好きなコンポーネント カートリッジとプリアンプ編(附、英国の音)
一番大切なコンポーネントは「レコード」だと思う。という記事を書きました。
多くのオーディオマニアの方には「何言ってんだ、コイツ」と思われていると思います。これは、一番上流に存在するコンポーネントは、その後の全てのパーツに影響する。という意をお汲み取り頂きたいと思っております。
信号の流れを辿りますと、そのレコードの情報を拾うのがカートリッジの役目です。
ここは「物理量⇒電気信号」へと変換する箇所で、スピーカーと並んで機種による音の変化が大きいコンポーネントになりましょう。
(実際は小さくて軽量なのでスピーカーに比べると特性は出しやすいですが)
ご存知の通り、フレミングの法則を利用した発電機になりますから、磁石とコイルの組み合わせで発電をします。
やはり、逆の役目のスピーカーと同様の組み合わせになりますね。
実使用においては、スピーカーには常にパワーアンプとセットで考慮されるべきもので、カートリッジとプリアンプ(RIAA-EQのこと)もまた、セットで組み合わせて考えるべきと思っています。
さて、好きなカートリッジはなんとなくですが、ゴムダンパーを使わない形式の物が手元に残っています。
(EMTだけが例外ですが、これは今も新品を入手できるので常用としている)
以前にご紹介した、NeumannのDSTはトーションバーのたわみでコンプライアンスを得ていますし、DeccaのMk-Ⅰは真下に伸びた棒の先にチップが着いています。
なんと、ダンピングと位置決めは糸!で吊っている状態です。
何れも、持って回ったところの無い「竹を割ったような」爽快感があり、エグミの無い音が好きな理由です。
以上の2機種と供に、個人的に「世界の3大カートリッジ」と崇めているものに
WESTREXの10A型があります。
天文学的なプライスタグが付いていますので、これも憧れだけですが、もし、昔のままWEの装置を使っているとしたら何とかして、入手の算段を考えていたことでしょう。 あー、Klangfilmにしといてヨカッタ
ほー
そして、もう1機種、絶対の信頼を置いているものがあります。

EMI EPHヘッド と EPUアーム
これは、本来的にはレコードの製造工程の中で、原盤試聴用としてEMIやコロムビアレコードのスタジオで使われていた、れっきとした業務用の機械です。
後に、愛好家向けに市販されたと資料にはあります。
構造は _I-▽ こんな感じで折り曲げられたトーションバーの先端にチップが植え込まれ、左図の I の部分がたわんでコンプライアンスを得ています。
ただし、そのままでは勝手な動きをして歪みますので、ビスコロイドを塗布してダンプしています。
Vitavoxのスピーカーを手放してしまってからは休眠状態で寂しいですね。
このカートリッジでASD盤やSAX盤を、Decca Mk-ⅠでSXL盤を聞き比べていたあの頃は至福の時でした。
(僕に趣味はありませんが、ビートルズも初期盤が珍重されているようですから、やっぱりこれでしょうか?)
さて、こういったカートリッジに組合せるプリアンプは、私の駄耳では同国、同時代のアンプ以外には全く、まったく考えられませんでした。
英国のプリアンプは製造元の垣根を越えて同じマナーで作られていて、ピックアップの供給元が限られていた時代でしたから業界全体で市場を支えていたのかも知れません。
ちょっと思い出しただけでも、GEC、Decca-Decora、Lowther、Leak、QUAD、RCA.London、Westrex.London(マイクアンプ)など枚挙にいとまがありません。
初段「EF-86」でCR型なのかNF型なのかちょっと分かりにくいEQ回路に、ECC-82辺りがバッファーとして負荷になっていました。
初段が5極管ってのがキモですよねえ。
逆にみると、これらのプリアンプとDecca以外のカートリッジ(当時はEMIは持っていなかった)を使ったときには、なんとなくモコモコして歯切れが悪かった印象があります。
先日、英国の音の印象を記事にした際に、大変貴重なご意見を複数頂きました。
総括しますと、私が英国の音。との印象はこれらのカートリッジとプリアンプのコンビネーションに因るところの影響が大きいと考えています。(数機種のスピーカーと組み合わせると、スピーカーの特徴は出しますが、全体を覆う印象は変わりなく聴こえました)
カートリッジであれ、スピーカーであれ、パーツを個別に取り出して他の特徴を持つ機材を組み合わせた時の音の印象は、またそれぞれ異なってくるということは想像にがたくありません。
システムは頭の先から、つま先まで繋がって初めて音が出るものですから、私の自宅で、Deccaの針+QUADやLowtherのアンプにVitavox、Lowtherなどのスピーカーを通じて出た音の印象ということで、ご了承を願いたいと存じます。
こうして見ると、上に挙げた4機種は、それぞれ全く異なる構造で各々の個性を主張しています。
これでは日本のメーカーのような「1機種売れたら、市場が同じ顔の製品ばっかり!」にはなりませんね。
そんな、開発者のメーッセージを強く感じる処もヴィンテージ品の楽しい面ではあります。
私を含め、現在95件のピュアオーディオ・ブログが参加している、ブログ村オーディオカテゴリーへのリンクです。
是非覗いてみてください。ウエスタンや自作アンプ、自作スピーカーの情報が盛りだくさんです

