ETERNA プレス考(3)

この項の始めに驚いた第九のプレスの違いは

初期に近い全集物が③の番号が刻印された盤で、リブレットのリリース年は66年
バラは④の刻印の盤 ジャケのリリース年は68年という違いによるものでした。

この間にETERNAのハードウェアに何か重大な変化があったのでないか!という随分身勝手な仮説を立てたのが今回のお話です。

DSC00575.jpg
こちらは、かつて徳間音工さんが出していた2Tr 38cmのオープンリールテープ

まず、当時のカッティングシステムの変遷とETERNAの推移を照らし合わせてみました。

    「Neumann SX-45ステレオカッティングヘッド後の変遷」
1945 TelefunkenT9ステレオテープデッキ発表(アンプV67&V68 EF-40ほか使用)
1956 AM32a electrical controlled adjusting dvice バリアブルピッチコントロール発表
1957 AM32System発売 この専用アンプこそが後世に名高い「VG-1」アンプシステム
    パワーアンプ「LV-60」  EL-156が世界で始めて商品化された。
    プレイバックアンプ「WV-Ⅱ」 50年後の現在でも比類なきEQアンプ
1960 Telefunken M10マスターデッキ発表(アンプV86&V87 EF-804S他使用)
1964 ETERNA ステレオ用カッター導入
1968 SX-68 Cutterhead開発
1968 ベートーベンジャケ→ミケランジェロジャケへ変更

このように並べてみると、64年にEternaが初めて導入したステレオカッティングシステムはNeumannのAM32aシステムではないかと推測されます。
1956-neumann-lathe_web.jpg
 <Neumann社1957年の機関紙より:版権切れてると思うので突っ込まないでねNeumannさん>
Lyrec製の巨大なシンクロナスモーターとNeumann不朽の銘アンプシステムVG-1で構成されるこのモンスターマシーンはレコード史上ただ唯一たどり着いた最も完成に近い機械ではないかと思います。

そして、世界的に経済が落ち着き家庭でレコードを鑑賞できる時代へと移り変わる背景の中でレコードの販売が軌道に乗り、機材を最新式に変更したのが68年頃なのではないかと重ねて推測します。

その変更点がカッティングヘッドをSX-68(と専用コントロールディバイス)へ変えることだったのではないか。
SX-68は当時としては驚異的な高性能を誇り、日本でもSonyなどは、レコードジャケットに大々的にSX-68サウンドなどと銘打ったシリーズを立ち上げた事をご記憶の方も多いと思います。

しかし、数十年後の今日、SX-68の滑らかで歪のない美音を「味わいに欠ける」などと腐す天邪鬼も現れていることも事実です。
そして、最初の驚きであったカッティング幅の違いは、より細いグルーブで且つより精密なピッチコントロールを実現したSX-68Headの証でなかろうかと思っています。

DSC00595.jpg
    Telefunken M10 マスターレコーダーに付属のレコーディングアンプ V86
    EF-804s EF-804sの絶品のアンプに ECC82のバイアスアンプを搭載

そして、結論ですが。1964年~1967年頃のステレオプレスの価値は・・・
関係各位のお話から、ETERNAではドーバー海峡を渡った島国の同業者DECCAのようにカッティング時に媚薬を含ませることなく(DECCAは実際にレコードのおまけとして香水入りの布切れを付けようとした前科あり)切ったとのことですから、M10マスターデッキとAM32aシステムのありのままを今に伝える伝道師といえるのではないでしょうか。

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