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今年最後の大仕事  ALTECスピーカー

今日は12月30日、各地の高速で大渋滞が起きている頃だろうけれど折角の楽しい年末年始のお休みなのでどちら様も事故や怪我のない様にしていただきたいと思います


さて、この渋滞を避けるべく26日に約900kmを往復して素晴らしいスピーカーを取りに行ってきました

5年ほど前、当時はJBLのWウーハーをマッキントッシュのマルチで格闘していたMさんと「音に関しては距離をとって、もう少し音楽に寄り添ったオーディオに取り組みましょう」と二人三脚で頑張ってきました

その最後の仕上げで、ヴォーカルやコンテンポラリーのステレオ・ディスクを聴くためのスピーカーを探していました


1970年以降の煌びやかな音を出すJBLに見切りをつけていたので選択肢が狭くなってスピーカー選びには随分と苦労しました
やっと目的にピッタリなスピーカーに出会ったのでしたが、発送が出来ないとのことでしたので、ここは一番私が行くしかあるまいと大阪の枚方パークのちょっと先(西野七瀬氏の実家の近くだと言うモチベだけで・・・ウソです)まで


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ALTEC 15インチ 2Wayフルレンジ  602Bが米松箱にインストールされたALTECのオリジナルシステム

よく乾いて響きが最高な箱に入っています、日本では見かけた事がありません
1958年頃にアメリカで販売された物ですが、当時は代理店が無く後年中古品で輸入されたのでしょうが、傷もほとんどなくユニットも過去に一度も外された事がないので今日作られたかの様な極上品です


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オリジナルは1954年に作られたユニットで、業務用の604同軸型やA-5、A-7に隠れた製品だったので製作数も少なかったのでしょう、アメリカのオークションでも出現数が少なく今となっては結構な金額で取引されているのです

他方、日本のオーディオマニアは独特な心情を持っており「最高価格品」のみに興味があってこの様な家庭用のスピーカーは売れなかったのであまり輸入されませんでした

特にエンクロージャー 入りスピーカーは「空気に高い金を払って運んで来る放蕩者」と言われ輸入業者に嫌われていたのです
当時の(今も?)日本のオーディオ業界は「ユニットさえあれば箱なんかどこで作っても同じ音がする」と極めて残念な認識=経営方針があって、日本の家庭の音の進歩を何十年も遅らせた原因になっていました
作家の五味さんがその著書の中で「第一にオリジナル・エンクロージャーありき 」と力説していた頃です



日本の狭い部屋に設置ディスタンスの遠い業務用スピーカーを押し込んで目の前で聞けば、中高音が突出したバランスの崩れた音がするのは必定で「低音が出ない」は長く日本オーディオ界全体の合言葉でした

ならばとウーハーをダブルにすれば・・・アンプをマルチにして低音の音量だけ大きくすれば・・・と泥沼にはまっていった・・・Mさんもその1人だった訳です

我が家も30年以上業務用ですし、同様の方も沢山知っていますがサブウーハーやマルチにしなくても満足して使っている人が見えるのも事実ですから、オーディオが天国か地獄かは使い手の受け取り方次第なのですけれどね



まあ、こんな歴史的背景もあって令和の時代にこの素晴らしいスピーカーは信じられないお手軽な価格で入手出来ました。そんな機会ですから900kmの距離なんでへっちゃらさ!と思って出かけたのですが、流石にあれから3日間は腰が死ぬほど痛いです


突き板は高級品の証「マホガニー」でバッチは1950-60年初頭の証「トスカニーニ・マーク」入りです

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当然メンテナンスは必要でしたが、裏板を止めていたネジ穴の緩みを埋めたり端子が錆びて接触不良を起こしていたのでクリーニングをしたりハトめの締め直しをするなどの要件だけでした


夜中に・・メンテが開けて音を聞いてみるのはいつも夜中になるのは何故でしょう・・フランク永井を聞いてみました


あ〜ービックリしたなあもう!
これほどまでに太くて、柔くかくて、しかも豪華絢爛なフランクさんは生まれて初めてです

つい先日Decca デコラで聞いたフランクさんは渋く光って時代の流れを感じさせました。一方ALTECから聞こえたフランク永井は今そこで歌っているかの様なダイレクトな実在感が圧倒的なのです

我が家でアメリカ製の名機が謳うのは何年ぶりのことでしょう
ずっと憧れていたのはこの音でした

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Mさん宅にピッタリ納まったALTEC
WesternのKSナンバーのアンプでドライブされます、役者が揃ったと言う感じです


