サッカー日本代表で 日本のオーディオを考える
今日のサッカーの代表戦は、厳しい試合だったようですね。
僕はレコードを聴いていたので試合は見ていないのですが、夜半に時間があって、オーディオ以外のブログも見ていたらその代表戦について辛口コメントが沢山あって、つい読んじゃいました。
僕自身のサッカー経験は、いにしえの「ダイアモンド・サッカー」以来、ウン十年も見てきたことだけで、全くの素人ですから、今日はカッテなことを書いてしまいますが、狂った奴だとお許し下さい。
ただし、あちらの世界もオーディオの世界と全くといって良いほど似た状況のようでしたから、「これは良い比較人類学」のテキストになるだろうと思いたったので書いて見ます。
さて、昨晩の試合を受けて、サッカーファンの方達のブログの論旨は概ね次の内容が多数を占めています。
① 協会の指導力がない。
② 岡田監督は限界、リスクを犯しても監督交代。
③ 戦術が間違ってる。あるいは、意図が見えないなど。
④ この選手はダメだ。もっと別の選手を使え。
⑤ 根性が足りない。戦う気持ちが感じられない。
ほぼ、こんな感じでしょうか。
これって、ほとんど「サッカー界における横の変化」のことばっかりだね。
「縦の変化」=実力の強化、には繋がってないような気がするですよ。
以下は、全くの私見だから、専門家の人から突っ込まれても言い返せないことを先に断わっておきますが・・・
強国の代表選手と日本の選手の一番の相違点は、「ボールを止める技術=トラップ技術」の差だと思うんです。
日本に限らず、欧州でもパスを受けたボールをきちんと収めることが出来ないチームは強くなれないようです。
その弊害は、
① 当然ボールが体から離れるので、詰められた相手にチェックされる。
② パスを出す選手も、自分の取れないボールを相手に送ると可哀想だからと、遅いパスを出す。
③ すると、ゆっくりパスの時間で相手に詰められて、苦し紛れのプレーでボールを取られる。
逆に 超一流の選手は止めるだけではなく、次のキックに最適な場所に置くことが出来るから、相手にチェックされる前にプレーしている。
強国の試合を見ると、シュートのような速さのパスをいとも簡単にピシッと止めている。
以前に、引退した中田選手のパスを「取れるものなら取ってみろ!」のようなパスだと解説されていたけど、中田選手は、日本のパススピードでは世界に通用しないことを判っていたんだね。
それを、あんな惚けた解説をする専門家がいるのだから、この問題は根が深い。
ですけど、最もベーシックなスキルが不足しているのに、
この一点を積み残して、戦術だの、選手選考だのといっても、どのように変えたところで大きな変化は無いってことですよ。
現場の監督や選手達が精一杯頑張っているのは当然なんですから、その人たちにムチを打っても仕方の無いことです。
これは、システムの問題ですから表面をどうこうするのではなく、根底を変えて苗木から育てなければ綺麗な花は咲きません。
では、縦の変化を加えるにはどのようにしたら良いかという、具体策です。
これは、(何でも同じですが)教育しかありません。
日本の代表を見るとき、いつも思い出すのは1994年アメリカW杯の欧州予選で、当時前評判の高かったフランス代表が欧州予選で敗退し、ワールドカップに出場できなかった後のことです。
また、1990年にイタリア大会で優勝した後、暗黒の時代を迎えたドイツも同様の手を打ちました。
彼らは、本当に心底失望し、しかし直ぐに強化の方向付けを行いました。
① ジュニアの組織的な育成
② 両国とも白人のチームであったが、有色人種を登用したこと。
その他、トータルのプロジェクトを推進し、両国とも世界の桧舞台で好成績を残しました。
日本には、殖民地が無いので②はあまり現実的ではありませんが、①は出来る可能性があります。
日本では、クラブチームより学校の部活でサッカーに親しむ子供が多いのでしょうから、ドイツなどより難しいでしょうが、
日本サッカー協会から、ジュニア(幼稚園、小中高校)に対して指導要綱を徹底させることですね。
◇ 練習の開始時には1時間、トラップの練習を強制する・・・みたいな。 もちろん具合的な方法論を付けて。
抜き打ち検査して、従わないところは、試合をさせないとか、強行手段に出てでもやらせる。
どうも日本人というのは、器用なものですから、なんとなく上手く出来ちゃう。
けれど、プレッシャーの弱い状態で上手く出来ちゃうものだから、「反復練習」や、「強制」を嫌うんでしょうね。
すると、パンも買えない様な暮らしでサッカーできなきゃ生きてゆけないなんて超ハングリーな選手から死に物狂いでプレッシャーを掛けられるとパニックになっちゃってますね。
また、高校なんかだと、スポーツの成績が経営に強く影響する為、ファンタスティックな試合をして、より大きく羽ばたくための基礎を教えきれていないように思えるのは私だけでしょうか?
