140~50pを示しました。
会社のポリシーが如何に徹底されていたかという、一つの例ですね。
私を含め、現在95件のピュアオーディオ・ブログが参加している、ブログ村オーディオカテゴリーへのリンクです。
是非覗いてみてください。ウエスタンや自作アンプ、自作スピーカーの情報が盛りだくさんです
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同じく、現在315件のクラシック音楽ブログが参加しているリンクです。歴史的名盤から、ニューリリースの感想まで、私もレコード探しの参考にさせて頂いています。
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実売価格も八割増しといった状況で、これに限らず旧式のカートリッジをお使いの皆さんも針先の寿命についてはわが身を削るような思いでお使いかと思います。
我が家では更に古いNeumann DST-62を主力で使ってきましたが、平成5年頃に入手した個体は2,3年前にビリツキだして使用不能。
チップの交換もままならぬとあっては残有戦力で自分の残りの寿命と戦わなければなりません。
そのためにどうしても春先に針交換を済ましたTSD15の助力が必要です。
こうして2種類のカートリッジを併用する為にもう1台のPhono-EQの準備を進めて来ました。
EMT139モノラルEQを2台使いしてステレオ使用するものです。
カートリッジ単体で抜群の切れ味を誇るDST62には、雰囲気の出やすいEMT139を組み合わせ、
比較すると滑らかなTSD15にはCR-EQで切れ込みを期待する。なんて、勝手な想像を描き立てながらもくもくと取組んでいたのです。
電源を作ったときの記事
なんと、昨年の10月のことでしたね、なんという牛歩戦術!!
さて、EMT139はモノラル時代の設計ですから定数の変更をしないとRIAAカーヴがでません。
設計上はなんてことはなし、時定数75μsに合わせてコンデンサーを差し替えれば良いだけなのですが、これはご存知の通り一筋縄には行きませんでした。
①数千pFという小容量のコンデンサーは誤差が大きい。
レタリングが3300pFでも平気で4200pFとかあるのもあります。
古い部品の保管品だからという理由もあるかもしれません。
近所で入手できるならCメーターを持参して測らせてもらってから買うことも(許されるなら)できるかもしれませんが、ドイツから取り寄せる場合は、沢山買って選別するしかありません。
その上、何種類も試したので、2度手間、3度手間になってしまいました。
最新の部品を使う限りにおいてはこんな苦労は無いと思いますがパーツも旧式なので仕方ありません。
②回路のインピーダンスによって、計算通りのカーヴを描いてくれない。
測定器でカーヴをトレースしたり、レコードを聴いてみてもどうにも腑に落ちない事態になります。
CR-EQより素子の誤差によって音に影響が出やすいのでしょうか?
上手い具合の値を発見するまでに随分と長い時間を使ってしまいました。
その他、電源のハムに悩まされたり(0Vラインが外れたり・・・ハムバランサーの存在をうっかりしたり)じたばたしましたが、昨夜からようやくRIAA-EQとして試用を開始しました。
聞き始めは、何ともおっとりとした調子に聴こえます。
やはり、音の切れはCR-EQには敵わないのか?などと本で読んだような言葉が頭を過ります。
丸1日通電した現在でも基本的な印象は変わりありませんが、表現の彫りは随分と深くなって来たようです。
そして何より嬉しい誤算は、TSD15との相性が非常に宜しいのです。
同じメーカーだから当たり前といえばそれまでですが、EMT139が設計された時点では、TSD15は未だ誕生していないのでこれは「血がそうさせた」なんて臭い台詞を吐かなくてはなりません。
TSD15で聴くEMT139はホールの中に連れていかれたような響きの廻り方をします。
CR-EQのキリリとテンションの張った余韻ではなく、頭の後ろ側まで響きを放出するイメージと言えば良いでしょうか。確かに違うものですね
最後に、このEMTという機械にはいつも驚かされている事ばかりですが、今回も強烈なのをお見舞いしてくれました。
取り替えて外したコンデンサーです。
単位はμじゃないんです。 4150pFなんです。
設計する人からみたら、部品をよっぽど信用していなければ、こんな値のコンデンサーで設計できないでしょう!
五味さんが嘗て「20Hz~20kHzで偏差0」に驚愕して1台求めたと書いておりましたが、カタログ用の謳い文句でもなんでもなく、こうした裏づけがあったのですね。
このアンプは1956年ころの製造ですから、約55年前のコンデンサーで10pFの誤差が無いのです。
EMTのプレーヤーは発売当時から大変に高価でしたが、コンデンサー1つがこの調子ですから、致し方無いとこれは言えるでしょうね。
ちなみに手持ちの3台とも全て同じ部品で4140~50pを示しました。
会社のポリシーが如何に徹底されていたかという、一つの例ですね。
私を含め、現在95件のピュアオーディオ・ブログが参加している、ブログ村オーディオカテゴリーへのリンクです。
是非覗いてみてください。ウエスタンや自作アンプ、自作スピーカーの情報が盛りだくさんです
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コメント
こんばんは
やっぱり、筋の通ったメーカーならではのエピソードですね。
音なんて聴かなくたって、いい音で鳴ってくれるという信頼感
というか、期待してしまうところがあります。
工業製品とはいえ、こういうこだわりをメーカー(技術者)に
は、持ってもらいたいです。
やっぱり、筋の通ったメーカーならではのエピソードですね。
音なんて聴かなくたって、いい音で鳴ってくれるという信頼感
というか、期待してしまうところがあります。
工業製品とはいえ、こういうこだわりをメーカー(技術者)に
は、持ってもらいたいです。
こんにちは、
確かにこの会社はやってくれますね。
ただ余りに行き過ぎて会社は傾いちゃったですかね。
時代は軽薄短小へ向かいますね。止める事はできないでしょうが
こんな機械や会社が全部無くなった社会というのは、人類にとって
良い社会なのでしょうか?
少なくとも僕は楽しくないなと思います。
確かにこの会社はやってくれますね。
ただ余りに行き過ぎて会社は傾いちゃったですかね。
時代は軽薄短小へ向かいますね。止める事はできないでしょうが
こんな機械や会社が全部無くなった社会というのは、人類にとって
良い社会なのでしょうか?
少なくとも僕は楽しくないなと思います。
2011/07/18(月) 16:03 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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