大企業?専門家? 謎のOrtofon カートリッジ編だあ

皆さんはOrtofonという会社についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

最近の方は、恰幅の良い豪快そうな社長さん(既に辞された)がオーディオ好きで、コード等の行き届いたアクセサリーやカートリッジを作っている会社と思うでしょう。
ちょっとベテランの方は何と言ってもSPUを作っている会社。これが無くては自分のオーディオも成り立たないと思われている方も少なくないと思います。

私も同様の世代ですが、この会社。手広くしているのか、専門的なのかちょっと掴みづらい面を持っていることは確かなようです。

今日の話は、全く薄い根拠しかありませんが、目にしたものだけでOrtofonの過去を探ってみます。

スタートは、Fonofilmという社名で業務用のカートリッジを作っていたようですが・・・
DSC03006.jpg
FONOFILM INDUSTRI A/S  C-12,5A #24456 for DENMARKS RADIO
これは、Denmarks Radioの特注品のようです。古いボディに、規格にない小さなチップを付け替えたのでしょう。
シェルは改造時に新調したらしく、しっかりと「12,5μ」と掘り込んでありますが、1960年頃と思われます。

当時の資料や製品にも(筆記体の)Ortofonのロゴがありますから、社名「FONOFILM」、ブランド名「Ortofon」であったようです。
後に、社名もOrtofonに統一されたと考えるのが自然ではないかと思います。

DSC03009.jpg
Ortofon Type A #102067

シリアルが一桁上がって、社名もOrtofonになりました。
これら2機種のコネクターはいづれも「Aタイプ」で所謂◇コネクターです。
上のC-12,5Aはデンマークス・ラジオへの納入品ですから、当然業務用の範疇ですが、Type-Aも◇です。

一部雑誌などでは、Type-Aは民生用でType-Cは業務用などと書かれているものもありましたが、これらの現役当時のOrtofonの資料を見るとそのような言い回しでは無いことがわかります。
DSC03011.jpg
意訳すると
強靭な構造で作ってあるから、オートストッププレーヤーなどで使用してもいいよ。って書いてあります。
対する「Type-C」も for special purposes. とあり、特に業務用とは明記してありません。
(marcoさんからのコメントの通り、Type-Cはラッカー盤の再生に使える。と記載があります。まあ、ラッカー盤を所有するアマチュアは例外もいいところですから、それはプロユースと考えても良いでしょうね)


実際、「A」はLPでの針圧7g、「C」は3g!!の指定になっています。
針先の等価重量はそれぞれ、4mgと1.5mgですから、かなり構造が異なることがわかります。


上の資料は、恐らく1950年代前期~中期と思われますが、後期の資料には興味深い記述が見られます。
DSC03016.jpg
ここで、始めてType-Cについて Professional use という表記が現れています。

以上の通り、一般に言われる、業務用=◇。民生用=□という区別は、ちょっと早計というか、乱暴な分け方のような気がします。
その根拠として、同じく後期の資料にはいよいよSPUが登場するのですが・・・

DSC03023.jpg
ここには、バシッと for PROFESSIONAL use と記載されています。

でも、◇シェルに入ったSPUを見たことがありません。勿論、私が見たことが無いだけで実際には有るのかも知れません。
お持ちの方がいらっしゃいましたら、是非写真をおねがいします。

実は、上の「C-12,5A」のシェルは、4ピン◇のステレオ配線がされており、SPU-Aのボディ(出力ピンが90度に曲がっているもの)を付けると、◇のSPUーAが完成します。
一時期それをEMTに付けて聴いていた事があります。ですから、あるかも知れないと思っているのです。

この謎は、まだ深まるばかりでアーム編に続きます。(予定です)

また、この時代の資料には、始めて周波数特性も記載されています。

Type-A 20-14,000 cycles
Type-C 20-20,000 cycles

今日紹介した2機種は特性を実測しており、そのグラフを見ても、Ortofonの発表した数値を裏付けるものとなっています。
DSC03019.jpg

長くなってしまったので、トーンアーム、トランスは別の機会にまわします。
結構、あちこちの資料で確認したり大変なので、気合に左右されますが、いつかへ続く。



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コメント
こんばんは。雑誌の情報はあれ?と思うこともあり、正確なところは?ですね、、、

