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たかだか一段のラインアンプに・・・

働き方改革だかなんだか知らんがそれは国策の中の話、個人でやっている部品屋さんがGWとか取らないで欲しい(涙)

一昨日からずっと穴空けとプレーヤーキャビネットの組み立てなんて重労働をしていたら
いつの間にかGWが目の前で発注できない部品が出て来て困ってしまう

腰も痛いから 神様が休めと言っているんだなと良い様に解釈して少しペースを落とそうか

以下は、一段増幅のなんでもないラインアンプです
穴空けが何とか終わって部品をつけ始めました

ガレージさんのなら、3万円以下でケーキの箱くらいの大きさで半日で作れる程度のものと同じアンプです

あまりの穴の多さに腹が段々と立って来て、ちょっと手を休めてパチリ

PICT5582.jpg

お渡し出来る価格が幾らになるかはまだ自分にも分かりません

Mさん家のプロジェクトの中核を担うコントロールセンターになる予定なので手抜きはしないぞと言う強い気持ちで取り掛かったんですが、山盛り詰め込んだらどう見てもオーバークオリティの様な気がして来た

量産品に関しては、ファーストロッドが物としては一番立派に造られていて
ロットが降るほど「予告なき改良」と言う名のコストダウンと手抜きが重ねられて行くのは周知の事実ですが
(なのに、最新製品や後継機種に買い換える人が居るのは全く有り難いことです)

ウチのような、その都度オーダーの個人製作ではいつも初号機しか造らないので常に「オーバークオリティ」です

儲かる筈がありません (再び涙)

折角だから、このアンプのプロジェクトは継続してアップしますね




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Western Electric 124というアンプ

これは極めてありがたいお話なのですが

本当に多忙にさせていただいています
ブログを書く暇もない なんてのは大嘘なのですが、書くには相当の気力が必要なことも確かなのです


と言うわけで

今日は備忘として列挙だけしておきます

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今年の夏前にメンテしたC形

入力は618AやBもお持ちなのですが、よりブロードに使えるピアレスのINPUTに決めて搭載しました
これが駆動するスピーカーがトンデモナイ化け物ですので正解だったかと思います

先日、術後の経過を見に立ち寄った際に
ビートルズの 「サージェントペパーズ ロンリーハーツ クラブナイト」のオリジナルLPを聞かせていただきました

椅子からお尻が浮き上がるほどぶっ飛びました!!

確かにWEとやらは、とてつもないのかも知れません

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刻印の274B元箱入りですかね
最初についていたプリントの274Bが破棄値の30%ほどに減っていたので「こちらを付けてもいいですか?」と問うたところ
食い気味に「どうぞ・・」で挿入
この球を躊躇なく使える人でないと、このアンプを使えないのかも知れません

と申しますのも
出力管の350Bと合わせて、予備球の半分近くが動作不良で使えないという殺生な現実があったのです



次は秋頃にメンテしたA型

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お二人とも沢山の予備球をお持ちだったので全ての球の試験をしてみました
返す刀で、350Bを所有する知人の物も大概は計ってみた

