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the UNIVERSAL MAJOR monitor in Tannoy Monitor RED

lockwood1_lrg.jpg

この懐かしい感じのする写真は、どうでしょう1970年代ころでしょうかLockwood社のショウルームです。

左上の横になったスピーカーに着目ください。
広いスタジオと違い、狭い調整室の空間を確保するためにモニタースピーカーは「天吊り」だったり「壁付け」されていたた中で、珍しい「横置きの壁付け」スタイルの実例です。

この写真からは、エンジニアの頭部に音を届けるためにバッフル板が20〜30度ほどかな?下向きに付けられている様子がよくわかりますね。



さて、運良くこのスピーカーを2台入手でき、ステレオ再生で使う機会に恵まれたとしたら、どう使いましょうか?
まさか「壁付け」を継承する?・・・うーんなかなか難しいような気がしますよね。

まあ、当然縦型として縦てて使うことになるでしょうが、そうすると(想像力を働かせてください)バッフル板の傾斜はステレオ2台とも同一方向なので、右向け右とソッポを向いてしまいます


解決方法はただ一つ
片方のバフル板を一旦外して天地逆に取り付け直してから、スピーカーが箱の上部に来るようにそちらをひっくり返すと、あらまあ都合良く中央に向かってクロスさせるように置けそうです。

この場合、バッフル板が固定されていては上下を返せません、しかしさすがは業務用、汎用性とメンテナンスのために「当然」バッフルを外すことができました。「音のために」なんて末節を考えて作っているわけではない職人気質に今回は救われました。
ほんとうに業務用機械が大好きな理由なんです。

はい、出来上がりました

PICT3493.jpg

外装と近しい材料を使ってチーク仕上げの「ハカマ」を増築しました。Tannoyと言えばやっぱりハカマでしょう!



上から覗くと

PICT3491.jpg

こーんな感じでスラントしています。
右上の巨大なコネクターは入力端子
控えめの英国人にしては随分と思い切った部品を採用したものです。


PICT3492.jpg

もともと横置きだったので天板(当時はサイド)からコンタクトするのは、往時の姿を彷彿とさせますね

大きさの比較のために、これまた懐かしいコンパクトフラッシュの登場です




前回紹介した、オーストリー放送協会のモニターも同様でしたが
こちらの個体も、ずうっと箱の中に入ったままだったので、ユニットは新品同様の輝きです。

Dscn1682_convert_20150625104557.jpg




Lockwoodの箱を見て
「これはバスレフに入れたTannoyだろ」などと吐かす不見識が多くて閉口します。

自分の生活のため(笑)詳細は避けますが
有名なGoodmansのARUや以前紹介したLowtherのLIBと共通の思想で以って、素晴らしく巧妙な仕掛けが施されています。

四角い箱を作って丸い穴を空けてユニットをネジ止めした・・・なんて自作的なもので無くて「いい仕事してますねえ」という作品になっているのが流石にBBCやアビーロードの厳しい審査をクリアしているプロの仕事なんでしょう。

Dscn1695 400

ここは英国人らしく超控えめに   「Lockwood」
横置きの名残で縦になってます(笑)




さて、いつもの通り音の感想はありません
アンプは先日ご紹介した「パラマント」のアンプに繋いでいますが、音は出ましたよ、とご報告させていただきます

一つのエピソードとして
オリジナル「コーナーヨーク in RED」を使用中の知人がこれの試運転を聞いて
「本気で等価交換してくれないか?」と言っていました。市場価格は約2倍になるのですから悪い話じゃないのですが、食い気味にお断りしました。

「今出ている音をスピーカーのせいにしないで、ちゃんと鳴らすことに尽力してください」
つまり現状のままスピーカーだけ変えたってまた半年もすれば「もう一度取り替えてくれ」ってことになります。

電気的、機械的な結論から言えば
どちらも素晴らしいスピーカーですから、良し悪しはもちろんありません。



即座にお断りした理由は二つ

・ヴィンテージの機器はお金があるから欲しいものが買える訳ではありません、家電量販店やデパートに沢山並んで売ってないんです。
良い音を出したいなら「何を使っている」なんてことよりも、縁(えにし)を大切にできない人に明日はない。と思っているからです。

・私は「はたらくスピーカー」が好きなんです、つまるところ。


******  説明しよう (ヤッターマンか) *******

「こどもじどうしゃずかん」では、救急車、消防車、タンクローリーなどを「はたらくくるま」というのである!