一応、オルトフォン(フォノフィルム)については、ステレオサウンドの別冊では、1923年映画用サウンドフィルムを開発、その後1946年にグラモフォン社のためにカッターヘッドを開発、その年に社名をフォノフィルム社に改名とあります。
1948年にタイプA・B・Cを開発、、ずいぶん古いんですね。
そして51年に、傘下としてオルトフォン社が、商社として設立される、とあります。
こうした情報については、Kaorinさんは、ご承知と思います。以下も、同様なんですが、、、

個人的な想像では、、50年代家庭用(民生用?)で使われていたものは、ほとんど電蓄的なものだったと思います。お金持ちの愛好家は大型のもの、デコラや、その他いろいろあるビックリするような豪華な電蓄、、を使うのがほとんどだったと思います。でも、50年代中ごろから、プロ用がけっこう民間のマニアに少しずつ使われるようになった。手持ちのEMIのトランスクリプションアーム・ピックアップも、説明を見るとそんな感じです。
この時代は業務用と一部のマニアに売られたものが並行していて、、同じ(厳密にはプロ用の細工はしてあるのでしょうが)タイプにもダイヤや、四角のシェルがあるのだと想像しています。

ちなみに、手持ちの60年前期?と思われる資料には、The type A Standard は、ほぼ同じ説明ですが、Cについては、
The type C PROFESSIONAL has,,とあり、ほぼ同様の説明ですが、最後が、、、stylus pressure and may be used to reproduce lacquer records. となっています。ラッカーレコード、、トランスクリプションレコードのことなのでしょうか?
2010/03/11(木) 23:56 | URL | marco #MZf6kU0Y[ 編集]
ご丁寧に補足頂きありがとうございます。

A,B,C以前は勝手ながらばっさり割愛させて頂きました。
長文になるのもさることながら、実物による検証がブログを立ち上げた時の自分に対する約束事でしたが、流石にサウンドフィルムの光電管ピックアップやカッターヘッドは持ち合わせていないものですから。補足頂き助かります。

その別冊には素晴らしいカッティングレースの写真がありましたね。
昔、そこに使われていたドライブアンプとすれ違ったことがあります。当時はドイツモノは火の出るような高額でとても買う気にはなれませんでした。
RIAA-EQに搭載されていた、JSの入力トランスだけばら売りがあったのでそれをもとめました。

Type-Cは確かにラッカーに使えると書いてありますね。針圧3gで使えたからこそでしょう。
因みにDGGのジャケ裏には57年頃のリリースは針圧10gまでとあり、時代を下るにつれて8gになり60年頃に入ると6gまでと下がっていることを見ても、カートリッジのコンプライアンスの拡大とヴィニールの改良の歴史がリンクしていることが偲ばれ楽しいものです。
(民生機と<言われている>Aも◇コネクターだよー、というのが記事の主旨なので、この辺りのすっ飛ばしもご容赦下さい。全部書いていたら本として売らなきゃなりませんが、誰も買ってくれないですものね)

業務機を市販した例はEMIしかりEMTしかりWE-9Aしかり幾らでもありますが、その最たるSPUに◇コネクターのモノが見つからないのが私が書きたかった謎ということです。
あの頑固そうなEMTですらユニバーサル用にわざわざXSDを作ってる程なのに・・・

その辺りはトーンアームと合わせて考えなきゃ如何だろうと思っていますが、次回(書ける様になったら)少し加筆したいと思っています。
その辺の事情をもしご存知でしたらお教え下さい。一気に楽ができますので、ありがたいです。m(_ _)m

2010/03/12(金) 00:56 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
ご案内頂いた、ラッカー盤の件は記事に追加しました。ありがとうございます。

また、
カッティングシステムのドライブアンプは
× ドイツモノ
○ デンマークモノ
         (たしか、Made in Denmark と書いてあったと記憶します)
ですね、つい日頃の癖が出ちゃいました。失礼しました。
2010/03/12(金) 01:12 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
こんばんは。詳しい解説、ありがとうございます。

自分はEMTなどの経験がなく、、まったくカートリッジやアーム等については?です。
ノイマンのカッティングマシーンや検聴システム、、EMTとの関係、、オルトフォンのカッテングマシーンや検聴システム、、こんなものがあったとの話は聞いていますが、詳しいことはまったく?です。また、教えていただけたらありがたいです。


個人的には、自分が使う時に、、JSのトランス、昇圧比が違うものがたくさん型番としてあります。これらは、、、どういう使い分けをされていたのかな?と以前からとても疑問に思っていました。
アームやトランスについて、、また、お話を楽しみにしています。

2010/03/12(金) 21:24 | URL | marco #MZf6kU0Y[ 編集]
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