「国立のスター」は多いが・・・人生は卒業してからの方が長いよ。
兎に角、ジュニアの世代から、国家的(サッカー協会全体の)プロジェクトとして徹底的に反復練習をさせる以外に、ワールドカップベスト4なんて夢物語は、寝言でも口にしてはいけないと・・・決めましょう。
実際、フランスはたった4年後の1998年の自国開催大会で見事に優勝しています。
実はね、そのフランス大会は日本が始めて参加した大会です。しかも、岡田監督。
結果は、当然ですがなす術も無く予選敗退でした。
あの時点で、何故フランスが4年間で復活を遂げたのか、そのところを勉強して来るべきでした。
そうしていれば、今年の南アメリカ大会は12年後ですから、本当にベスト4を狙えたことでしょう。
いやー、サッカーの話で過去最長の文になってしまった。
でも、感の鋭い人はどうオーディオと繋がるのかは、もうお気付きですよね。
次回その観点で続きます。
私を含め、現在95件のピュアオーディオ・ブログが参加している、ブログ村オーディオカテゴリーへのリンクです。
是非覗いてみてください。ウエスタンや自作アンプ、自作スピーカーの情報が盛りだくさんです

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同じく、現在315件のクラシック音楽ブログが参加しているリンクです。歴史的名盤から、ニューリリースの感想まで、私もレコード探しの参考にさせて頂いています。

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僕はレコードを聴いていたので試合は見ていないのですが、夜半に時間があって、オーディオ以外のブログも見ていたらその代表戦について辛口コメントが沢山あって、つい読んじゃいました。
僕自身のサッカー経験は、いにしえの「ダイアモンド・サッカー」以来、ウン十年も見てきたことだけで、全くの素人ですから、今日はカッテなことを書いてしまいますが、狂った奴だとお許し下さい。
ただし、あちらの世界もオーディオの世界と全くといって良いほど似た状況のようでしたから、「これは良い比較人類学」のテキストになるだろうと思いたったので書いて見ます。
さて、昨晩の試合を受けて、サッカーファンの方達のブログの論旨は概ね次の内容が多数を占めています。
① 協会の指導力がない。
② 岡田監督は限界、リスクを犯しても監督交代。
③ 戦術が間違ってる。あるいは、意図が見えないなど。
④ この選手はダメだ。もっと別の選手を使え。
⑤ 根性が足りない。戦う気持ちが感じられない。
ほぼ、こんな感じでしょうか。
これって、ほとんど「サッカー界における横の変化」のことばっかりだね。
「縦の変化」=実力の強化、には繋がってないような気がするですよ。
以下は、全くの私見だから、専門家の人から突っ込まれても言い返せないことを先に断わっておきますが・・・
強国の代表選手と日本の選手の一番の相違点は、「ボールを止める技術=トラップ技術」の差だと思うんです。
日本に限らず、欧州でもパスを受けたボールをきちんと収めることが出来ないチームは強くなれないようです。
その弊害は、
