素直なのは一番か? 東欧レコードの音

まだ、若かりし頃「ホームベーカリー」(平たく言うと家庭用パン焼き器)が大流行したことがある。

流行は繰り返すもののようで、少し前から再び人気商品なのだそうだ。
手作りのパンを食べてみると、勿論、一流のレストランやベーカリーのような飛びぬけた味では無いが、大手の市販の物に比べると食パンですら相当に美味しく感じるものだ。

そうなると、シンプルな疑問に行き着く。
単純な製法の食パンで、何故これほどの味の違いを生じるのか?

やっぱり、そこそこの材料を使ったら余計な事(大量生産向けの技術向上)をせずに素直に作った方が美味しいパンが出来るのかしら。と思い当たる。


旧ソビエト連邦の「メロディア」や東独の「エテルナ」レコードの中には、時にあまりにも素直な音のレコードに出会うことがあり、そんな時は技術の進歩に対してネガティブな感情を抱くことがあるものだ。
そこで、今日の1枚です。
DSC03283.jpg
メロディア盤 ヘンデル/プロコフィエフ  ヴァイオリンソナタ  L・コーガン  ワルターピアノ伴奏

ジャケットには詳細なデータが無いのですが、キリル文字の多さを見ると、連邦政府にとってまだレコードがドル獲得の有効な手段だと気付く前の録音のようですね。
DSC03287.jpg

このブログで沢山紹介した 英DECCAのレコードは音楽鑑賞に与える音響の影響を最大限効果的に発揮するように造り込まれた、ある意味人為的な芸術作品と言えましょう。

対して、此処にみられるメロディアレコードの音響は正反対のベクトルを示しています。即ち、素朴で、ダイレクトで、時にキズもキズのまま提示するものです。

生録音のような瑞々しい音響が良くも悪くも特徴なのです。
そして、その理由を想像するに、一重に「貧乏だった」為ではないかと思います。

マイク数(チャンネル数)も少なく、どーんとテープに録ったらカッティング用のf特を事前補正するだけでどっかーんとカッティングしたっぽさがあるんですよね。

今も昔も周波数イコライザーや多機能コンソールはしゃれにならないくらい高価ですから。
しかし、そうした制約の中で、いや、だからこそ演奏者の立ち位置やマイクの設置に対して妥協無く工夫を重ねた結果のように思えるのです。

不自由な環境のおかげで腕を磨く事ができたし、類稀なる成果もあったのではないでしょうか。

にっくきイコライザー、こういうヤツね。 
画像 014
エックミラー  W-86a  60Hz以下と10kHz以上をトリミングまたはブーストするEQで200Ω~600Ω用
            回路はLCR使用の3dBステップ式。ご想像の通り、当時は EMT-930より高価だった。


最近のヴァイオリンやピアノ録音を聴くと、風呂場でのエコーを通り過ぎて大きな樽の中で録っているのじゃないかと思うことがある。

でも、これは違いますよ。
鼻先でヴァイオリンの松脂を浴びる事ができるのに加えて、後方にスーーーっと広がり消えるホール音も同時に堪能できるのです。

トリハダ立ちますです。  ハイ



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コメント
こんばんは

エテルナ盤は、私に初期盤について教えて下さった
師匠が大好きなレーベルで、よくWG盤と比較試聴
させて頂いたレーベルです。
当時はWG盤の方がいいんじゃないのかなぁと思っ
ていましたが、師匠は「そのうちこの自然なよさが
分かるようになりますよ」と仰っていました。

まだまだその境地には達していないようですが...

話は変わりますが、kaorin27さんから頂いたコメン
トを読み、反省するとともに、その思いをブログに
書きましたので宜しければご覧になって下さい。
2011/01/25(火) 21:40 | URL | メタボパパ #-[ 編集]
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