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「狂気」を伝え切るオーディオ装置

長野市民40万人のうち自分以外、誰一人その違いに気付かないであろう「音の違い」の為に100万円を超える金額を消費する事こそ「キチガイ」の所業でしょうから
オーディオに使った金額を明示するだけで家族や職場の同僚から「狂気の沙汰」と名誉あるスタンプを押してもらえる事でしょう


今日はそんな正常な方々との確執のお話ではなく「狂人(失礼)=マニア」同士で意気投合できるお話です

私もご多分に漏れず随分と無駄に長い事オーディオをしてきましたが「微々たる音の違い」に何故これほどまでに巨額を払えるのか?
自分も含めてマニアの思考には大いに疑問を持っていました


で、ある時に気付いた!と言うより身勝手に自己納得をするに至ったきっかけがあります


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ムラヴィンスキー レニグラード  1965年 モスクワ音楽大学 大講堂  ライブ録音
このレコードは今は無き、市内にあった知人のクラシック専門レコード店である日数枚購入した中に紛れ込んでいた1枚です


これを買った時点でオイロダインは手放していてステレオ再生はALTECの最初期のA-5システム(515 288 N500全て後ろに何も書いてないセット)でした

そのA-5で聞いてもあまり印象に残らずしばらく放置していました

その後2代目のオイロダイン(励磁電源タイプ)を購入して聞いてみましたが、やはり強い印象はなくまた何年もこのレコードは日の目を見る事なくレコード棚の中で再び長い眠りに付いたのです


1965年とありますので恐らく同じ音源らしき動画がネット上にあったので貼っておきます





この動画を見て、頬を引っ叩かれたような衝撃を感じた人はあまりいないと思います
ALTECのA-5で聞いた時の私の感想もそうでした



ところが、オイローパが少しずつその威力を発揮し出した十年ほど前に改めて聞き直してみると

これはとてつもない事が行われているぞ!

と大きな衝撃を受けました

当時のA-5が悪い音だったのではありません「これぞ町内一の音」と自負していましたし若い頃からWESTERN-Lansingラインは自分で最も好きなスピーカーの一つで、別のレコードでは背筋の凍る音も出していました
結局、レコードと再生装置のマッチングの問題だったのです


しかしオイローパによって目の前に展開されたモスクワ大学の講堂の大きさと深み、離れた位置から収録されたマイクの感じながら演者一人一人がノリに乗って動きながら演奏するさざなみの様な気配まで

演奏当日の風景がまざまざと見えた時ムラヴィンスキー とレニングラードの精鋭達が成した・・成し得た芸術の偉大さに畏怖の念を感じるに至ったのです



ああ、なるほど。
狂気に近付いたホンモノの芸術を「確かに本物じゃ」と分かるための手助けになる様な、より簡単に感覚的に狂気を感じる為にオーディオに(一見)無駄金を使って来たのだな。とひとりごち納得したのです


問題は、そこまでの演奏が入ったレコードが如何程あるのだろうか?
そして死ぬまでに自分はどれ程の狂気の入ったレコードに巡り合えるのだろうか?

自分の興味は概ねそちらに移っていきました

ケーブルや真空管や足を変えて音が変わった、良い音になった、音質向上した。という概念から距離を置いたのもその頃だったと思います


理由は簡単です

1、狂気を出せるスピーカーを持っていなければ、いくらアクセサリーやパーツを変えても出っこない

2、そのスピーカーにふさわしい環境・音源でなければ出っこない

3、4が無くて

5、最も重要な事は「狂気」の入っていないレコード(音源)でなければ出っこない


とってもシンプルになった私のシン・オーディオの始まりだったのです







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天才か狂気か?