① 当然ボールが体から離れるので、詰められた相手にチェックされる。
② パスを出す選手も、自分の取れないボールを相手に送ると可哀想だからと、遅いパスを出す。
③ すると、ゆっくりパスの時間で相手に詰められて、苦し紛れのプレーでボールを取られる。
逆に 超一流の選手は止めるだけではなく、次のキックに最適な場所に置くことが出来るから、相手にチェックされる前にプレーしている。
強国の試合を見ると、シュートのような速さのパスをいとも簡単にピシッと止めている。
以前に、引退した中田選手のパスを「取れるものなら取ってみろ!」のようなパスだと解説されていたけど、中田選手は、日本のパススピードでは世界に通用しないことを判っていたんだね。
それを、あんな惚けた解説をする専門家がいるのだから、この問題は根が深い。
ですけど、最もベーシックなスキルが不足しているのに、
この一点を積み残して、戦術だの、選手選考だのといっても、どのように変えたところで大きな変化は無いってことですよ。
現場の監督や選手達が精一杯頑張っているのは当然なんですから、その人たちにムチを打っても仕方の無いことです。
これは、システムの問題ですから表面をどうこうするのではなく、根底を変えて苗木から育てなければ綺麗な花は咲きません。
では、縦の変化を加えるにはどのようにしたら良いかという、具体策です。
これは、(何でも同じですが)教育しかありません。
日本の代表を見るとき、いつも思い出すのは1994年アメリカW杯の欧州予選で、当時前評判の高かったフランス代表が欧州予選で敗退し、ワールドカップに出場できなかった後のことです。
また、1990年にイタリア大会で優勝した後、暗黒の時代を迎えたドイツも同様の手を打ちました。
彼らは、本当に心底失望し、しかし直ぐに強化の方向付けを行いました。
① ジュニアの組織的な育成
② 両国とも白人のチームであったが、有色人種を登用したこと。
その他、トータルのプロジェクトを推進し、両国とも世界の桧舞台で好成績を残しました。
日本には、殖民地が無いので②はあまり現実的ではありませんが、①は出来る可能性があります。
日本では、クラブチームより学校の部活でサッカーに親しむ子供が多いのでしょうから、ドイツなどより難しいでしょうが、
日本サッカー協会から、ジュニア(幼稚園、小中高校)に対して指導要綱を徹底させることですね。
◇ 練習の開始時には1時間、トラップの練習を強制する・・・みたいな。 もちろん具合的な方法論を付けて。
抜き打ち検査して、従わないところは、試合をさせないとか、強行手段に出てでもやらせる。
どうも日本人というのは、器用なものですから、なんとなく上手く出来ちゃう。
けれど、プレッシャーの弱い状態で上手く出来ちゃうものだから、「反復練習」や、「強制」を嫌うんでしょうね。
すると、パンも買えない様な暮らしでサッカーできなきゃ生きてゆけないなんて超ハングリーな選手から死に物狂いでプレッシャーを掛けられるとパニックになっちゃってますね。
また、高校なんかだと、スポーツの成績が経営に強く影響する為、ファンタスティックな試合をして、より大きく羽ばたくための基礎を教えきれていないように思えるのは私だけでしょうか?