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Beatles 〜 Pink Floyd も触ったであろう?スピーカー

BeatlesといえばAbbey Road Studioとは切っても切り離せない間柄ですが

この度、昔から大変お世話になった方の紹介でBeatlesとすれ違ったかもしれないスピーカーを入手できました。
そのスピーカーは「Lock Wood社」の製作によりTannoy社のユニットを使用した逸品なのですが、



まずはAbbeyRoad Studioの1960年代後半から70年頃の様子を見てみましょう
スタジオというよりは「調整室」の方ですけれどね。

abbey_road_studio-1a.jpg

こちらは1970年ころのスタジオ内の写真です
スピーカーはLockWood社の物ということですがビートルズの時代よりは少し時代が下るようですね
おそらくですが
モニター・ゴールドの入ったモデルでランカスターキャビネットに近い大きさではないでしょうか。
このLockWood社のモニターを使ってビートルズは収録を行っていたのでしょうか?

しかし、歴史はそんなには甘くないようで、LockWood社のモニターは主にクラシックなどの製作に使われていたような記録があるようです。



それでは、POPSのスタジオはどんな感じだったかな?というと

EMI-Studio-Mixing-Room.png


abbey-road-studio-control-room-1963.jpg

こちらが、1963年というクレジットのある写真で、スピーカーはアメリカ(笑)ALTEC 620+604タイプ(いわゆる銀箱です)のモニターが使われています。
卓は有名なRedd37でしょうか? 素晴らしい存在感です。デッキはやっぱりフェログラフなのかしら?

以前の記事でウィーンのDECCAスタジオでALTEC A-7が使われていたと書きましたが、英国人として自国製品を使うなんて小さな誇りよりもモニターとしての能力優先で選んでいるところに現場人としての矜持が感じられて頼もしいです。


ビートルズのメンバーもこのスタジオを好んでいたようで、銀箱の前で微笑む写真は沢山残っています

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表題のPink Floydはどうした!?
と言われるかた、お待たせしました。

想像に過ぎませんが、アーティストの目指す音楽性によっては、Rock PopsであってもLockWoodを使っていたかも知れません、まあ、当然ですよね。最終的な音決めの責任の(少なくとも)半分はアーティスト自身にあるのでしょうから。

tumblr_kz0n62fgiJ1qzfrgeo1_500.jpg

ちょっとハニカミぎみにポーズを決めるメンバーの奥にはlockWoodモニターが構えるこの写真のクレジットには
No.1スタジオでのスナップである。とされています。

ただし、No.1スタジオってフルオケが入る巨大スタジオではなかったかと、このクレジットおかしくないかな。
まあ、たまたま空いていた部屋で記念撮影をパチリとか、ライナー用の写真を撮ったなんてことはいくらでもあるでしょうから、LockWoodの前で写真を撮ったからこのスピーカーを使ったなんて想像は幼稚といえば幼稚なんですが、ビートルズがALTECならば俺たちは英国製のを・・・なんてことなら夢があっていいですよね。



こちらが最近まで現役で頑張っていたLockWood社のモニター(Tannoy monitor RED入り)です

toerag99.jpg

少し吊り方が異なりますが
こちらのバージョンのタイプが我が家に運び込まれたのは、桜咲く3月の末のことでした。


つづく




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タンノイ Tannoy Monitor RED

私が学生時代のことです

知り合いのレコード店さんがオーディオの販売を始めました。
元々クラシックのレコードを専門に扱っていたお店だったので、時勢に沿ってその販売品目の中に多くにタンノイ・スピーカーが含まれていました。