かなりの数に達したので生存率は上がってきたが、各々の購入金額の総額を生存者数で割ったらバカバカしくて使えないような金額になるだろう




そういえば随分前より先人達から「350Bは寿命が短くてたまったもんじゃない」という話を度々聞いていた

今回の調査でその一端を垣間見たのかも知れないが、その逸話を聞いていた時分から僕の中では釈然としない想いはずっとあったのだ

Westernだからということもないが、どんなメーカーだって半年や一年でダメになる球やアンプを作っていたら社会問題になるはずだ。ありえないね・・・と

でも通と呼ばれるお人は、おかしな理屈を引っ張り出してきて自分をだましちゃうんです


当時は業務用だから球が切れる前に、交換時期が来たら強制的に取り替えていたから問題なかったんだ

なんて、いかにもそれらしい嘘っぱちで自分の方から都合よく騙されている

いやいや、バカをいっちゃあいけない
FM放送だって、映画館だっていつ切れるか知れない球を使って木戸銭とって営業なんてできやしねえんだ

高座で 寝ていてぇ許されたのは日暮里のお師匠さんだけでぇ
アメ公がそんなに気が長えわけはねえだろう



今回、アンプの方を見せてもらって、一体何があったのか凡その見当はついたような気がします

原因は2つに大別されるでしょう

一つは与太郎のアンプで使うと、立派な球もすぐに切れるということ

もう一つは球自体にも与太郎がいるということだ


実際にメンテの済んだアンプの球は半年以上経っても 切れるどころか電流の1mmだって減るそぶりはない


それと沢山の球を見せてもらって、なんとなく外見を見て「これはダメだろうな」という鼻が効くようになってきた
その目で、今のネット・オークションなんかを見るとやばい奴が相当数紛れて居る

多くは出して居る方もわからないんだろうが・・・お気をつけあそばせ




これは想像というより、統計学上の判断(選挙の時の出口調査→すぐ当確ほどの高精度である)なのだけれど
この世に実在する相当数のWE124はひどい状態でひどい音を出していることが容易に想像できるのが怖い



そうすると、あちこちでこんな会話も聞こえてくる

流石にウエスターンだねえ、他では出せない味のある音がするものだ

え? 帯域も狭いし低音なんか全くでないし、音が団子状になっているって?

おまいさんねえ、滅多な事を言うもんじゃないよ

こちらは、天下のウエスターン様だよ

なんだね。この奥深さがまだおまいには理解できないんだろうね・・若いね

私くらいの年になったらわかるからさ それまでに買えるように精々稼ぎなさいよ

てやんでぃ 何言ってんだい くれるったって要るもんかい  そんな変な音のアンプ!



全くもって「酢豆腐」そのものですよ

もう一度言いますけれど

WE124は 腰を抜かすほどトンデモなく素晴らしい音のするアンプです







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20年ぶりのアンプ製作  PX-4シングル 1932年仕様

ひょんな偶然が重なって、AD-1のアンプを自分で組んだのは30代の前半でした
その後10年ほど活躍してくれましたが、Klangfilmの専用アンプが投入されたことによって使命を終えていました

それ以降は、メーカー製造のアンプをメンテナンスして使う機会ばかりでしたから長いことアンプ製作から離れていました

そんな私に
昨年の末から今年のかけてアンプ製作のご依頼が舞い込んできました

その方は、随分と以前にフィールドのオイロダインをお譲りして以来懇意にしていただいている好事家の方で
これまで300Bの91などを中心としたアメリカ製アンプで楽しんで来られましたが、ある時PX-4アンプの音に触れてから、欧州製直熱三極管の燻銀のような音質の魅力に目覚めてしまったとおっしゃるのです

周りにもアンプ製作を頼める方は沢山お見えのようですが、ご高齢であったり欧州管に対しては経験がないという事情があって、「じゃあ、お前に任す」と白羽の矢が立ちました

正式にご依頼をいただくに際して
過去の失敗を繰り返さないように、入念にお打ち合わせをいたしました

・回路は1932年ころ真空管が発表された当時の回路の採用を了解されたい。理由はそれ以外に選択肢がないので
(私の創意工夫は一切入れない、よって音が悪いという苦情も一切受け付けない(笑))
・部品選定に関しては一任いただくこと(可能な限りオールドの英国製、欧州製部品を使う)
・デザインはコンストラクションに関わるので基本的にはお任せ願うこと(細かいことはご希望に添います)
・パイロットランプと監視メータをつける(私はやんわり反対して、すぐ承諾)
・出力は200Ωで旧型オイロダインをダイレクトにつなぐ(特注するしかない)