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同じく、現在315件のクラシック音楽ブログが参加しているリンクです。歴史的名盤から、ニューリリースの感想まで、私もレコード探しの参考にさせて頂いています。

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多くのオーディオマニアの方には「何言ってんだ、コイツ」と思われていると思います。これは、一番上流に存在するコンポーネントは、その後の全てのパーツに影響する。という意をお汲み取り頂きたいと思っております。
信号の流れを辿りますと、そのレコードの情報を拾うのがカートリッジの役目です。
ここは「物理量⇒電気信号」へと変換する箇所で、スピーカーと並んで機種による音の変化が大きいコンポーネントになりましょう。
(実際は小さくて軽量なのでスピーカーに比べると特性は出しやすいですが)
ご存知の通り、フレミングの法則を利用した発電機になりますから、磁石とコイルの組み合わせで発電をします。
やはり、逆の役目のスピーカーと同様の組み合わせになりますね。
実使用においては、スピーカーには常にパワーアンプとセットで考慮されるべきもので、カートリッジとプリアンプ(RIAA-EQのこと)もまた、セットで組み合わせて考えるべきと思っています。
さて、好きなカートリッジはなんとなくですが、ゴムダンパーを使わない形式の物が手元に残っています。
(EMTだけが例外ですが、これは今も新品を入手できるので常用としている)
以前にご紹介した、NeumannのDSTはトーションバーのたわみでコンプライアンスを得ていますし、DeccaのMk-Ⅰは真下に伸びた棒の先にチップが着いています。
なんと、ダンピングと位置決めは糸!で吊っている状態です。
何れも、持って回ったところの無い「竹を割ったような」爽快感があり、エグミの無い音が好きな理由です。
以上の2機種と供に、個人的に「世界の3大カートリッジ」と崇めているものに
WESTREXの10A型があります。
天文学的なプライスタグが付いていますので、これも憧れだけですが、もし、昔のままWEの装置を使っているとしたら何とかして、入手の算段を考えていたことでしょう。 あー、Klangfilmにしといてヨカッタ

そして、もう1機種、絶対の信頼を置いているものがあります。

EMI EPHヘッド と EPUアーム
これは、本来的にはレコードの製造工程の中で、原盤試聴用としてEMIやコロムビアレコードのスタジオで使われていた、れっきとした業務用の機械です。
後に、愛好家向けに市販されたと資料にはあります。
構造は _I-▽ こんな感じで折り曲げられたトーションバーの先端にチップが植え込まれ、左図の I の部分がたわんでコンプライアンスを得ています。
ただし、そのままでは勝手な動きをして歪みますので、ビスコロイドを塗布してダンプしています。
Vitavoxのスピーカーを手放してしまってからは休眠状態で寂しいですね。
このカートリッジでASD盤やSAX盤を、Decca Mk-ⅠでSXL盤を聞き比べていたあの頃は至福の時でした。
(僕に趣味はありませんが、ビートルズも初期盤が珍重されているようですから、やっぱりこれでしょうか?)
さて、こういったカートリッジに組合せるプリアンプは、私の駄耳では同国、同時代のアンプ以外には全く、まったく考えられませんでした。
英国のプリアンプは製造元の垣根を越えて同じマナーで作られていて、ピックアップの供給元が限られていた時代でしたから業界全体で市場を支えていたのかも知れません。
ちょっと思い出しただけでも、GEC、Decca-Decora、Lowther、Leak、QUAD、RCA.London、Westrex.London(マイクアンプ)など枚挙にいとまがありません。
初段「EF-86」でCR型なのかNF型なのかちょっと分かりにくいEQ回路に、ECC-82辺りがバッファーとして負荷になっていました。
初段が5極管ってのがキモですよねえ。
逆にみると、これらのプリアンプとDecca以外のカートリッジ(当時はEMIは持っていなかった)を使ったときには、なんとなくモコモコして歯切れが悪かった印象があります。
先日、英国の音の印象を記事にした際に、大変貴重なご意見を複数頂きました。
総括しますと、私が英国の音。との印象はこれらのカートリッジとプリアンプのコンビネーションに因るところの影響が大きいと考えています。(数機種のスピーカーと組み合わせると、スピーカーの特徴は出しますが、全体を覆う印象は変わりなく聴こえました)
カートリッジであれ、スピーカーであれ、パーツを個別に取り出して他の特徴を持つ機材を組み合わせた時の音の印象は、またそれぞれ異なってくるということは想像にがたくありません。
システムは頭の先から、つま先まで繋がって初めて音が出るものですから、私の自宅で、Deccaの針+QUADやLowtherのアンプにVitavox、Lowtherなどのスピーカーを通じて出た音の印象ということで、ご了承を願いたいと存じます。
こうして見ると、上に挙げた4機種は、それぞれ全く異なる構造で各々の個性を主張しています。
これでは日本のメーカーのような「1機種売れたら、市場が同じ顔の製品ばっかり!」にはなりませんね。
そんな、開発者のメーッセージを強く感じる処もヴィンテージ品の楽しい面ではあります。
私を含め、現在95件のピュアオーディオ・ブログが参加している、ブログ村オーディオカテゴリーへのリンクです。
是非覗いてみてください。ウエスタンや自作アンプ、自作スピーカーの情報が盛りだくさんです