店主さんは東京育ちのクラシック好き、今ならさしずめ趣味引きこもりで自動車免許を持たず大人になったから、オーディオの取り扱いに至って困ったことが起きました。そう、配達ができません。

そこで、その当時お店に入り浸っていた何人かの暇人が上手いこと都合をつけ、配達の為に車を出して駆けつけていました。
その中でも半田ごてを使えて多少のトラブルならその場で解決できるなど使い勝手が良い為か、最も頻繁にお手伝いに馳せ参じたのが当時学生だった私ではなかったかと思います。





今となっては信じがたいことですが、
15インチのモニター・ブラック(初号機)は何時でも欲しいと思えば買うことができたし、
モニター・シルバーやレッドはオリジナルボックス入りで当たり前に買うことができました
当地では有名な陶芸家のアトリエにオリジナルGRFレッド入りを配達した際の顛末も今では楽しい思い出として胸の奥に大切に仕舞ってあります。


ところが、いとも簡単に手が届いたのはタンノイばかりではなかったのです。
上記のレコード屋さんに品物を卸してくださっていた方のところにお邪魔すると・・・

WE4181が幾つも床に転がっている
WE594もステレオ用に選んで持って行っていいよ
WE91アンプは「91」だから91万円ね
WE555なんぞは、じゃがいもか何かのようにゴロゴロと重なって置いてありました

もちろん、いくら当時のことと言え、その場所だけが特別であったのは当然なのです。
しかし、それまで聞いたことも見たことも触れたことも無いウエスタンのスピーカーだったので、あの状態が当たり前のように思い込んでいたのですね。

そんな環境に身を置いていた21歳の若造が初めて手にしたスピーカーが「これ」だったのですから、いかに異常な世界の中で生活していたのかを今になるとよくわかります。

DSC01998.jpg

タンノイとはこうした若い時代にあまりにもまみれ過ぎて仕舞ったからでしょうか
その後はタンノイ社のスピーカーを一心不乱にしゃぶり尽くすといった機会を得ずに長い時を来てしまいました。

でも、ある日(オーディオとは関係の無い)考え事をしていたらオートグラフの正しい使い方に開眼してしまって。このことは未だ誰にも詳細には伝えてい無いのでここでも書きませんが、なんとなーくですがタンノイに対する遠かった距離感はもう密着状態になっていました。
もちろんオートグラフどころかずっと小さいスピーカーだって使ったことがありません。しかし「大丈夫」と言う確信は十分にありました。

そんな勝手な確信から2年ほど過ぎたある日、上越のKさんがついにB&Wのスーパー限定高額スピーカーを諦めヴィンテージのスピーカーを購入したいと意思表明されました。

けれども、ヴィンテージのスピーカーなんて何処でどんなものが売っているかも知ら無いし、何を選んでいいのかも分から無い。
早晩こちらに相談があったわけです。

実は私には、随分と前からそんな相談があるだろうと思っていましたしそれに対する答えも用意していたのです。

そこから実際の導入までの顛末は、それだけで長尺の物語になるのですが今回は主旨では無いので詳細は割愛しますが、奇跡のような出会いのお話です。

そうですねえ、戦争で別れ離れになってしまった兄弟がそうとは知らずに同じ会社で何年も働き、
あるきっかけで兄弟であることを知る。
なんて感じのね。

では、変更前のK氏邸を再掲して、(改易という単語も悪い意味ばかりじゃ無いけれど一般的な意味をとって)

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この続きは次回に



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ツイーター用のネットワークを刷新

自分のブログの過去記事を読むなんてことはめったにない事(赤面で穴があったら入りたくなっちゃうから)なのですが、引用のためには仕方がありません。

それによると、Europaの上にハイルドライバーを導入したのは
2013年2月28日とありますから、ちょうど2年前でした。

その時にも12dB/octでネットワークは組んでいた

PICT2110.jpg

ざっと計算して15kHz程のカットオフだったと思う。
その後も絶え間なく実験を繰り返してきたので、ずーっと変化の連続だったけれどとりあえず「こんな感じでいいかな?」と思ったので少し前に固定してみました