昨日からブログのテンプレートを少し変えました
寄る年波には勝てず目が弱ったので文字の大きさを変えました
また元々ブラウン管モニター時代に作られた様で横幅が狭く記事領域が小さいのでこれも少しだけワイドにしてみました



モーツアルトは子供の頃イタリアはローマのシスティナ礼拝堂で門外不出とされていた“Miserere”を一度聞いただけで記憶し記譜するというエピソードがあります。

一方、ウィーンの王宮でマリー・アントワネットに「君をお嫁さんにしてあげる」とぶちかました。と伝えられています
17世期には分類化されていませんでしたが、現代の医学で診断するとASDの中でもサヴァンであると見られるのではないでしょうか(難しい話題を含みますので歯切れの悪い物言いですみません)

この春から始まったドラマ「厨房のアリス」を見ながらそんな事を思い出していました



クラシック(古典)音楽の作品は基本的に同じ楽譜を使います
オーケストラでは「音響効果」程度の加筆はありますが、一般的には運指の入れ替え程度で「編曲」「アレンジ」をされる事はあまりありません(原典主義)


となると、演奏の如何は解釈の違いになりますが、同一演奏家であってもその時々の出来に大きく左右されます
横浜では演奏会に頻繁に行っていたけれど「これはヤバい」と言う物には数年に一度出会えればラッキーと割り切っていました

と、言う事で記録に残された「紙一重」の名盤を考察してみました






スタジオセッションは完成度の面で一日の長があるとは言え「狂気」を捉えるかとなると分が悪いですね
そこでどうしてもライブ音源が主になります

クライバー 氏はDGGのレコードでも大変人気がありますけれど私は1枚も所有していません
勝手な想像ですが、極度の人見知りであった氏は手兵のババリア歌劇場以外のオケでは打ち解けるのに時間がかかったのかしら?それでもスカラ座等で凄いのやってますから本質的に実演の人だったのでしょう
簡単には掴み切れないのも天才性でしょうね

後年ニューイヤーにVPOで「こうもり」を振っていますが場所柄もあり随分とお正月気分な演奏でした
序曲は全曲の頭に聞かないとどうしても緊張感が感じられません
この「こうもり」序曲は天才の所業ですね
拍手が鳴り止む前に始めるところなぞ、正に狂気の沙汰です






ルドルフ・ケンペは日本では手堅い職人気質の中堅指揮者程度の見方をされて来た様に思います
ケンペ氏も多分人見知り故建設的な人間関係を築くのが苦手で有名オーケストラの常任を長く続ける事なく、渡り鳥の指揮者人生でした
そんな知名度の低さが遠く極東のファンにあまり受け入れられなかった理由の一つですね

しかし、欧州楽壇での印象は羽目を外すくらい熱狂型の指揮者でありその甘い容姿とともにマダムの間ではアイコンとして多大な人気を誇っていました

この動画は英国のオケなのでまだ大人しい方です、同じ「新世界」でNYフィルの映像もありますがよりぶっ飛ばしています








まだまだ、あるのですが今日のラストは以前に「もし自分でラジオ番組を持てるなら」でも取り上げたリパッティ のモーツアルトです

この曲はセッションでも入れていますが、天才を感じるのはもちろん1950年9月16日のラストコンサートの演奏です


私自身何度も書いていますがモーツアルトは頭の中の引き出しに曲の断片が膨大にストックされていて、ご注文が入ったらチャチャっと組み合わせて「はいお待ち!600シリングです・毎度あり」って出していたのだろうと、思わざるを得ないくらいの天才=その感じで他の作曲家を圧倒できる=なので

・・・「あなた、本当にこの曲書きたかったの?」とモーツアルトを聞きながら常に疑問が残るのです

しかし、このK310以降のピアノソナタとヴァイオリンと通奏低音のソナタの何曲かには、モーツアルト自身が書かなきゃならなかった魂の叫びが宿っている様な気がします
もし、これも「チャチャっと」ならばもう何も言えません。貴方は天才じゃなくて神だからゴメンなさいデス



さて、リパッティの最後の演奏会におけるK310は別に他人様に強要もしなければ共感も求めないけれど

自分自身で、この演奏を聴いて生きる事と死ぬ事に考えが及ばなくなったらもう音楽を聴くのを止めようと決めています

この記事を書き埋め込んだ動画を確認する途中でもちょっとウルッとしてしまったので、もう少し聞いていていいよと
雲の上の誰かが言ってくれた様です






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元旦にフランスから荷物が届いたお話し

能登地方を始め地震により被災された皆様、羽田空港事故の被害者の皆様にお見舞いを申し上げます


我が家では呑気な話で大変恐縮ですが、元日のお昼過ぎに一つの荷物が届きました
まさか元日に配達があるとは思っていなかったのでビックリしました
小さなフルレンジスピーカーが1組です