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コメント
こんばんは。
イギリスのプリアンプは、、50年代5極管のPG帰還、、NF型なのでしょうか、このタイプが多いですね。自分もリークを使っていますが、このタイプです。アンプでは、、パイ、グッドセルなどもいいアンプなのでは、、と、個人的には思っています。
これらと、、デッカやEMIのピックアップは、やはり、ぴったり来る感じですね。調子に乗って、モノ時代の、リークのピックアップや、EMIのトランスクリプション17なども使っていますが、とくに17はやっぱり、ALPや33CXはとてもうまく鳴る気がします。
でも、、、問題はそのレコードがそれほどない?その前に、なんといってもそれを聴く自分の音楽のセンスが???です。
イギリスのプリアンプは、、50年代5極管のPG帰還、、NF型なのでしょうか、このタイプが多いですね。自分もリークを使っていますが、このタイプです。アンプでは、、パイ、グッドセルなどもいいアンプなのでは、、と、個人的には思っています。
これらと、、デッカやEMIのピックアップは、やはり、ぴったり来る感じですね。調子に乗って、モノ時代の、リークのピックアップや、EMIのトランスクリプション17なども使っていますが、とくに17はやっぱり、ALPや33CXはとてもうまく鳴る気がします。
でも、、、問題はそのレコードがそれほどない?その前に、なんといってもそれを聴く自分の音楽のセンスが???です。
アンプについて、、上の書き込み、何かイギリスではパイや、グッドセルがとりわけ、、と取れる書き方をしてしまいましたが、すみません。
クオードや、、GEC,ローサー、RCAなど、ご紹介のアンプのほかにもぜひ、このアンプもと、思い、、、書いてしまいました。
使ったことのあるアンプはわずかですが、イギリスにも、すばらしいアンプたくさんあったようですね。
クオードや、、GEC,ローサー、RCAなど、ご紹介のアンプのほかにもぜひ、このアンプもと、思い、、、書いてしまいました。
使ったことのあるアンプはわずかですが、イギリスにも、すばらしいアンプたくさんあったようですね。
こんばんは。
はい、Pyeを忘れていましたね。それら以外にも、BBCに納品された物も沢山あるでしょうが、使ったことがないので除きました。Tannoyアンプも・・・キリがないですね、これも未使用なので。
>イギリスにも、すばらしいアンプたくさんあったようですね。
どの国のアンプも星の数ほど素晴らしい物はあり、むしろ良くないアンプを探すのが至難の技と思います。
マニアの人達は順位付けが好きなようで、どっちがいいという論調ばかりが溢れていますが、自分より能力の高い人が造ったアンプを前にしてそんなオコガマシイことはとてもできませんよね。
はい、Pyeを忘れていましたね。それら以外にも、BBCに納品された物も沢山あるでしょうが、使ったことがないので除きました。Tannoyアンプも・・・キリがないですね、これも未使用なので。
>イギリスにも、すばらしいアンプたくさんあったようですね。
どの国のアンプも星の数ほど素晴らしい物はあり、むしろ良くないアンプを探すのが至難の技と思います。
マニアの人達は順位付けが好きなようで、どっちがいいという論調ばかりが溢れていますが、自分より能力の高い人が造ったアンプを前にしてそんなオコガマシイことはとてもできませんよね。
2010/02/17(水) 01:32 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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