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何年ぶりに影響を受けて買ったレコード・・・有り〼

その方は、一年ほど前から何度か我が家にお越しいただいたことはありましたが、こちらから伺ったことはありませんでした

今年に入ってから春頃に、BUDのマスターと旧知のTさんにお誘いいただいて初めて訪問が叶いました
40畳以上の立派なリビングにオートグラフとWEのモニタースピーカーが鎮座しています

プレーヤーは4台?5台?もあったでしょうか、それぞれに3本づつ、今では極めて希少になったORTOFONのヴィンテージアームとさらにそれに倍するカートリッジの数々が控えていました
プレーヤーの対面にはロンドンの新聞紙で作られたと言われる大型のストレートホーンを持つEMG製グラモフォンがあります

その方はKさんとおっしゃいます
以降ガラード、マッキンのプリアンプとメンテを担当させていただくうちに、オーディオへの想いやお悩みをお聞きするようになりました

Tannoyのオートグラフ(モニター・ゴールド搭載の英国製オリジナルセット)は世評の通り、低音の分解能が悪い「雰囲気」だけの音なのだろうか?と
自分自身そう感じる部分はあるし、誰に聞いてもらっても口を揃えて

「オートグラフとはそういうものだ、無駄な抵抗はやめて別のスピーカーにしたら」の大合唱だというのです

私は胸を張ってこう言いました

大丈夫です。オートグラフは全帯域で引き締まった、他のスピーカーでは出し得ないニュアンス豊かな音楽を必ず奏でます!へんてこりんな音しか出ないスピーカーが歴史的名器と言われるわけはないんです!信じてください

まあ、そんなこと言われたってKさんは全く信用していなかったでしょうね
それほど我が国におけるオートグラフの定評(良しにつけ悪しきにつけ)は根強いと言わざるを得ません




このブログで以前に書いたかもしれませんが

私は昨年の天高く晴れたある日 
ボーーーっと椅子に深く腰掛けて本を読んでいる時
Tannoy創業者のファウンテンおじいちゃんのお話だったが、その時ファウンテン翁その人から啓示を受けたのだ(ウソウソ)
オートグラフが生まれた必然と、その意図を忠実に理解、構築できればオートグラフはとんでもない音楽を描くのだぞよ・・・と

Kさんの御宅のオーディオシステムの構築を一緒に考えていくご依頼を承ったことにより
早くもその教えを実践する機会に恵まれたのです



個人情報の保護のためにお部屋の写真を載せませんが、機材のカットインでご覧ください

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それから、3ヶ月ほど通いつめ、没頭してメンテを行いシステム構築のお手伝いをしました
梅雨入り前には当初に描いたグランドデザインを現実にすることができました

出現した音や音楽を言葉にするような無粋はしませんが、逆にいえば簡単に言葉にできるような音はその程度のクオリティに止まる
本当にうまいもの、本当に良い音楽を目の前にした時人間は息を飲み言葉を失うもの。とだけ申し上げておきます


この世の全てのオーディオマニアのオートグラフに対するイメージを覆す音楽が出現しています
低域の量感と解像度の両立は他の装置では中々味わえぬテクスチュアであり、オートグラフがまごうことなく時間を超越した歴史的名器であることが納得できます




一つ付け加えると、オーディオ雑誌やマニア推奨の

・音質向上策
・魔改造
・スペシャル・チューニング
・ルーム・チューニング
・ケーブルやアクセサリー類の比較選択 等々

の類は一切おこなっていません

それどころか、音に悩んで色々と施してあった対策やアクセサリーを一つ、また一つと取り除いてゆく道程でした
その度に厚く立ち込めた雲の向こうから少しづつ音楽が姿を現し始めました



只々ひたすらに、
パワーアンプとスピーカーの組み合わせに留意し
カートリッジとトランスとEQの総合周波数特性をマッチングさせることに腐心し
インピーダンスの整合に気を払い、ゲインの配分に集中しました
それと同時に各々のパーツが十全な性能を確保するためのメンテナンスを行ったに過ぎません

普通のマニアが見ると「ポン置き」にしか見えないだろう「音質対策」と言われることは何一つしていないのだから
しかし、水面の下では数値的な根拠に乗っ取り莫大な数のロジックというバタ足でもがいて推進力にしています


PICT4749.jpg


まだ、肌寒かった頃に漕ぎ出したこの冒険活劇も、半袖シャツが必要になる頃には帰る港が見えてきました
今日で一応、オートグラフのシステム構築は終了します、あとは聞き続けることで10年は成長を続けると思いますよ
なとど言いつつ工具などの片付けを始めた頃、Kさんは1枚のレコードをかけてくださいました


長くなったので、今日はこの辺で







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