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これはもう、単純に憧れの地  Paris-France

300年続いた江戸期が終結し、文明開化と共に多少とも海外の情報が入るようになって以来、日本人の心の中にはフランス文化への憧れが芽生えたように思えます。

しかしこれは、なにも日本に限ったことでは無いらしく、パリを中心としたフランスは現在でも世界一の観光大国であり、絵画を始めとして文化の中心地であることは間違いなかろうかと思います。

人後に漏れず、私もパリへの憧れは持ち合わせておりますが、音楽の面においてはシャンソンに出会ったことがきっかけでした。

DSC02800.jpg
Musiqua Das FILM Francais DISKPORT-SEIBU (1981) MFPL-80Y01-3
80年代に、西武系のディスクポートで販売していた、1930年代のフランス映画黎明期の主題歌、挿入曲を集めたLP3枚のセット。
こんなリブレットが付いているんですから、これだけでも憧れちゃいますよね。

この中の1曲にやられてしまいました。
Lys Gauty   A Paris Dans Chaque Faubourg 1933年トビス映画会社製作 「巴里祭」の主題歌 

こちらは、日本コロムビアの有名な「シャンソン・ド・パリ」シリーズのSP盤

PICT0007.jpg

この当時のシャンソンはやはり、SP盤で聴くのが似合いますね。
室内の空気が、一瞬にして1930年代のフランスの香りに変わるような気がします。


さて、この当時のフランスの音楽をオーディオで聴くにはどのような装置がお似合いなのでしょうか?

1920年代の後半に、「世界映画機材、仕分け会議」が開かれたそうです。
当時は米国のWestern Electoricと独逸のKlangfilmが二大勢力であり、過度な競争は互いの為にならないと、話し合いによって展開する地域を決めてしまったそうです。

現代の感覚からすると、独占禁止法に抵触する不当取引のようにも感じますが、まかり通っていたのでしょうね。
公正な競争原理による、クライアントの利益を保護するなどは軽視されていた時代ですか。
それほど、映画機材の業界は売り手市場だったのでしょう。

うろ覚えですが、
WEは北中米、日本(と多分アジア)、英国を担当
Klangfilmが欧州大陸、ソビエト連邦、アフリカを担当したということです。

その歴史が、カナダのNothanElectricや、英国のWestrex London、日本のWestrex東洋支社などに残っています。
同様に、KlangfilmオーストリアやソビエトのLOMOがあります。

そしてフランスも当然の如く、Klangfilmの機材が一般には使用されていました。
先のトビス映画会社も配給の際には、Film缶に「Tobis-Klangfilm」と銘打っておりました。

しかし、ライセンスによるノックダウンのフランス製機材は殆ど見かけません。

まあ、お隣さんですから輸送は大したことなさそうですが、より近いオーストリアには自国製造の物があることを鑑みると、フランス人のいい加減さをドイツ人が信用していなかったのではないか?
なぞという、勝手な妄想が膨らんで、また楽しからずや。ではあります。

04_convert_20100510104042.jpg
ラインアンプのシールです。 仏語で「独逸から輸入した」って書いてありますね。

これならば、Klangfilmでシャンソンを聴いても大丈夫ですよね。
録音した機材で再生するっていうのは、出てくる音は別にしても気分的には中々にしっくり来るものがあります。



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コメント
こんばんは

SPまで網羅されているのですね。
ティボー、カザルスに魅せられた頃、SPも考えたのですが、さすがにそこまでは進めず、復刻版で聴いています。
kaorin27さんのレコード紹介はため息が出ます。
2010/05/10(月) 21:43 | URL | メタボパパ #-[ 編集]
こんばんは

こちらこそ、いつも乗っかりで済みません。
メタボパパさんのブログを読ませて頂くと、イメージが膨らみ多大な影響を受けています。
これからも背中を見て書いてしまうと思いますが、堪忍して下さいね。

SP盤はもっと書きたいのですが、反応が少ないのでちょっと弱気になっています。
2010/05/11(火) 10:28 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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