回路は上の通り、知る得る限りでもっとも原典版に近い時代の古いものを採用しました
まだ、出力トランスが普及しておらず、カップリングディバイスがチョークとコンデンサーの時代の回路です!
当時の業界事情を鑑みれば当たり前なのですが、20年前に作ったTELEFUNKEN AD-1の推奨回路とは双子のように酷似しています

穴があくほど見慣れた方式ですので、回路図と部品リストの書き出しは瞬く間に終わりました
しかし、頭のひねりどころはここからです。部品配置こそがアンプ成功の全てと言っても過言ではありません
コンストラクションさえ決まれば九割がた完成したようなもの、あとの実装・配線なんて赤子の手を捻るようなものです

それからはコピー紙を何枚も携帯して、思いついたそばからアイディアを形にしてスケッチする日々が続きました
そこしずつ部品が揃ってきますから具体的な寸法も入りはじめます

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5ヶ月から半年くらい過ぎた頃から、新しいアイディアが追加されることはなくなり
そろそろ腹を決めて製作にかかる頃合いかと思ったのが昨年の10月頃でした

自分はアンプを起こしたのは20年ぶりとか言っているのであまり偉そうなことは言える立場でないのはよくわかっているんですがこの時間がアンプ作りでは最も重要だと思います

ヤフオクなどに出品されるアンプを見ますと、この検討が不十分で見切り発車で組み立て始めたのではないかと思しきアンプが散見されます

音の嗜好は個人の問題なので使用者が満足するなら私が関知するところではありませんが、高圧を扱う真空管アンプにおいては安全性と長期にわたる安定性に対して懸念を感じ、傍目ながら気が気ではありません

自分自身が作ったアンプも含めてなので、文句を言われても構わないのですがそう言ったアンプはとても使う気にならないと思っている人間が作ったアンプの顛末記であります

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銀紙が光っていけないんですが、発泡スチロールの板の上で部品を立てて検証中
自分としてはこの大きさ「320mmx200mm」で行きたかった、今見ても申し分のないコンストラクションです
中央の出力トランスはまだ代理のものです

その後、オーナー様のご希望で「350mmx220mm」のやや大きなシャーシに変更になりました

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部品を並べてみるとやっぱりサイズ的に少々ゆったりですねえ

その後も検討を繰り返し、最終的に組み上がったのがこちら

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写真の整流管は動作確認の為にG2004を載せていますが、本番ではMullard FW4-500を奢って英国アンプの矜持を保ちました

その装着に反対した電流監視メーターは左側のオルタネイト・スイッチを押している間だけ照明がついて測定を開始する仕様にして、ちっちゃな抵抗を示しました


内部は

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音声回路中の抵抗は全て英国製ヴィンテージ品です
・ソケット類は全部英国製
・コンデンサはドイツ製と英国製の混成部隊
・スイッチやヒューズソケット、ヒューズなどは米国製
・フックアップワイヤーは英国WESTREX(電源供給)と米国ベルデン(ヒーター回路)
後述の通り信号回路には出力管のRk(メタルグラッド型なのでそもそもリード線が存在しない)のプラス側3cm程しかワイヤーを使っていません
・スムーシング・チョークは最大限大きく(30H)とってコンデンサーは少しでも小さくしたいのですが、安全保障上電解コンデンサーは現代部品からの選択ということで16μFとしています。ここは6〜8μFでも十分でしょう


写真に撮ると苦労は映らないんですが(笑)
長い間考え抜いた甲斐があったというものです

全てのCR部品はそれ自身の持つリード線の範囲内で組まれていて、ワイヤーによる所謂「渡し」にしている箇所はありません
出力管のRkから入力端子のコールド側まで1本のグランドラインを渡して信号の通る順番に流す手法はいつもの通りです
アースポイントは1点です、これで歪みが最も減りノイズが少なくなりました。理想的ですね