今朝メールが届きました

「昨日はありがとうございました。あれから置き場所を変えたら低音の被りがスーッと抜けて豪華な感じになり、夕食もそこそこに今朝まであれこれ聴いてしまいました」


レコードも結構ですが、ご飯はしっかり食べましょう! と返信しました
腰の痛みはまだ引きませんが、疲れが取れるありがたいお便りでした





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Decca Decola Stereogram Radiogram の魅力

デコラが我が家にやって来たのは3月の初めだったと記憶している

私は仕事柄デコラに触れた事が過去に数台あり20年前には一時、購入を決意したしその後メンテナンスのお手伝いもさせて頂いたので今回の購入前に相応にはデコラを知っていた事になる


メンテしたのはコロナ前でO先生の別宅であったがメンテを終わって、「まずは1曲」と聞いた時の音に心底驚いた事を昨日のことの様に覚えている
そこに現れたのは経験のない音場感であり、五味さんの記したデコラ評を追体験したことにより文豪の筆の力に妙に感じいったのである


五味さんの文章は記憶に薄いが『ロンドンのDecca本社を尋ね「カーゾンとクナ&VPOのベートーベン皇帝協奏曲」を聞き、デコラの上にポッカリと浮かんだオーケストラが背面の壁に広がって存在していたので感服した』
まさにそんな感じでした


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あやかって聞いてみました



ところが、我が家に届いたデコラは随分と見どころのない音を出して、私をガッカリさせた
この個体は神戸在住の好事家より譲り受けたのだが、その方がオーディオマニアで無かったのが幸いして日本では全く修理をしていなく、英国時代に僅か修理されている形跡はあったが60年間ほとんど人の手が入っていなかったので、修理が完全に終わるまでは長くなるだろうと予想していた



しかし、その時は突然やって来ました


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このところCDの購入はデジタル時代の録音かLP未発売の放送用音源やスタジオライブに偏っていた
けれども、それらは元々の録音が不安定な上に最近のデジタル化なので録音当時の雰囲気がきちんと保存されているかは甚だ怪しいようでKlangfilmやLowtherのシステムではデジタルっぽさと言うか刺々しさが耳についてちっとも上手くなってくれない



ある日、特段の期待もなくデコラでkoganのパリライブやMartzyのスイスでのライブCDをかけてみた事がきっかけで風向きが変わり始めました

あらま・・デコラに備え付けのラジオからオンエアで流れてくるような臨場感を持って演じ始めたのです


その後LPレコードもよくよく聴き込んでいくと、得手不得手の盤がある事がわかって来た
DeccaのデコラでステレオだからSXLが上手くなるんでしょ?と思うけど、そんなひと筋縄でいかないのがオーディオの醍醐味っちゅうやつですね


まあモノラルLPは大抵上手くなります、しかしSPレコードに関してはいわゆる「電蓄の音」になってしまい蓄音器で聞くときのあの狂気を含んだ金属感は苦手です

もっともデコラ自体がもう少し時間をかけて完成度を上げて行けばまた違った感想を持つのかも知れません
よって、今日の記事は導入9ヶ月後の中間報告だと思って読んで頂けると幸いです



また、望外の喜びですが
周りのオーディオ好きの先輩は「昭和歌謡」をお好きな方も多く、自分もフランク永井=会社の先輩から横浜でJazzを歌っていた頃の話をよく聞かされていた。や美空ひばり=お隣の川崎の女王。などを時々聞きますが、これがまた素晴らしい!


昭和時代の録音は現代の最新式のHi-Fi装置で聞くと少し平板的に、情感が薄く響くきらいがあると言えば賛同頂ける方も多いと思いますが、古いスピーカーでも性能の良い物(良すぎる)では今一歩心の奥に届かないもどかしさがありました


デコラは絶妙に「ちょうど良い」具合に世界観、時代感を描写してくれます

Klangfilmに比べれば音的には大した事はないのです
しかし、柳並木の下でたむろするみゆき族の光景を記憶のない私の目蓋の裏にすら浮かべる事ができる、稀有な「タイムトラベラー」としての能力は天下一品だと感じ入りました


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まあ、音や写真を見聞きしてどう感じるかはその人次第ですからね、他の人のことは分かりません、私がデコラを聞いて何を感じたかと言うだけですが・・・





昔、コリドー街にハルモニア社と言うレコード店があって、そこにいく時は緊張したなあ。確か隣の隣くらいがVANの直営店では無かったろうか?  ギリ鼻水が引っ込んだくらいの歳の頃の思い出です

フランクさんのこの歌は私にとって一番「銀座」を想起させる曲です




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