これまで扱った中でも最高級のアンプ WESTREX 2058-C

思いがけないものが視界に飛び込んでいたとき、人間は絵に書いたような「二度見」をする。
コントやドラマでもよく取り上げられるが、自分自身こんな見事な二度見をするとは思わなかった。

5月に我が家へ来た「WESTREX.LONDON 2058-C」アンプは、秋口から1ヶ月近く続けたチャージ期間を通じて全ての検査に合格した。
ようやくと正規の電圧をかけたのが週明けの月曜日のこと(12年10月22日)
その後、2日ほどチロチロと様子を見ながら異常がないか監視を続けた後、周波数特性を測ってみた。

結果、目も当てられない程のカマボコ特性だ。
あーーあ、長い時間取り組んで来てこれじゃあ、気が抜けるなあ。と気落ちした。

随分と昔に買った真空管アンプの本(何故かどれも馬鹿高いのでいつの間にかご無沙汰)によるとロンドンWEの当時のアンプは低音上がり、高音は7kHz位からロールオフ!!とのグラフがあったから、やっぱりこんなものかな?といよいよ諦め始めていた。

しかしまあ、このまま引き下がっては業務機をイジって30年!?のコケンに関わるということで、一念発起していつものルーティン通り入力トランスからパート毎の特性を測り始めた。

このトランスは1950年初期の設計らしく、極端なハイ落ちを示す。いきなりこれだもの、先が思いやられる。
しかし、・・・諸事情があって(後日詳細に)過程は書けないが、ある発見をしてからは全てに合点がいきその後は至って順調にこのアンプ本来の性能に達することができたように思う。

そして、再度の特性を測ると、

「我が目を疑う」とはこのことだ。
1kHzスタートで高域方向へ・・・・・バルボルの針が動かない・・・・・ベタ凪

二度見どころじゃない。自分を疑って何度も測りなおしたが、やはり間違いなさそうだ。

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現代アンプの基準からするとさして特別な事ではないかもしれないが
世界に冠たるZEISS IKONのアンプだってこんな優秀な結果を示したことはなかった。(それにはまた別に理由があるので、子供のようにアンプの善し悪し!に置き換えないで頂きたく、念のため)
何といってもインスペクションには1955(年製)という文字があるのだから、それを考えると誠に感慨深い。

では、かつて紙面に発表されていた特性はなんだったのか?疑問を残しつつ今日はこのくらいにして続きは次回に譲ろう。

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こんな曲、本当に実在したんだ!

今日はやり残した作業や陶芸の釉かけなどをして時間が押していた上に、明日にはお客さんが見える予定があって、掃除をしたり音が出るかを確認したりで大忙しだった。

先月、一本の出力管にノイズの入るようになったを放置していたのでEuropaはマトモに鳴らない状態。汗
しかも風邪引きの影響で耳が「つーーん」としているので何を聞いてもよくわからない、ままよ。と明日を迎えよう。
これがうちの音だよって言い訳しないでありのままを聞いていただくのが良いだろう。



そんな疲れた頭の中で先ほどから

カーペンターズの「雨の日と月曜日は」がリフレインしている。便利なNET社会の住人としては、早速YouTubeでチェック・・・


カーペンターズが活躍した時代は、正確には僕より少し前の世代で自身はどっぷり浸かった訳ではない。この曲以外には「スーパースター」辺りが馴染みといういたって表層的愛好家に過ぎない。

それでも、今となってはもう思い出し様も無い、若く、イケてなく、まったく到らなかった年頃の何らかの思い出と共に頭の中にステイして40年ほど経つ幼馴染みだ。




さて、本題の曲はYouTubeの右側に出る、こんなんもありまっせ。というお勧めコーナーにあった。
もちろん最初はカレンの歌唱でヒットしたのだが、これはどう見ても更に二、三世代は前の歌。しかも、出るわ出るわの同曲異演の数々。

Wikiを調べたら 1963年に「スキータ・ディビス」という女性歌手がリリースしたのがオリジナルらしい。
ウルトラなロング・ヒットで膨大な数のシンガーにカヴァーされている。それはそれはすごい幅のあるメンバー。

勿論懐かしい曲ではある訳だけれど、耳にした瞬間に口をついて出た言葉は「こんな曲、ほんとに世の中にあるんだ」



随分と色々な歌手の歌を聞いてみたけれど、一番しっくりくるのがこのヴァージョンだったので。

Brenda Lee The End of The World


中学生の頃、当時唯一アメリカを感じることができたTVドラマ「HappyDays」の記憶の中に閉じ込められたままになっていた「甘く切ない少年の心」ってやつをこのサウンドによって呼び起こされたような気持ちになる。

時間は決して、絶対、何があっても戻らない。
という無慈悲なまでの大前提があるからこそ思い出や郷愁が大切に思えるってのは、人間のよくできた処だよなあ。





 

鋭意、奮闘中 WESTREX.London パワーアンプ

前の記事で

「長野に慣れていない人はこの時期の寒さにご注意!」なんて偉そうなことを吐かしたら、ちゃっかり自分で風邪をひいてしまった。

ご依頼を受けているメンテが進まずに焦っているが今日からまた少しずつ進めています。

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350Bのパラレルppだが、見た感じ20W以下の出力か?

左下には入力トランスを備えて、WEでは141あたりと同等のプリアンプがセットされており、規模的にはWE118などと同等と考えて良さそうだ。

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70年以上の年月は内外装とも侵食の跡を隠せないが、一時的な検査では驚く程劣化した部品は少ない。

Klangfilmの同年代の部品はかなり丈夫。LondonはアメリカのWEより丈夫かもしれない。これはカンに過ぎない。
ただし、今後は500vを超える通電試験という厳しい現実が待っている。

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お決まりでカソードのバイパスは無条件に新品に交換してからテスト開始。
まずは低圧からスタートしよう。




天高く、音肥ゆる秋

山中の寒村である長野市だって、今年の夏は暑かった。てえことは、都会はもっと暑かったに違いない。

7月、8月とオーディオに関する問い合わせや部品依頼、修理依頼が全く無くなって昨年以来の景気後退感が極まれりか?オーディオ人口の急激な減少か?と、いらぬ心配になったものだ。

それでも、標高300mオーバーの高地の良いところ・・・9月の半ばまで続いた残暑もある日を堺に「寒いじゃねえか!」くらい急に冷え込む日に変わった。(南から引っ越して来た人はこの時期風邪を引きます。注意)

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そして、この気候の変化を潮に、修理や部品のご依頼・お問い合わせがどどどっと増えてきたから、なるほどと。
やっぱり、暑い時期はみんな音楽を聴く気分じゃなかったのね!
椅子に背中がじっとりと付くのは、気持ち悪いし。

そんな折、昔馴染みの方からプレーヤー何とかして。と 急患あり。
お待ちいただいているアンプ修理の方々、m(_)m

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モーターが組みあがって部品待ちの間にパチリ。

そんなんで、久しぶりに夜を徹しての作業をしてなんとか仕上げた。

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写真が悪いが、各部キラキラして気持ち(≧∇≦)b

そして納品、「こんなに変わるとは思わなかった」って、そうでしょう!?
システムの先頭にあるプレーヤーコケたら、みなコケますから。

そこで一句

  「逢いみての後の心にくらぶれば 昔は何を想わざりけり」・・・・お後がよろしいようで。