神秘的かつ、厳しい審判者 ケンペのローエングリン
ブログ村に参加されている、メタボパパさんとは、ビックリするくらいレコード趣味がかぶってしまっていて「ブログで書くレコードがなくなっちゃうよー」と泣きを入れてとりあえずローエングリンだけは勘弁して頂いたので、責任上?取り上げてみました。

EMI SAN121-5 金/白天使
Rudolf Kenpe Viener Phirharmonic Orchestra
Jess Thomas
Elisabeth Grunmmer
D,FーDieskau
Gottlob Frick 他
このセットは、実は謎に満ちたレコードらしいのです。
一度製作が完了し、販売を開始したのですが、制作上の問題が指摘され、再度カッティングから作り直したという話を聞いたことがあります。
自身は未確認なので事の真偽は不明ですが、現在のセットは3セット目で世間的には「旧」のものです。
以前に所有していたものは「旧」「新」でいまのが「旧」という順ですが、私の駄耳では「旧」と「新」のはっきりとした区別は付きませんでした。
皆さんのお持ちの物の確認には、恐らく
◇ マスターNo 「旧」1面-4 2面-2 3面-5 4面-2 ・・・が手持ちの番号です。
「新」の物は記憶が定かではありませんが、6とか7以降が多かったように思います。
◇ 面数を表示する数字の書体が「旧」は丸文字っぽくてちょっとかわいい。写真の「5」とか「3」が分かり易い。
◇ BOXが「旧」の方が心持ち厚いような、気がした。これは比べないと。ですが。
あたりで、分かるような気がしますが、下の2項目はEMIの一般的な変遷と同じです。

とんでもない優秀録音であるが故に、カッティング以降の過程では困難を極めた様子が伺えます。
さて、演奏ですが、他のワグナー作品のような暗黒の愛憎劇とは少し距離感のある、「白鳥伝説」をモチーフにしたであろうローエングリンと、巨匠ケンペのお人柄は 見事にフィットしているように感じます。
全編、空想の世界にいるような独特のカスミのかかった加減が絶妙で、どっぷりローエングリンの世界に没入できました。
平たく言うと、「ハリーポッター」とか「千と千尋の神隠し」を見ているときに感じる、浮世離れ感に近いものでしょうか。
スタジオセッションのレコードには少ないようですが、バイロイトではオケの配置が独特で、ワグナーはステレオ効果やオルガンのような響きを聴衆にプレゼンスすることを追求したそうです。
恐らく、オペラにおける歌の伴奏というよりは、現代の映画音楽のように場面設定、説明の為に、より重要な役割を与えていたことが偲ばれます。
我々が作曲者の心情と必然をより明確に聴き取るため、オーディオに時間とお金を掛ける意味もそこにあるように思います。
さて、ちょこっとオーディオ的聴き所も。
弦楽器のカーテンが手前下方に敷かれ、その彼方奥から木管群がpで乗せてくるモチーフが何箇所かあります。
恐らく、欧州の深い森であったり、その中にある城(まさにポッターの世界)を音響で表現しているのでしょう。
このときのサウンドが、正しく壮麗なパイプオルガンの響きに感じる場面が幾つかあります。
この感じは、装置の出来が相当良い状態でないと、ただの弦楽器と木管楽器の合奏に聴こえますので、装置の健康診断には厳しくも良き裁判官であります。
以前に、最新鋭の装置をたっぷり聴きましたが、この場面でオルガンのように聴こえるのか?試していないので大変に興味があります。
確認済みの方がいらっしゃいましたら、どうぞお教え下さい。
より強い印象を残すようであれば、いよいよ技術が音楽に追いついて来たということになりましょうか。
期待したいですね。そうなったらまた軍資金の心配が必要ですが・・・
この時代のセットには、もう一つオーディオを良くするための重要な手がかりがあり重宝しています。

この収録風景のスナップは装置の位相管理には最高の根拠になります。
しかし、舞台に升目を書いて歌手の立ち位置を動かす手法は、Decca-カルショウのパクリなのでしょうか?
マルチマイク+パンを多用しないこの当時の録音は、自然なプレゼンスが得られオペラを聴くには大変ありがたいレコードです。
なお、当時のEMI、コロムビアのインナースリーブは、どうも内側のビニールの質が硬いようで、盤面にスリキズを付けやすいように思います。
レコード店で購入できる別売り内袋を併用して保存するように心掛けています。
私を含め、現在95件のピュアオーディオ・ブログが参加している、ブログ村オーディオカテゴリーへのリンクです。
是非覗いてみてください。ウエスタンや自作アンプ、自作スピーカーの情報が盛りだくさんです

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同じく、現在315件のクラシック音楽ブログが参加しているリンクです。歴史的名盤から、ニューリリースの感想まで、私もレコード探しの参考にさせて頂いています。