PICT3335.jpg


メンバーを少し紹介すると、右手前から

◇ ON/OFFのスイッチ
オイロダイン・アンプラックを買った時に付いていた装備品で、一つのアンプから二台のスピーカー(またはその逆)を切り替えることのできるセレクト・スイッチ

PICT3434.jpg

右上の写真がオイロダインシリーズの多チャンネルバージョン「ステレオダインアンプ・ラック」の内部
このスイッチや今回使った配線材が使われています。

スイッチの中身はバランスラインにも使えるように3連の巨大なSIEMENSキーが連動して動くようになっていて、今新たに作ったらとんでもないコストがかかるであろう絶品ものです。

ドイツ人の賢いのは写真に見える銘板はネジ止めされていて、ひっくり返すとアンプ選択かスピーカー選択かの表示を変えることができる。
同じく賢い日本の「こたつ板」みたいなものよ。(食卓テーブルか麻雀卓かを返して選べる)

***1960年以前の最初期ステレオ盤やモノラル盤を再生するときには高音が不要になるのでツイーターをOFFできるようにしてあります。


◇中央がネットワークのセクション

今回はドイツから鉄心入りのコイルを取り寄せて非常に良い結果を得られたと思う。
このコイルに出会えたことで、固定する決断が出来たと言えますから。
**注**
ドイツ製にこだわる事は全くなくて希望のLで一番安かったからなのだ。

コンデンサーが1個増えて18dB/octカットになった。こう書くとまたストレンジなご意見を頂きそうだから

先回りして一言付け加えるなら、雑誌で読んだ事を自分の意見にシンクロさせずに虚心を持って出ている音と対峙することを何よりオススメするね。
そして、その後はキッチリと特性を取って数字的な裏付けを積みかさねて行く。オーディオをする方法はこれ以外に無いと思うんだけど、どうだろうか?

PICT3444.jpg

ツイーター、カットオフの現状。5kHzから下はノイズなので無視してください、失礼。


◇最後のセクションがマッチング・トランス

Europaのラインは200Ω 対してハイルドライバーは4Ωだから相応のマッチングが必要になる。
これまでは米国RCA製の巨大なトランス(通称「茶筒」)を使っていたんだけれど、流石にツイーターに使うには場違いと思われた。

これもお国柄とかいう情緒的な意味じゃないよ(最近、そんなことばっか言うモノノフがいて)
15kHzから上のレスポンスが・物足りないという意味です。

なんとこれは自宅の用途不明の部品の中にあったNeumann製のトランス
買った時は、なんじゃこりゃ、何に使うんだ?と思ってしまい込んでいた。

・・・・ここで使えました。

◇使っているコード類

これも上記スイッチと同じく、オイロダイン アンプ・ラックの内部配線をそのまま流用。  つまりゼロ円



ということで、コイルと下に敷く板を新規に買った以外は手持ちの部材ばかりでまかなえたので激安です。

で、その結果
(125Hzは定在波ですのでご愛嬌、でもこれがあるとオーケストラがらしく聞こえるんですよ)

PICT3445.jpg

1934年製スピーカーと考えたら、まあまあじゃない。って感じになりました。
これを見て、その意味がわかる人には中々の結果だと思うんですが「子褒め」はカッコ悪いので感想は読んでいただいている皆さんにお任せしましょう。






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ドイツ古典的コーン型スピーカーの魅力  完成した音は?

