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ニアフィールドモニター 番外編 ALTECの巻

今回の番外編は前回までの記事を書くにあたって目を通した中で非常に興味深い写真がありましたので敢て別記事として書いてみました。


我が家をニアフィールドと呼んだ大訳は前回書いた通りです。
劇場用に限らず、高効率スピーカーを至近距離で聴く事は大変有効だとしていますが、(恐らく)日本には

劇場用スピーカーは大きな音を出す為のモノで、音が荒くて観賞用には使い物にならない!

と、お考えの方も少なからずおられるように思います。実際にそんな記述を方々で見かけますね。

そんな方とお話をさせて頂くと、最も多いのがオーディオという行為自体をファンタジーと捉えている向きで、スピーカーは従順ならざる敵であって、苦労を背負い込む、或いは楽しむ相手と(極端に言ってしまうと)考えているのではないかと感じます。

しかし、実際のスピーカーは極めて単純な、それこそ小学校の科学雑誌の付録にもなるようなフレミングの左手の法則を応用した機械なのです。

磁界中のコイルに電流が流れると動くという理屈だけで、そこには当然人格も個性も無いのです。
現実には振動板の材質やその他機構設計の差によってOUTPUTに違いが生じるだけなのです。



他方、同じく業務用スピーカーの仲間にはマスタリングやトラックダウンの際に使われるモニタースピーカーと呼ばれるカテゴリーも存在します。

上記の劇場用と逆の意味合いで・・・

モニター用は音のアラを見つける為のスピーカーだから、家庭に持ち込んでも神経質すぎていけない。

なんて事もまた頻繁に耳にします。


まあ、そんな台詞を耳にする度に、「自分で使いもしないで、風評や噂話をよくそこまで見てきたように言えるなあ」と感心してしまいます。

大きな業務用スピーカーに憧れて少し使ってみたけれど、上手く鳴らせなくてネガティブな印象を持ったまま手放しちゃった人も居て、実はそんな人が少なくなかった為に世評として独り立ちしちゃったんでしょうね。



身の回りには実際に購入してよい音で聴いている人を何人も知っていますが、誰一人

劇場用は音が粗いとか、モニターは神経質だ。などと吐く人間はいません。  全く大衆の心理とは不可思議なモノです。

また、スピーカーの製作者は(個人的な事業でもなければ)、基本的に「入力にリニア」なスピーカーを作ろうと考えていますよ。
劇場用だから○○とか、モニター用だから△△なんて発想は完全にユーザー発信の台詞といえましょう。

時々、型名のあとに「プロフェッショナル」とか「モニター」とか付け足している機械を見受けますが、真正の業務用機器にそのような言葉が書かれていた記憶がありません。
WE-4151とかKL-L439とか V-69とか色気の無い数字が並んでいるばかりです。

わざわざ言葉で書いて説明しなければならない理由は、書いた本人が「そうではない」事を自覚しているために他なりません。若しくはオーディオ機器が商業ベースに乗った後の時代の製品です。



では、実例として「プロフェッショナル」とは書いてなくとも誰もがプロ用と分かっていた時代のALTECのスピーカーを例にとってみましょう。

ALTECにはモニタースピーカーとして世界一有名と言っても良い 604(605)同軸スピーカーがあります。

これは、劇場用の515(416)ウーハーと802(806)ドライバーをくっつけて2Wayにしたものです。
粗い音の代名詞のようなパワフル515を同軸にしただけで、急に細かいアラをあからさまにするモニタースピーカーに豹変するなんてことは起こりようも無く、前述した「劇場用は○○・・・」なんて理屈は破綻していますよね。


今回見つけた、大変興味深い写真はこれです。  ステレオサウンド  No131より
DSC03498.jpg
これは、1969年のDeccaのミキシングルームです。
通常はスタッフの顔を撮る事が多く、モニタースピーカーが写ることはあまり無いのでこれは貴重な写真と言えましょう。


ここで使われているモニタースピーカーをご覧下さい。
奥にTannoyのコーナーカンタベリーでしょうか、中規模のスピーカーがありますが、手前のメインモニターは
ALTECのA-7を使っています。

コンソールの直ぐ先ですから、せいぜいが4m・・・3m強といった距離ではないかと推察されます。

誰がどう見たってA-7です。ステージスピーカーの親玉みたいなスピーカーをモニターに使って、少なくともこの会場ではあの神のごときDeccaレコードは収録されていたのです。

逆に、ALTECの劇場用スピーカーのリストには「A-6」システムとして604を使ったスピーカーもあり、604は立派にステージ用としても使われていたのです。

このようにALTECは粛々と優秀なスピーカーユニットを開発しただけです。
優秀であるが故にステージ上でも使えるし、モニターとしても使えるのです。
キワモノの代表格のように思われているステージスピーカーは、実は大変にユーティリティーなんですね。



私の申し上げたい事はもうお解かり頂けるかと思います。

スピーカーには、磁石とコイルと振動板があるだけです。
信号が入力されると前後に動く。 ただそれだけなんです。


音色がどうだ、音が粗いだの細かいだのと、能書きを付け加えるのは人間の仕業なんです。
多くの場合、そのスピーカーを手にしたことの無い人間によって発せられた言葉ですし、さらにその多くは商行為が目的で発せられた言葉であることを知らなければなりません。

大事なのは、まず一生懸命稼いで、身銭を切って購入し自分の手で納得するまで使いきる事です。

他人の言葉をなぞるのではなく、自分の内から出た言葉で語ることが、人生のどの場面でも最も大切なことのような気がしてなりません。




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コメント
こんばんは

この写真に見覚えがあり、この時はタンノイを使って
いるのが分かって、うれしかった記憶があります。
よくよく考えるとメインがA-7。何だかやれそうな気
がしてきました。
2011/05/15(日) 23:48 | URL | メタボパパ #-[ 編集]
おはようございます。

でしょーー?って僕が撮った写真ではないですが、なんだか勇気が
湧いてくる一枚ですよね。

やっぱりDeccaには因習を破る気概を感じます。
抜けの良さ、透明感はA-7からも想像できますし。
一方、EMI録音の奥ゆかしさ、滋味深さは何となく小さなEMIモニターの
音を連想させる処が奥深いですね。

(実際はもっと大きなモニターも使っていたと思うんですが)
2011/05/16(月) 10:50 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
こんばんは~。

そう言えば・・・CDはDEECAが多いですね
気に入った音がするのでつい買ってしまいます(^_-)-☆
2011/05/16(月) 19:30 | URL | altum #VQ8ezY4k[ 編集]
altumさん おはようございます。

ですよねー!
Deccaは後進の小さな会社でEMIやColombiaといったメジャーに
対抗するため、音質で頑張ったそうです。
仕事も分業化されてなくて、なんでも出来る人が自分で作って
改良を重ねたらしいですよ。
そんな社風が「クラフトの鬼」altumさんにピッタリ合うのかも
しれませんね。
2011/05/17(火) 11:14 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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