回路図にするとこのアンプは結構複雑な回路構成なんですよ、部品が少ないんじゃないの?と見えるようならちょこっと自慢です

なお、電源周りのワイヤーを過剰に余らせて回しているように見えるかもしれませんが
本機は「チョークコイル」「出力トランス」が直出しのワイヤーなので、パツンパツンに切り詰めてしまうと後々のメンテナンスや部品交換の際に痛い目にあうので可能な範囲で長く残してフォーミングしています


出力は 3.5W (CP)
残留ノイズ 2.4mV(200Ω)以下
周波数特性 15 〜 30kHz (-1dB)

特注した出力トランスが1932年の常識では計り知れない高性能だもんで
直熱三極管の古典回路としては規格外の高性能アンプが出来上がりました
というのはこの回路は本当に優秀なもので、部品の裏付けさえあれば現代的な「高性能アンプ」も真っ青の音が出るんですよ

さて、組み上がったアンプの音のことなんかリキんで語っても仕方がありません

聴く人の感性により評価は変わりますし、音はスピーカーから出るものですから特定のスピーカーを使って聞いた音の印象を語ってもそれらのスピーカーを所有していない人にとっては「アンプの音」をイメージするのは難しいでしょう

その前提で一つだけこのアンプの特徴なのかな?と思ったのは

我が家の常用アンプに比べ、春の朝の空気の透明感のような清潔でクリアーな空気感を強く感じます
これはシングルアンプの特徴なのか?トランスか?回路かはわかりませんが
理屈で追うと、広い周波数応答と低歪みの賜物でしょうね

しかしながら、我が家ではもう何年も聴いたことのない空気感でしたので、自分でも少し取り組んで見たいなあ!などというフラチな考えが頭をもたげていることを告白しなければなりません







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英国オーディオ旅行  二十年ぶりの民生機

我が家における英国式オーディオの火を消してはいかん!

と、この歳になって一念発起
20年ぶりくらいに民生機に取り組んでいます

まずは、入り口をご紹介しましょう

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CollaroのターンテーブルにDecca Super arm と PRO arm の2本体制です
それぞれに専用の(針圧の適合という意味で)ヘッドを使います
下のセレクターボックスは、2本のアームとステレオ、モノラルの切り替えを行います

ターンテーブルは当然のこと、フローティングしないとお話にもなりません
そのために、写真にあるキャビネットの決められた隙間に納めるよう上下ともミリ単位のクリアランスで押し込んでいます
今回のラインを組む中で一番苦労した点です

置いてあるレコードはオワゾリール パーセルによるシェークスピア劇の音楽に登場いただきました
エンシェントを指揮したホグウットの名盤です、これほどふさわしい1枚もそうありますまい

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ヘッドも少しずつ揃ってきました
まだいくつかはメンテナンスのために英国へ旅をしています

この中に一つ、中々の珍品が含まれています、そのあたりのお話は別途書きます



さて、今回もアンプはQUADにしました
これはもう腐れ縁のようなもので仕方ないですね

これ以外のメーカーの機械も随分とお世話になってきましたが、ことプリアンプに関してはQUADの方式が一番納得がいっているというだけの理由です
他社のアンプよりQUADが優れているとも思いませんし、もちろん劣っているとも思いません

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プリはいつものようにモノラルのを2台使います
このQUAD QCIIというアンプは4回ほどモデルチェンジをしていまして、中身の回路や部品の定数が変わっているのでステレオで使うときには注意が必要です

今回の個体はセカンドバージョンで、入力数やテープアウトの端子などが一般に見られるモデルとは異なっています
この時代のもので状態の揃った2台を見つけるのは難しいと思います、運が良かったです

ただし、EQカーブは見る影もないくらいずれています
英国から別途マイカコンデンサーを送ってもらいカーブを合わせました

カーブがずれている状態で何人か音を聞いてもらっています
みなさん、首を傾げて怪訝そうな顔で無口のまま帰られました

次回聞かれたときにびっくりしてもらえると思います
こんな古いアンプは買ってきて繋いだだけでは何の役にも立たないんだ、という重要なことをお知らせできる又とない機会でしたので、不備を承知で調整前の音を出しました(我が家ではほとんど完成後にしか人様にはお聞かせしません)

