衝撃の言葉 〜 音楽・音源を「ソフト」と言う人々
私がまだオーディオをしていると言える段階でなく、駆け出しの頃の話です
実家のお隣の町に友人の会社の同僚の方が住んでいました
そのお父上が敷地内にオーディオ部屋を建てる程熱心な方で、同僚の方(息子さん)自身もその影響でオーディオに興味がお有りだと聞いていました
その後、友人の取りなしもあって
「せっかくお近くなんだから、お互いに訪問しましょう」となりました
始めに年少の私から先方にお邪魔しました
部屋は10畳ほどの「男の城」って感じで、余計な装飾も無いオーディオ一筋の室内でした
装置の詳細はここでは書きませんと言うより記憶にないので書けません
もう、30年以上前のことですし、何より評論家ごち「訪問記」などを記するほど立派な人間でないと自覚しているからです
ただ、お父さんは真空管アンプを自作されるのが趣味の方で、何台か見知らぬ部品で組まれた自作アンプがありました
スピーカーも市販品ではなかった様に思います
いくつかのレコードを聞いた後
「クラシックはあまり詳しく無いので、レコードを持参して欲しい」とのご要望があったのでお持ちしたレコードをかけていただきました
これは、覚えています
グリュミオの名演集 クライスラーの小品や熊蜂の飛行などメロディーが分かりやすい曲を集めた1枚で
外盤の入手が困難な地方都市としてはありがたいオランダ直輸入の1000円盤でした
70年頃のPHILIPS録音ですから見事な音です
お父さんは痛く感激してくださって、そこで出たのが次の言葉です
「いやあ。これはいいソフトですねえ」
現在に至るまで、オーディオをしていて最も印象深い「言葉」の一つでした
それまで、レコード(やCD)を「ソフト」と呼ぶ人に出会ってこなかったからです
ここまで読んで頂いている皆さんはどうお感じになったでしょうか?
・え? 普通 言うでしょ!
・なんか違和感あるねえ
・特に、なんとも感じません
感じ方は各々でよろしいと思いますが
齢30歳くらいの当時の私には大層な違和感があったのです
もちろん、当のお父さんに特段の意図はなく、オーディオ雑誌や仲間内で慣例的に使われる「音源=ソフト」と言う記号としての言葉を使っただけだと思います
良くありますよね、オーディオ雑誌の巻末の方に「今月の優秀録音 推薦・特選ソフト」みたいな感じの使われ方
未だに感じている違和感の原因は
「オーディオ装置=ハードウェア」の一対としての「音源=ソフトウェア」なのかしら?
スピーカーやアンプやプレーヤー、すなわち「ハードウェア」とそのシステムを構成する
オーディオで音を出すために必要な「構成要素=コンポーネント」の一つとして「音源=ソフトウェア」を捉えている?
オーディオの音質を確認し調整する為に、音を出す必要があるからソフトをかけてるの?
極端に悪い取り方をすると、そんな印象を受けるものですから違和感があったのでしょう
実際に個人のお宅で、オーディオメーカーの配布する「デモ盤」の中の女性ヴォーカルでもかけて下さる
場合などに出会すと???と思うこともありますよね。いや、お好きなら良いんですよ、いいんですけどね
ご自身で発見・発掘した「魂の一枚!」をお聞かせ頂きたいものですから
繰り返しになりますが
私自身は18歳の時に、オーディオの師匠からSPからモノラル時代の歌手やヴァイオリン奏者を沢山教えてもらった中で
1人の歌手と運命的な(と勝手に思い込んでいる)出会いがありました
以来、自分にとってのオーディオの存在意義は、その歌手の歌を聞く為だけにありました
私にとって「音源」は
オーディオの「要素=element」ではなく「動機=motive」なのです

師匠はオーディオ店主なので、こちらも何気なく
真空管を変えたい とか このカートリッジを買おうかしら と言うんですが
「何のために」
「それでどうなるの?」
と言われ、中々売ってくれない時期がありました
今になって思うと
「お前の聞きたいレコードの再生にとって、プラスになるか考えての事か?」と言うことだと思います
雑誌や仲間内の風評だけで、欲しい物をあてずっぽうで買い込んでも自身の音楽人生にとっては決してプラスにならないと言うことでしょう
何年か経って私が
「こんな事をしたい」と言うと
「お、いいセンスしてるねえ」と言って売ってくれる様になりました
私の師匠は音楽再生の目的を見失った、オーディオセット単独の「自称・音質アップ」を決して許してはくれませんでした
自分のオーディオ人生を振り返ってみても、これ以上に感謝していることはありません
当時とは違い、今ではオークションやネット通販で何でも好きな物が買えます
自分勝手なガチャガチャな事をしても、誰も叱ってくれないんです
当時の自分がそんな時代にオーディオを始めたらと考えると、これほど恐ろしいことはありません