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EMI SAN121-5 金/白天使
Rudolf Kenpe Viener Phirharmonic Orchestra
Jess Thomas
Elisabeth Grunmmer
D,FーDieskau
Gottlob Frick 他
このセットは、実は謎に満ちたレコードらしいのです。
一度製作が完了し、販売を開始したのですが、制作上の問題が指摘され、再度カッティングから作り直したという話を聞いたことがあります。
自身は未確認なので事の真偽は不明ですが、現在のセットは3セット目で世間的には「旧」のものです。
以前に所有していたものは「旧」「新」でいまのが「旧」という順ですが、私の駄耳では「旧」と「新」のはっきりとした区別は付きませんでした。
皆さんのお持ちの物の確認には、恐らく
◇ マスターNo 「旧」1面-4 2面-2 3面-5 4面-2 ・・・が手持ちの番号です。
「新」の物は記憶が定かではありませんが、6とか7以降が多かったように思います。
◇ 面数を表示する数字の書体が「旧」は丸文字っぽくてちょっとかわいい。写真の「5」とか「3」が分かり易い。
◇ BOXが「旧」の方が心持ち厚いような、気がした。これは比べないと。ですが。
あたりで、分かるような気がしますが、下の2項目はEMIの一般的な変遷と同じです。

とんでもない優秀録音であるが故に、カッティング以降の過程では困難を極めた様子が伺えます。
さて、演奏ですが、他のワグナー作品のような暗黒の愛憎劇とは少し距離感のある、「白鳥伝説」をモチーフにしたであろうローエングリンと、巨匠ケンペのお人柄は 見事にフィットしているように感じます。
全編、空想の世界にいるような独特のカスミのかかった加減が絶妙で、どっぷりローエングリンの世界に没入できました。
平たく言うと、「ハリーポッター」とか「千と千尋の神隠し」を見ているときに感じる、浮世離れ感に近いものでしょうか。
スタジオセッションのレコードには少ないようですが、バイロイトではオケの配置が独特で、ワグナーはステレオ効果やオルガンのような響きを聴衆にプレゼンスすることを追求したそうです。
恐らく、オペラにおける歌の伴奏というよりは、現代の映画音楽のように場面設定、説明の為に、より重要な役割を与えていたことが偲ばれます。
我々が作曲者の心情と必然をより明確に聴き取るため、オーディオに時間とお金を掛ける意味もそこにあるように思います。
さて、ちょこっとオーディオ的聴き所も。
弦楽器のカーテンが手前下方に敷かれ、その彼方奥から木管群がpで乗せてくるモチーフが何箇所かあります。
恐らく、欧州の深い森であったり、その中にある城(まさにポッターの世界)を音響で表現しているのでしょう。
このときのサウンドが、正しく壮麗なパイプオルガンの響きに感じる場面が幾つかあります。
この感じは、装置の出来が相当良い状態でないと、ただの弦楽器と木管楽器の合奏に聴こえますので、装置の健康診断には厳しくも良き裁判官であります。
以前に、最新鋭の装置をたっぷり聴きましたが、この場面でオルガンのように聴こえるのか?試していないので大変に興味があります。
確認済みの方がいらっしゃいましたら、どうぞお教え下さい。
より強い印象を残すようであれば、いよいよ技術が音楽に追いついて来たということになりましょうか。
期待したいですね。そうなったらまた軍資金の心配が必要ですが・・・
この時代のセットには、もう一つオーディオを良くするための重要な手がかりがあり重宝しています。

この収録風景のスナップは装置の位相管理には最高の根拠になります。
しかし、舞台に升目を書いて歌手の立ち位置を動かす手法は、Decca-カルショウのパクリなのでしょうか?
マルチマイク+パンを多用しないこの当時の録音は、自然なプレゼンスが得られオペラを聴くには大変ありがたいレコードです。
なお、当時のEMI、コロムビアのインナースリーブは、どうも内側のビニールの質が硬いようで、盤面にスリキズを付けやすいように思います。
レコード店で購入できる別売り内袋を併用して保存するように心掛けています。
私を含め、現在95件のピュアオーディオ・ブログが参加している、ブログ村オーディオカテゴリーへのリンクです。
是非覗いてみてください。ウエスタンや自作アンプ、自作スピーカーの情報が盛りだくさんです

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コメント
こんばんは。予想通り素敵な紹介ですね。オルガンの響きが出るか、試してみたくなりました。もっとも拙宅のペナペナ米エンジェル盤で正しい判決が出るかは、甚だ疑問ですが...
トンでもないっす。
私のローエングリンの歴史は長くて、最初はEternaの青盤でした。(長ステじゃなく!)
そのときにもオルガンの響きは聴こえていたと思います。
それに、初期盤絶対主義って訳でもなくて、後のプレス(多分帯域が広い)や時に国内の廉価盤の方がその時の装置にピッタリだったってことは沢山あるんです。
ブログに書くときはカッコつけて初期盤の写真を載せますけど・・・
私のローエングリンの歴史は長くて、最初はEternaの青盤でした。(長ステじゃなく!)
そのときにもオルガンの響きは聴こえていたと思います。
それに、初期盤絶対主義って訳でもなくて、後のプレス(多分帯域が広い)や時に国内の廉価盤の方がその時の装置にピッタリだったってことは沢山あるんです。
ブログに書くときはカッコつけて初期盤の写真を載せますけど・・・
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