以前にこのブログでエントリーしたKlangfilm KL-L307(Seiemens 15p)が自分にとってのほとんど唯一のドイツ古典的コーン型スピーカーを使った経験でした。(10代の頃買った鉄仮面はあるが、当時はオーディオの事など右も左も分からなかったので、今日思い起こせる感想は無し。オーディオを分からないのは今でも変わらないだろうって?それはご容赦願って)
しかしそのKL−L307も光明を見い出せず十分な検討を加える前に手放してしまった。

従って今回使ったGRUNDIGは、腰を据えて聴いた初めての中口径ユニットと成ったのです。

PICT2930.jpg



まあ、直ぐに目につく課題は

皆さんご想像の通り低域の下支えをもう少しなんとかせにゃいけません。
怪鳥の叫びを踏み越えて、もう少しで狂気の世界に踏み入れそうな勢いです。反面、フィルム振動板のESLをも追い越しそうな過渡特性とスピードを以て、会場の空気の峻厳な冷たさや楽器の持つ乾いた軽い板の振動を克明に表現します。

そうです、狂気と背中合わせのとんでもない何かを感じたのです。

最初に手を打ったのが、それこそ「電話の単線」みたいなほそーーいコード。これも純正のDINプラグと一緒にセットされていた備え付け品。いかにも「低音出しませんよ。高音てんこ盛りですよ」といった風情だ。
これをKlangfilmアンプラックの内部配線=Europaに常用のものに同一(16AWG程度か)に変えて聴いてみた。

結果は、ロクデモナイ音に!
確かにやや低域に寄ったバランスに成ることは間違いない。でも、このスピーカーの最大の魅力である透徹した硬質感が見事に消え失せる。

そりゃそうだよね。スピーカーを鳴らすって行為はいってみれば総合芸術なんだから。
純正部品のままでまともに鳴らないならば、まずは自分の無能さを疑ってみるべきでした。自ら愚かさを再確認しただけの無駄な時間をつかってしまった。
ここはやはり、手抜きをせずに根本的に解決しなければいけないようですね。




と申しても、「何か」を行った訳ではありません。
少し前に、GRFのある部屋さんに指導頂きながら、ステレオ2チャンネル分のQUAD ESL-57スピーカーをほぼ完全に平行に設置する手法を実験していました。

我が家では、これまでほとんどのスピーカーを内振りで使っていて問題はなかったので、この「平行法」という設置法は新鮮な音の出方、音場の形成でした。
その感覚を覚えていましたので、今回のGrundigにはピッタリじゃなかろうか?と思いついたのです。

PICT2939.jpg

箱の作り込みから言ってもこの配置の方がしっくり来ますね。
実際は、左右の感覚をもう少し、(左右20cmづつ)中に入れてかなり自然なバランスを獲得しました。




私は小さい時分から、サンソン・フランソワさんのアンニュイなピアノのタッチが大好きでした。
コルトー先生の衣鉢を受け継ぐ酔っぱらいピアニスト(笑)のあの際どいリズム感にまいっていたのです。でも当時習っていたピアノの先生による評価はボロクソでしたね。(シャンソンを聴くとフランソワ氏の血の源が分かる様な気がします)

なんと表現したら良いのかな?
リッパなオーディオ装置では酔っぱらいの感じが減じてしまい、レコード再生で損をしている演奏家の一人だと思います。

それが出たんです。
この狂気と良い音の中間に位置する様なGrundigの古いスピーカーで



この他にもバイオリンやユーミンも録ってみました。
現代のハイエンド・スピーカーのような優等生な音ではないけれど、それらとは真逆の音楽の心をエグル様な音がやすやすと出て来ます。



全く持って恐れ入る音楽再生能力です。
特性的にはそれほど目立つ物ではないでしょう。しかし、音楽の芯の部分をがっちり掴んで聴き手に配給するという能力は空前にして絶後の時代的な背景、技術的な裏打ちが、そして何より作った人が音楽をものすごく分かっている、好きなんだなあ。と思います。

こんな機械はもう二度と生まれないでしょうね。何より21世紀にこんな特性のスピーカーを発売したってビジネスとしては成立するはずがありません。しかし、21世紀のスピーカーが積み残してしまった何かがこの中にある事だけは確かなようです。




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