「国立のスター」は多いが・・・人生は卒業してからの方が長いよ。
兎に角、ジュニアの世代から、国家的(サッカー協会全体の)プロジェクトとして徹底的に反復練習をさせる以外に、ワールドカップベスト4なんて夢物語は、寝言でも口にしてはいけないと・・・決めましょう。
実際、フランスはたった4年後の1998年の自国開催大会で見事に優勝しています。
実はね、そのフランス大会は日本が始めて参加した大会です。しかも、岡田監督。
結果は、当然ですがなす術も無く予選敗退でした。
あの時点で、何故フランスが4年間で復活を遂げたのか、そのところを勉強して来るべきでした。
そうしていれば、今年の南アメリカ大会は12年後ですから、本当にベスト4を狙えたことでしょう。
いやー、サッカーの話で過去最長の文になってしまった。
でも、感の鋭い人はどうオーディオと繋がるのかは、もうお気付きですよね。
次回その観点で続きます。
私を含め、現在95件のピュアオーディオ・ブログが参加している、ブログ村オーディオカテゴリーへのリンクです。
是非覗いてみてください。ウエスタンや自作アンプ、自作スピーカーの情報が盛りだくさんです

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コメント
初めまして、いつも楽しくブログを拝見させていただいております。
サッカーに関しては仰るとおり基礎トレーニングが足りないと思います。
オシム時代では徹底的に基礎の反復をしていたのでおもしろいサッカーを短い(本当に短い)間だけしていたと思います。
サッカーに関しては仰るとおり基礎トレーニングが足りないと思います。
オシム時代では徹底的に基礎の反復をしていたのでおもしろいサッカーを短い(本当に短い)間だけしていたと思います。
初めまして、コメントありがとうございます。
門外漢の記事にまさかコメントは無いだろうと思っていたのでビックリしました。
そうですよね、やっぱり日本人は熱しやすく、冷め易いのがサッカーにも如実に現れていますね。
欧州の試合を見ていると、例えば右のサイド突破だけで45分やっているゲームがあります。
マッチアップの凸凹を見ているのでしょうが、最初は跳ね返されるのに結局終了間際に1点取って勝ち試合にしてました。
あのシツコサには頭が下がりますね。
代表に選んだ選手に基礎を教えなくてはならなかったオシム監督は大変だと思いました。
門外漢の記事にまさかコメントは無いだろうと思っていたのでビックリしました。
そうですよね、やっぱり日本人は熱しやすく、冷め易いのがサッカーにも如実に現れていますね。
欧州の試合を見ていると、例えば右のサイド突破だけで45分やっているゲームがあります。
マッチアップの凸凹を見ているのでしょうが、最初は跳ね返されるのに結局終了間際に1点取って勝ち試合にしてました。
あのシツコサには頭が下がりますね。
代表に選んだ選手に基礎を教えなくてはならなかったオシム監督は大変だと思いました。
こんばんは、またまたお邪魔しています。
私、茨城県古河市出身でサッカーの町”古河”と呼ばれた時代のサッカー少年でした。
ダイヤモンドサッカーも毎週見ていて、リバプールの7番キーガン選手の大ファンで左ウイング(古いですね)になりたかったのですが、残念ながらハーフ。今ならMFで花形ですけど、当時はイングランドサッカーが主流だったので...
kaorin27さんの仰る通り、昔、ブラジル代表の黄金のクァルテットの一人も言っていました。「私たちはあっと驚くプレーは一度もしたことがない。何度も反復練習したプレーの一つをしただけだ。」と。
私、茨城県古河市出身でサッカーの町”古河”と呼ばれた時代のサッカー少年でした。
ダイヤモンドサッカーも毎週見ていて、リバプールの7番キーガン選手の大ファンで左ウイング(古いですね)になりたかったのですが、残念ながらハーフ。今ならMFで花形ですけど、当時はイングランドサッカーが主流だったので...
kaorin27さんの仰る通り、昔、ブラジル代表の黄金のクァルテットの一人も言っていました。「私たちはあっと驚くプレーは一度もしたことがない。何度も反復練習したプレーの一つをしただけだ。」と。
おー古河ですか!
私は子供の頃浜松でした、周りはサッカーばかりで野球少年はあまり見た記憶がありません。
ただ、清水や藤枝に押されて常にマイナーな存在でした(涙
ブラジル選手の言葉。いいですねー。感動しました。
若い頃、上司に仕事の極意を教わった言葉のまんまですね。
私は子供の頃浜松でした、周りはサッカーばかりで野球少年はあまり見た記憶がありません。
ただ、清水や藤枝に押されて常にマイナーな存在でした(涙
ブラジル選手の言葉。いいですねー。感動しました。
若い頃、上司に仕事の極意を教わった言葉のまんまですね。
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