フォノ・イコライザーアンプでやんす

IPC社のぺーセントを受けるためのアンプが、モディファイを行うには丁度都合の良い回路構成だったのでイコライザーアンプのベースに採用しました


実は、このアンプより以前に別の方から

LCRユニットが手持ちにあるのでそれでイコライザーを組んで欲しいというご用命があったのだけれど

「使うカートリッジは何ぞや?」と問うたところ

「高名な欧州製MCカートリッジだ」とのたもうた

「それではできぬ」と、けんもほろろに断っていたが、それでもなんとかしてくれ!と言うので

「じゃあ、いつかCRイコライザーを組む機会があったらそこで実験しておくから、それからね」・・・と言ってそのままになっている案件がある


あれから幾星霜、ついにそのCRイコライザーを組む時が来た

でもね、特定のカートリッジ以外なら自分的にはフォノイコはCRかNFにするけれどね・・・独り言です

PICT5614.jpg

右側に突っ立っている「きっちゃない」のがそれです

電源は先のラインアンプから供給されます


シャーシやコンストラクションはIPCのアンプのままですが、回路は一から設計し直しました 

時々、映画館で使っていたフォトセルアンプやマイクアンプをそのままフォノイコに改造する人がいますが
あいも変わらずのマランツ#7やマッキンなどよりも圧倒的に凄いぞ!といった声が聞こえてきません

成功例を聞かないのには必然の理由があるはずです、よく考えて見ましょう


今のご時世、本を読んだりネットで調べるとこうしたウエスタン系のラインアンプや真空管を使ったプリ(イコライザー)アンプはざっくざっくと出て来ますが、やはりどれも参考になりませんでした


カートリッジの事をもっと考えてあげなければいけませんし、次段の入力の事をもう少し丁寧に設計しなければいけないように思います
アンプを作るのに一つ一つ単体で考えるからあんな事になっちゃうんでしょうね

針先がピックアップした瞬間から、音になって自分の耳に届くまで、一本の弓の弦のように、強いテンションで淀みなく受け渡しをしなければいけません

昔、指揮者のカール・ベーム氏が
フィガロを称して「冒頭の一音からコーダまで一本の張り詰めた糸の様に有機的に繋がっている」と言いました

PICT5615.jpg

オーナーさんにはこのイコライザーアンプを製作する条件を一つだけ飲んでもらいました

「パワーアンプも作るから、それとセットで使ってね」

使うカートリッジも、スピーカーも全て想定した上でアンプを組んでいます
どんなレコードを聞きたいのかももちろん打ち合わせ済みです

それ以外のレコード、針やラッパであるならアンプの回路も見直すことになります
スピーカーやアンプを買ってきて「組み合わせの妙だ」「相性だ」などと言っていられる内は幸せですが
一定のレベルから上のスピーカーになるとそんな呑気は許されません

このオーナーも良いスピーカーを買っておきながら何十年も全く使えていなかったので少し厳しくお話ししました




いつもの事ですが、出来たアンプの音に言及するなんて愚はいたしません

制作途中で別の方がお見えになり一聴の後、たちどころにご注文を頂きました

その方のお使いになるスピーカーも、またこれバケモノ界の大元締めの様な機種なので二つ返事でお受けしましたが
機種自体は異なりますので、アンプの回路は異なるものを採用することになると思います

この夏の楽しみがまた一つ増えました  誠にありがたい事でございます




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ラインアンプはこうなりました

中身はとってもシンプル・プルプルなのに結構な御点前が要求されました

フォノイコライザー付きだから、気を使うのは仕方ないのだけれど

PICT5612.jpg

めんどくせーなー と夜中の3時頃・・今頃ね・・唸りながら組みました

HSM型の電源トランスにダブルチョークをおごっているのだけれど、いわゆる近代的なアルミ電解コンデンサーを使わなかったので、平滑コンデンサーは4μFが最大値です、プリアンプですよ  バッカみたいでしょ?