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実家のお隣の町に友人の会社の同僚の方が住んでいました
そのお父上が敷地内にオーディオ部屋を建てる程熱心な方で、同僚の方(息子さん)自身もその影響でオーディオに興味がお有りだと聞いていました
その後、友人の取りなしもあって
「せっかくお近くなんだから、お互いに訪問しましょう」となりました
始めに年少の私から先方にお邪魔しました
部屋は10畳ほどの「男の城」って感じで、余計な装飾も無いオーディオ一筋の室内でした
装置の詳細はここでは書きませんと言うより記憶にないので書けません
もう、30年以上前のことですし、何より評論家ごち「訪問記」などを記するほど立派な人間でないと自覚しているからです
ただ、お父さんは真空管アンプを自作されるのが趣味の方で、何台か見知らぬ部品で組まれた自作アンプがありました
スピーカーも市販品ではなかった様に思います
いくつかのレコードを聞いた後
「クラシックはあまり詳しく無いので、レコードを持参して欲しい」とのご要望があったのでお持ちしたレコードをかけていただきました
これは、覚えています
グリュミオの名演集 クライスラーの小品や熊蜂の飛行などメロディーが分かりやすい曲を集めた1枚で
外盤の入手が困難な地方都市としてはありがたいオランダ直輸入の1000円盤でした
70年頃のPHILIPS録音ですから見事な音です
お父さんは痛く感激してくださって、そこで出たのが次の言葉です
「いやあ。これはいいソフトですねえ」
現在に至るまで、オーディオをしていて最も印象深い「言葉」の一つでした
それまで、レコード(やCD)を「ソフト」と呼ぶ人に出会ってこなかったからです
ここまで読んで頂いている皆さんはどうお感じになったでしょうか?
・え? 普通 言うでしょ!
・なんか違和感あるねえ
・特に、なんとも感じません
感じ方は各々でよろしいと思いますが
齢30歳くらいの当時の私には大層な違和感があったのです
もちろん、当のお父さんに特段の意図はなく、オーディオ雑誌や仲間内で慣例的に使われる「音源=ソフト」と言う記号としての言葉を使っただけだと思います
良くありますよね、オーディオ雑誌の巻末の方に「今月の優秀録音 推薦・特選ソフト」みたいな感じの使われ方
未だに感じている違和感の原因は
「オーディオ装置=ハードウェア」の一対としての「音源=ソフトウェア」なのかしら?
スピーカーやアンプやプレーヤー、すなわち「ハードウェア」とそのシステムを構成する
オーディオで音を出すために必要な「構成要素=コンポーネント」の一つとして「音源=ソフトウェア」を捉えている?
オーディオの音質を確認し調整する為に、音を出す必要があるからソフトをかけてるの?
極端に悪い取り方をすると、そんな印象を受けるものですから違和感があったのでしょう
実際に個人のお宅で、オーディオメーカーの配布する「デモ盤」の中の女性ヴォーカルでもかけて下さる
場合などに出会すと???と思うこともありますよね。いや、お好きなら良いんですよ、いいんですけどね
ご自身で発見・発掘した「魂の一枚!」をお聞かせ頂きたいものですから
繰り返しになりますが
私自身は18歳の時に、オーディオの師匠からSPからモノラル時代の歌手やヴァイオリン奏者を沢山教えてもらった中で
1人の歌手と運命的な(と勝手に思い込んでいる)出会いがありました
以来、自分にとってのオーディオの存在意義は、その歌手の歌を聞く為だけにありました
私にとって「音源」は
オーディオの「要素=element」ではなく「動機=motive」なのです

師匠はオーディオ店主なので、こちらも何気なく
真空管を変えたい とか このカートリッジを買おうかしら と言うんですが
「何のために」
「それでどうなるの?」
と言われ、中々売ってくれない時期がありました
今になって思うと
「お前の聞きたいレコードの再生にとって、プラスになるか考えての事か?」と言うことだと思います
雑誌や仲間内の風評だけで、欲しい物をあてずっぽうで買い込んでも自身の音楽人生にとっては決してプラスにならないと言うことでしょう
何年か経って私が
「こんな事をしたい」と言うと
「お、いいセンスしてるねえ」と言って売ってくれる様になりました
私の師匠は音楽再生の目的を見失った、オーディオセット単独の「自称・音質アップ」を決して許してはくれませんでした
自分のオーディオ人生を振り返ってみても、これ以上に感謝していることはありません
当時とは違い、今ではオークションやネット通販で何でも好きな物が買えます
自分勝手なガチャガチャな事をしても、誰も叱ってくれないんです
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