1960年頃のラジオに使われていたオーバル・スピーカーは22cm x 13cm程の大きさで、マグネットなんか
「麩菓子かマシュマロ」一つ分の大きさしかありません


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とりあえず音出しはしてみようと空いていたハーベス(吸音材や補強板を撤去済み)の箱にサブバッフルを用意しセッティング完了です

本来はラジオの付属品ですから、ベークライトの小さな筐体に入っていた程度のスピーカーです
これを高音質だのHi-Fiだのを期待して使うのは無粋もいいところで、バッフルでも良いのですが大きすぎるのはまた粋とは言えません

なので折り曲がったのが良いのです、音響的面積が広がりますから。もちろん裏蓋は必要ありません。


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ネットは自分で貼りました。少し歪んでいますしやや明る過ぎかと思いますが、雨の多い英国ものではなくラテンのスピーカーなので良しとしましょう




初めは5年ほど前にFMをエアチェックしてCD-Rに焼いたのを聞きました、そんなCDを選んだのですから初めはこのスピーカーにそれほど期待していなかったのでしょうね

2015年にWineで行われたルシュー(So)のリサイタルのライブ録音で
フォーレ、ルクー、アーンなどのメロディー(フランス語で歌曲)です、一音めが出る前から脳味噌がぶっ飛びました


ヴォーカルの声がどうとか伴奏のピアノの音が・・・なんて些末な問題ではありません

Wineのコンツェルトハウスの空気が鳴っているのです

これはタダ事ではない、なんでこんな事が起きているのか?少々間を開けて頭を冷やしてから色々と聞いてみました



現在の相場で計算すると「オイローパ」の1/300程の値段です、ではオイローパが300倍 音楽再生に有利なのか?・・・

まあ、その通りですね


ただし、特定の録音をとある環境下で聞いた場合にその価値観が逆転する場面があります

一つのスピーカーの音が気に食わないと思っていてもほんの数mm動かしただけで評価が一変するのと並んでオーディオの本当の楽しさはこんな些細なところに隠れていて、本当にごく稀に顔を出してくれます


4日ほどかけていけると思ったCDを聞いてみました
思惑通りだったのもあったし、当てが外れたのもありましたがレコードで聞けば評価はまた変わるでしょう

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オーケストラやオペラの会場の広さの印象は勿論大型スピーカーに及ぶべくもありませんが、精巧なミニチュアの「ワーテルローの戦い」をみているかのような・・・フランスが負けてはいけませんが・・・クリュイタンスのベートーベンはオイローパではどうにも心に響かなかったのです

同じくLPレコードでは神の国・天界からピアノが降って来るようなヴァレンティンのピアノですが、こちらのコンピセットは我が家のどのスピーカーで聴いても「パッとしない音」の印象でした、マスターの出どころの分からない格安セットだからと諦めていたのです
それが、手のひらに乗るような小さなスピーカーから輝く透明なピアノの音が叩き出されてきました


「のだめカンタービレ」パリ編の初回、のだめがパリのアパルトマンに着いて直ぐに備え付けのピアノを弾きます

「わあー〜、空気が軽〜い!ピアノの音が空に広がって行く(意訳)」と言ったのを強烈に記憶しています

その時ののだめと同じ感想を空気の重い日本で言えるとは恐るべきラジオスピーカーです


P.S

実はちょっとドーピングしています
以前メンテをさせてもらったWestern Londonの300B-ppアンプをUTCのトランスでデットコピーしたアンプしか空いていなかったのでそれを使いました
まさか当時のラジオにこんな大きな規模のアンプは付いていません

ただし少々中低音が逞し過ぎるので、この闊達なスピーカーにふさわしいもう少し軽妙なアンプを用意したいと思っています

コンポーネント単体で(は音が出ないので)優劣を付けてもなんの意味もありませんが、組み合わせ(て音が出)た途端に厳しくも正確に成否を突きつけられます
オーディオを何年やってスピーカーやアンプを何十台買っても
人間の血や文化、伝統の物語をいつもこちらの心に刻まれているようです

くううー だからオーディオは面白い!ですねえ







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