もちろんフィラメントのDC点火は毛虫より大っ嫌いなのでセーセードードーとAC点火ですが。なにか?と言いたい
能率120dB級のスピーカーに耳を擦り付けてもウンともスんとも言わせないよ、の気概で作りました
満足のできる仕上がりになったかと、勝手に思っています

別に何か特別な事をしている訳じゃないです
僕が一番嫌いなワードは「音をよくするために」



真空管メーカーが指定する標準動作表のオペレーションとなんら変わることはありません

PICT5611.jpg

部品だって特別な物は何一つありません

コンデンサーはスプラグとWE
抵抗はA&Bとオーマイト
トランスはUTCのLS型
整流管が本家の274Aだという所だけがちょっと力んじゃってますけれど、それにしたってパワーアンプでは電流量が足りなくなった「お下がり」だから実質は0円なのだ

そうそう

グリッドキャップが剥き出しだと怖いので、ミレンの碍子のを取り寄せた際に、なぜか30cmだけあったWE綿巻き線の同軸をグリッドの引き込みに使ったのよ

それまでは銀コートのテフロン線だって事もあってか、腰の据わった大人の音になった
結構ビックリして追加で2mほど買ってみたが、

ハサミと何とかは使いようであって、何でもかんでもWEにすればいいってもんじゃないと言う
至極当然な事を教えてもらった



さて、出てきた音は(Klangfilmのラッパを通しても)何となくWEのあの高音をイメージできる音だったから感心した

透明感というか清涼感のある音  でもそれはむしろパワーアンプとスピーカーのお陰なのかな?

(プリ)アンプの音を単独で語るなんて、そんな特殊能力(超能力)みたいなことができる訳が無いじゃないか


次はイコライザーアンプです




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たかだか一段のラインアンプに・・・

働き方改革だかなんだか知らんがそれは国策の中の話、個人でやっている部品屋さんがGWとか取らないで欲しい(涙)

一昨日からずっと穴空けとプレーヤーキャビネットの組み立てなんて重労働をしていたら
いつの間にかGWが目の前で発注できない部品が出て来て困ってしまう

腰も痛いから 神様が休めと言っているんだなと良い様に解釈して少しペースを落とそうか

以下は、一段増幅のなんでもないラインアンプです
穴空けが何とか終わって部品をつけ始めました

ガレージさんのなら、3万円以下でケーキの箱くらいの大きさで半日で作れる程度のものと同じアンプです

あまりの穴の多さに腹が段々と立って来て、ちょっと手を休めてパチリ

PICT5582.jpg

お渡し出来る価格が幾らになるかはまだ自分にも分かりません

Mさん家のプロジェクトの中核を担うコントロールセンターになる予定なので手抜きはしないぞと言う強い気持ちで取り掛かったんですが、山盛り詰め込んだらどう見てもオーバークオリティの様な気がして来た

量産品に関しては、ファーストロッドが物としては一番立派に造られていて
ロットが降るほど「予告なき改良」と言う名のコストダウンと手抜きが重ねられて行くのは周知の事実ですが
(なのに、最新製品や後継機種に買い換える人が居るのは全く有り難いことです)

ウチのような、その都度オーダーの個人製作ではいつも初号機しか造らないので常に「オーバークオリティ」です

儲かる筈がありません (再び涙)

折角だから、このアンプのプロジェクトは継続してアップしますね




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Western Electric 124というアンプ

これは極めてありがたいお話なのですが

本当に多忙にさせていただいています
ブログを書く暇もない なんてのは大嘘なのですが、書くには相当の気力が必要なことも確かなのです


と言うわけで

今日は備忘として列挙だけしておきます

PICT4900.jpg

今年の夏前にメンテしたC形

入力は618AやBもお持ちなのですが、よりブロードに使えるピアレスのINPUTに決めて搭載しました
これが駆動するスピーカーがトンデモナイ化け物ですので正解だったかと思います

先日、術後の経過を見に立ち寄った際に
ビートルズの 「サージェントペパーズ ロンリーハーツ クラブナイト」のオリジナルLPを聞かせていただきました

椅子からお尻が浮き上がるほどぶっ飛びました!!