憧れのヴィンテージアンプを買うだけならお金との相談で済みますが
良い音楽を聞くことができるかは全く別の次元で、現状のままでは不可能に近いことです

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パワーアンプはお馴染みのQUAD Ⅱ型なんですが、売主は変なことを言っていました

曰く
「この個体は、再生産品である。電源を入れると一応音は出るが要修理品である。シャーシにはいくつか穴が開けられているので了解されたし」

こちらとしては、まあ音が出るんならトランスは逝っていないようだし、下手に部品が変えられていないのは願ったり叶ったりだからこれで良いか!と送ってもらいました


さて、パワーアンプのメンテナンスを開始しましたが、あらゆる点でおかしなことが起きます

1 Ⅱ型アンプで特徴的な豪華仕様のアクリル銘板の代わりに簡素なアルミ板の銘板がついています
しかもそこには、セントラルエレクトロニクスの注文により作られたとあります???

2 写真の通りシャーシの横腹に穴が空いています
寸法や形状から、ねじ込み式のプロ用のコネクターがつけられていたようです
反対側にも2個空いていて、スピーカーコードを引き出していたようです

3 写真上側のアンプの電源トランスには、昔懐かしいテプラシールが貼ってあります
よく見て見ると  「CH. 9」とあります
チャンネル9番???

4 同じく写真の通り、アンプの両端にはラックマウントごときな「ツバ」が付いています

5 最後に周波数特性を測って見ました
8kHzくらいから下降して高音が全く出ていません???
慌てて、近所でⅡ型をお使いのMさん宅で見せてもらうと・・・大きな発見がありました


出力トランスの仕様が違います
・・・初めはわからずに単純な配線違いだと思って配線をノーマル機仕様にしたら・・・危うくトランスを焼き切りそうになりました

そうと分かればこっちのものです
業務用ラインで使うための道具立ては揃っていますからお手の物、実際にはノーマル機よりもトランスを楽に使っていますから望外に優秀な特性であることが判明しました

思い返すと、Vitavoxのモニタースピーカーも同じ仕様だったなあ、あれがまだ手元にあればダイレクトに使えたのになあ
と思いましたが後の祭り、人間「知らない」というのは恐ろしいものです。もっともっと勉強しよ



さて、仕様の違いもわかってひと段落、続いてアンプの実際的なメンテナンスに移りましたが、これがまた大変なものでした

まず、50年代のカーボンコンポジット抵抗の狂うこと、狂うこと
慌てて同一部品を大量に英国から取り寄せました

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いくら新品といってもストックの抵抗も狂っています
一つの値の抵抗が10本あっても2本1組も取れません
そこは最後の手段を使って何とか2台分揃えました、大量の不使用抵抗が残りましたがこれもそのうち使うときがくるでしょうね

これまで長いことドイツ製の業務機を扱ってきて、金属皮膜系の抵抗を見てきました
何十台か100台近く直しましたが、抵抗値が狂っていたから交換した記憶がすぐには思い出せません


また、1本のKT-66が熱暴走を起こして原因の追及に時間を要しました
これも業務機ではあまり考えられないことです、不具合までのマージンや部品決定時の安全保障の感覚が大きく異なりますね





オーディオシステムの音を聞いて、あっちが良いとかこっちが好きだと言い放つことは実は造作もないことであり、どれほどの意味もないことです

ある時代に、ある目的や用途を持って作り出されたモノには必ず作り手の想いやそれぞれの時代の要求があります
現代に生きる我々にはその物の価値を正しく汲み取れているか?が問われているのだろうと思います


今回ご紹介した民生オーディオが生み出された当時の英国では、まだおそらくかなり身分の高い人たちが顧客だったでしょう
途方も無い大きなお屋敷の普段は家人も足を踏み入れないような離れや奥の院でお父さんだけが音楽を聞く部屋に置かれていたかもしれません
あるいは、来客からの羨望を浴びるようにしつらえた瀟洒なサロンかも・・・


