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ウクライナ国立の「カルメン」

ウクライナの情勢不安から1年が過ぎて
自分では何もできる事がないのかと思っていたこの時期です

ある朝の新聞でウクライナ国立歌劇場の引越し公演が長野であることを知り
せめてもの・・・気持ちだけですがお高い席を購入して行って来ました
と言っても、いつもの通り
2階席 最前列 中央通路の脇っていう上席が空いていたから買ったのですけれどね



多くのクラシックオペラは、スマホやネットどころかテレビも映画もない時代に作られたエンターテイメントの主役です

より多くの娯楽要素を求められていましたから、昼メロドラマや歌謡番組を想起させる場面も多くあります
オペラ以外のエンタメに事欠かない現代人にとってはある種異質な文化を感じますね

一例として「フィガロ」を見ると(CDの音だけではよく分からない)分かりますが
前半はストーリーのある物語(まあ、他愛もないメロドラマ)ですが、後半はアリアを順番に歌う歌合戦の様相を示します

また、多くの作品で舞踏会やダンスチューンのコーナーがあって盛り沢山、特にトルコなどエキゾチックな踊りが人気のようでした
今時のように簡単には海外旅行ができない当時には、オリエンタルな文化に関心があったのでしょうね

それらを前にして座り続けるのは実はそれなりの「修行」であって、退屈のあまり不覚にも居眠りとの戦いを強いられるものです


その中で、全曲を通して覚えているので絶対に眠らない鉄板の三作品があります


1・カルメン
2・ラ・ボエーム
3・カバレリア


この次のグループには

1・こうもり
2・アイーダ
3・神々
4・ファウスト

なんですけど「神々」なんか長野では絶対に掛からないので実質6曲、
まだ未体験のカバレリアとファウストも大都市での公演待ちですが、国内では難しいでしょうか


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小さな小屋の狭いピットにしては中々の編成のオケでした
1stVnで8から10丁
チェロが2本、コンバスは3本もありましたし、ホルンは4管という盤石の構え

二階席の私の所では低音は十二分のバランス、一階席でもある程度良かったのではないかと思います
(ステージ下のピットで演奏するオペラの場合、土間席で聞くと多くの場合ハイ・バランスになって腹が立つ)


オペラの実演ではいつも2つのことに感心します

1、録音と同じクオリティで聴ける

POPSのコンサートを基準に考えるととんでもない事です
音楽の流れが(テイクのやり直しの出来る)レコードを聞いているのと変わらないのですから
それも2時間もの間、何十人という演奏者、歌手が楽譜・ト書き通りに演奏出来るんですよ

それだけでもすごい事、どれだけ練習してるんだ!と頭が下がる思いです

当たり前だろ、と思ったそこの貴方・・・そうでもない時も結構あるんですよ・・・「生」だけに




2、やっぱり欧州の音は全然違う

オーディオとの音の差もそうですが、日本のオケとの音の差も随分と感じます

私はよく「発情期の猫の泣き声のよう」と表現するんですが
ヴァイオリンにしても人の声にしても、一度喉の奥で声を含んでから出すような出音の仕方に
毎回、強烈にヨーロッパの土地と文化、時間の蓄積を感じます

M・カラスやD・F・ディースカウの発声を聞くと一聴瞭然なんですけれど


一般論ですが
優秀と言われるオーディオほど、実演で聞かれる音との乖離を感じてしまう傾向があるのです

ヴァイオリンからは薄くて乾いた板の音が聴こえるはずなんですが、金属製ヴァイオリンの音になってはしないだろうか?
自分自身の家も例外でなくしっかりと見つめたいと思った


まあ、身も蓋もない話をしちゃうと録音された時点でかなりマズいのもあると思うんですが
「あの感じ」を聞き手が自分の中に感覚として持っているかどうかが一番のハードルだと思います

どのCDやレコードを聴くかの選択からが自分のオーディオの責任ですからね








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