確かにWEとやらは、とてつもないのかも知れません

PICT4896.jpg

刻印の274B元箱入りですかね
最初についていたプリントの274Bが破棄値の30%ほどに減っていたので「こちらを付けてもいいですか?」と問うたところ
食い気味に「どうぞ・・」で挿入
この球を躊躇なく使える人でないと、このアンプを使えないのかも知れません

と申しますのも
出力管の350Bと合わせて、予備球の半分近くが動作不良で使えないという殺生な現実があったのです



次は秋頃にメンテしたA型

PICT4939.jpg


お二人とも沢山の予備球をお持ちだったので全ての球の試験をしてみました
返す刀で、350Bを所有する知人の物も大概は計ってみた

かなりの数に達したので生存率は上がってきたが、各々の購入金額の総額を生存者数で割ったらバカバカしくて使えないような金額になるだろう




そういえば随分前より先人達から「350Bは寿命が短くてたまったもんじゃない」という話を度々聞いていた

今回の調査でその一端を垣間見たのかも知れないが、その逸話を聞いていた時分から僕の中では釈然としない想いはずっとあったのだ

Westernだからということもないが、どんなメーカーだって半年や一年でダメになる球やアンプを作っていたら社会問題になるはずだ。ありえないね・・・と

でも通と呼ばれるお人は、おかしな理屈を引っ張り出してきて自分をだましちゃうんです


当時は業務用だから球が切れる前に、交換時期が来たら強制的に取り替えていたから問題なかったんだ

なんて、いかにもそれらしい嘘っぱちで自分の方から都合よく騙されている

いやいや、バカをいっちゃあいけない
FM放送だって、映画館だっていつ切れるか知れない球を使って木戸銭とって営業なんてできやしねえんだ

高座で 寝ていてぇ許されたのは日暮里のお師匠さんだけでぇ
アメ公がそんなに気が長えわけはねえだろう



今回、アンプの方を見せてもらって、一体何があったのか凡その見当はついたような気がします

原因は2つに大別されるでしょう

一つは与太郎のアンプで使うと、立派な球もすぐに切れるということ

もう一つは球自体にも与太郎がいるということだ


実際にメンテの済んだアンプの球は半年以上経っても 切れるどころか電流の1mmだって減るそぶりはない


それと沢山の球を見せてもらって、なんとなく外見を見て「これはダメだろうな」という鼻が効くようになってきた
その目で、今のネット・オークションなんかを見るとやばい奴が相当数紛れて居る

多くは出して居る方もわからないんだろうが・・・お気をつけあそばせ




これは想像というより、統計学上の判断(選挙の時の出口調査→すぐ当確ほどの高精度である)なのだけれど
この世に実在する相当数のWE124はひどい状態でひどい音を出していることが容易に想像できるのが怖い



そうすると、あちこちでこんな会話も聞こえてくる

流石にウエスターンだねえ、他では出せない味のある音がするものだ

え? 帯域も狭いし低音なんか全くでないし、音が団子状になっているって?

おまいさんねえ、滅多な事を言うもんじゃないよ

こちらは、天下のウエスターン様だよ

なんだね。この奥深さがまだおまいには理解できないんだろうね・・若いね

私くらいの年になったらわかるからさ それまでに買えるように精々稼ぎなさいよ

てやんでぃ 何言ってんだい くれるったって要るもんかい  そんな変な音のアンプ!



全くもって「酢豆腐」そのものですよ

もう一度言いますけれど

WE124は 腰を抜かすほどトンデモなく素晴らしい音のするアンプです







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我が家のFMチューナーが決まった話

このブログの過去記事を振り返ってみると、2015年の2月にFM放送の受信を目指して行動を始めたとの記事を書いていた

長いブランク明けであって昨今のFM放送や受信の事情が全くわからなく、まるっきりの初心者がヨチヨチ歩きを始めたという状態のスタートだった

オークションとハードオフで3000円程度のチューナーを買い
FM中継局のアンテナは自宅から目視できる場所なので、すぐに入るだろうと4素子のアンテナを買って置いてみたがノイズが多く実用にならない。

参ったなあ、
スタートした時点ではアマく考えてましたが、何事も始める前に考えるほどには簡単にいかないものです



次に打った手は・・・忘れもしません。ちょうど今頃の時期でした、午前中には時ならぬ雪が降った午後のこと
心ばかりの命綱を腹に巻いて、緊褌一番 決死の覚悟で屋根の上に8素子アンテナの設置を完了しました
これで問題なく受かるだろうと聴き始めましたが、なんとなく入力の弱さを感じて、ブースターを買ってみました

おやや・・・まだ足りないか? と高額だったけれど40dBのブースターをさらに奮発した!!!
どうやらここで、アンテナ入力の確保はできたようだがアンテナ1本とブースター1台は無駄になって空き部屋の隅に寂しそうに転がっている