いづれにしても、無粋な「家電製品」が見えているようでは興ざめです
QUADやLEAKがプリメインアンプであるにもかかわらず、プリを切り離して可及的小さな筐体に詰め込んだのちパワーアンプを人の目の届かぬ場所に離して押し込めるように設計されているのは決して偶然ではありません

私は以前にQUADを使っていた時も同じようにしましたが、こうした機械は必ずアンティークのキャビネットに入れて、使わないときには普通の家具として何食わぬ顔をしていなければならないと考えています


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これは20年ほど前に使っていたキャビネット

こちらが今回のもの

PICT4746.jpg


そして、大切なことは
価格的には何十倍も開きのあるKlagfilmの劇場用システムと聞き比べて、やっぱり大きい方がいい!なんて無毛な感想を持って評論家ごっこをしないことです


素晴らしい京都のやっこ(四角に切ったお豆腐)にお醤油をかけただけのものと料亭の料理を比べて「俺はこっちの方が好きだ」なんて無粋なことを言っているようでは
この世界を生きていく資格が無いというものです








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Marantz 8B   本当の実力を聞くために

結局、自分ではノータッチでしたが今回の一件でマランツという会社のことを知る機会になりました

米マランツ社は1964年に家電メーカーのスーパーコープに売却され、以降日本のスタンダード工業によって製品開発されることになりますが、これはもう少し前「古き良きアメリカ」時代の話です


創業者ソウル・バーナード・マランツさんは工業デザインと電子技術の経験がある人で、1951年頃知人のためにプリアンプを作った
いわゆるセミプロの自作マニアですね。その機械が仲間内で評判になり400台近い購入希望があって
奥様と二人の手作業では追いつかなくなり1953年に会社として立ち上げたそうです

P・ウォーカー先生やアイクマンくんなどもみんな同じような経緯で起業していますね
本格的家庭用オーディオが今まさに産声をあげた瞬間です

その後の快進撃はよくご存知の通り、シドニー・スミスやセクエラといった名技術者を向かえ入れ名器の数々を生み出します

私の薄い記憶だけで今回ネット検索しても確認が取れなかったのですが、マランツ自身だったかスミスは測定器の仕事もしていたと聞いた記憶があります

今回 8Bのマニュアルを見ていて、そう、これは測定器のマニュアルの書き方だと思ったのです


マニュアルのP5に 「アジャストメント」という項目があり

1、バイアス調整
2、ACバランス調整

の2項目が写真入りで事細かに記載されています

さらにその後には
テストポイント毎の電圧値と抵抗値の標準一覧があって、実に親切なマニュアルになっています
これだけやっておけば、一通り以上の調整ができますので、買ってきたままの状態で使うよりもかなり音の足並みが揃って重心が下がり、そして何よりピントのあった音になるでしょう

今回は片側のchだけでしたが、きちんと調整してからモノラルで聞いてみました
聞き慣れた民生機アンプという印象は霧散し、音像に整いと背景に静寂のあるハイクオリティ・アンプの香りが漂ってきました

楽器の姿がなんとなく霞がかかり、こんもりとした「マリモ」が鳴っているような印象がなくなったのです
やはり8Bはきちんと使いさえすれば素晴らしい名器でした!


いつも申し上げていますが、50年前の真空管時代の名器が眠たくなるような生気のない=優しく真空管らしい音=であったら「名器」と呼ばれ続けるはずがないんです
同時代他メーカーのアンプをはるかに凌駕する音の鳴りっぷりがあったからこそスーパースターとして君臨したんです

マニアの皆さんが、名前さえも聞いたことのないアンプメーカーは星の数ほどあったにもかかわらず、ほんの一握りの機種だけが50年経った今でも高値で取引されているのには、当然の理由があるのです


Marantz8b.jpg


さて、このブログで上記マニュアルのリンク先を張って調整方法などにも少し触れようかと思いましたがやめました

少なくともある程度の精度の(市価1万5千円以上)デジタルテスターとダミーロードとショートピンは必要ですし(テスターも持たずにヴェンテージアンプを使っている環境を想像できないが、下記の理由で使わないほうが良いとも思う。またダミーなしに通電するとアウトトランス断線の原因になる)ちゃんとするなら、オシレーター、ミリバル、ジェネレーターが必要になる

そして、何より心配であったのが

底パネルを外して天地を返した状態で通電し・・・+Bにはこの時点で400v来ている・・・電圧測定や半固定抵抗の調整をすることです
この時に金属のスクリュー・ドライバーやプライヤーズを、手を滑らせてアンプの中に落としてしまうと家中の電源を消失することになります。

もちろんアンプは大きな被害を受けます、そんなリスクを冒してまでするべきことではないと考えました


312marbottom.jpg

400vが走るこの中に手を突っ込む(比喩です)勇気が必要です
電圧は高いですが、200mA程度しか流れないので感電しても「ビク」って程度です
壁コンセントからの200vは契約の50Aとかのままですから「ブヲ」ってなります




結論から申しましょう

球を交換して音が変わった、良くなったと喜ぶのは少し待ってください
球を交換したせいで、回路中の動作条件ppならAC、DCバランス、シングルなら球の動作点が変わるので音が変わるのです、それを喜んでいても仕方がありません

ただし球を変えるたびに上記マニュアル通りに調整をされている人は別です。その人は以下の文を読む必要がありませんが、その様なことができるほどアンプを理解している人は大抵安易に球を変えたりしないものです



仮にきちんと調整された状態(そんなものには中々お目にかかれませんが)で買ったとしたら、球を変えることによってわざわざバランスを崩して、音が変わったと言っているのです
アンプは音が変わることが重要ではないんです

もし、交換する球をお求めになるお金があるのなら、一度信頼の置ける技術者によって調整された状態で聞いてみることです。その後は1年に一度のルーティンにする
それだけで、あなたの家ではどれほど素晴らしい音楽が響くかしれません

ただし、お願いする相手がまた悩ましい問題であります。アンプを設計して自作できる・・・というだけではいけません


長い時間の中で技術は歴史を刻み続けてきたのです
歴史を知り、マランツであればその設計に携わった技術者の思想や組あげる時の「クセ」を知らないと(想像する感性がないと)できる話ではありません

「オリジナル部品でないといい音は出ない」だの「俺がいじったら、もっと音を良くしてやる」なんて人にあなたの大切な、そして歴史的名器を委ねてはいけません
素人の生兵法は古来より固く禁じられるものです、なので私自身も8Bに関しては関与出来ませんでした


まずはその機械を作った人たちが情熱を叩きつけた最高の状態で一度聴いてみてください
雑誌やネット上の評判をはるかに上回る音の世界がそこにはあると思いますよ

変化を求めるならば、その後でもいいじゃないですか?
すでに鬼籍に入ってしまったシドニー・スミスやソウル・B・マランツと違って僕らは生きていてこれからも時間はたっぷりあるんですから

亡き先人の偉大な業績にまず敬意を表してから己の思考を表現するのであれば、礼を失することにはなりますまい



『余談中の余談コーナー』

立川志の輔師匠(北陸地方の生まれ)が29歳という遅咲きで談志師匠に弟子入りした当時のことです
兄弟子(おそらく年少の)に蕎麦屋へ連れて行ってもらいました

お酒を頼むと「お通し」として白菜の漬物が出てきました
志の輔さんは、これまでそうしてきたように何の迷うことなく漬物に醤油をかけて食べようとした所、兄さんにお小言をいただきました

「おまいさん漬物が塩っ辛いか甘いかわからないうちに醤油をかけるんじゃないよ。一口食べてからでも遅くないだろ」

・・・お後がよろしようで








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