オーディオをやっていると時々「俺は一切の無駄なく一直線で最高の音を出す!」なんて力んでいる人に出会いますが、まずそんな結果にはお目にかかっていませんしそれどころか無駄のない趣味なんてなんの喜びもないのだから長続きするわけもないです



所詮FMなんてメインの音源じゃないし可能な限り出費を抑えて。との目論見で始めたFM受信騒動ですが

その後
Kenwood 1台 アキュフェーズ 2台 SANSUIの同じ機種ををもう2台と買いました
台数が増えた大きな理由は「音質」なんかのためではなく、故障して使用不能になったからでした

そこで「基準信号発信器=ステレオ対応」や「周波数カウンター」まで買い込んでメンテを行うようになりましたが
国産民生機の脆弱さに呆れて、国産機に見切りをつけたかった

PICT4759.jpg

海外製FMチューナーを使用する場合、アンテナコネクターもわけのわからない形になる
その上、大陸と英国ではオスメスが異なるようだ、安くもない変換器をいくつも買う必要がある

しかし、欧州で生産されたFMチューナーはバンド帯が異なるため日本では使用できません
昔のバリコン式の時代は共振点を変更して使えたようですが、シンセサイザー式ではどうにもならないと言われていました

その頃にネット上ではデジタル処理して出力できるPGFチューナーなるものが評判になり、どのみち録音はデジタルなのだからいっそのことこのチューナーを導入してはどうかと、開発者の林さんに連絡を取り教えを請いました

しかし丁度新設計の基盤を準備中のタイミングなのでもう少し待てますか?とのことでしたがその後の進展はなく話は立ち消えになっておりました


本当にもうこうなったら崖っぷちです
一から勉強をして自分で「周波数シフター=放送される電波の周波数をずらして欧州のチューナーで受信できるようにするもの」を作るしか、我がFM受信システムを完成させる道がありません

かく云う私はよく電波とか言われますが(笑)電波関係の工学は全くのど素人
右も左も分からない、イロハから勉強してなんとか実用となる周波数シフターを作ることができました
それを使ってやっと念願だったREVOXのチューナーを使える環境を手にしたのです

これまで痛い目にあった中古品チューナー使用時の不具合に対応して
・できるだけ後期に、つまり最近に作られたもの
・業務用のSTUDERブランドで発売された実績のあるもの
この2点を目指して新しいチューナーを導入しました

PICT4754.jpg


早速、音を聞いてみました
全く まったくもってお話になりませんでした
これまでのチューナーが受信機の機械の音だとすると、これはもっと生々しい血の通った音楽が創生されるようです
何が違うのでしょう?
上述した通り私は受信機に関してはズブのど素人なので理屈は想像もつきませんしそんなことには何の興味もありませんが、何から何までこれまで使っていたチューナーとは次元の違う音楽再生であることは明確でした

これで随分と楽しみましたが、一つだけ困っていることがあります

CDーRはメディアの入手やすさ、コスト、圧倒的な互換性を鑑みると理想的な録音方式ではありますが
唯一、録音時間が短いのが弱点です  78分しか持ちませんのでオペラをはじめとする長手の楽曲では途切れた録音になります

昨年のバイロイトのリングはヤノフスキーの熱演だっただけに惜しいことをしました

そこで、システムの再構築の検討を始めた頃、とある小さな会社からPGFデジタルチューナーの完成セットが販売されていると云う情報が入りました


また一方では
QUAD Lowtherシステムの構築に伴い(必要に応じてではなく多分に調子に乗って)QUADのモノラル時代のFMチューナーまで買ってしまいました

PICT4756.jpg

巨大なブースターのパワーでチューナーは何台繋げても余裕綽々です
そして、この1台でまた新たな衝撃を受けたのです

Klangfilmの大きなシステムに入れて「いい音だな」とはならないのかもしれません
しかし、QUAD&Lowtherの世界観の範疇でこれほど鮮烈なFMを聴けるとは想像もできませんでした
夜中にひっそりとした音量で聞く
ラジオ深夜便から流れるJAZZや懐メロが静かに壁に染み込まれていくようです

大音量だ、抜けだ、鮮度だと云う旗印だけではない、本質の根っこの部分でオーディオに何ができるのか?何を求めるのか?を考え直させられたと云う意味での衝撃でした

そして、これら2つの衝撃がその後の方向付けをよりはっきりさせていくのですが、長くなりましたので
次回に続きます








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