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続) GWに遭った人々 「未来ある若者達へ」

あまり当たり前のコトばかりを記事にしていると、そろそろお叱りを頂きそうなので今日はGW中に出会った人達の続きの話をします。

我が家では珍しくずいぶんと若い人が二人来てくれました。

まあ、まだ考え方が揺れることもありますが、それは決して悪いことではなく、むしろその動くことのできる若さゆえのエネルギーを羨ましいと感じるべきでしょう。

色々とお話をさせて頂きました。
その中で、ちょっと気になった事を、許しを得て記事にします。
アンプ作りの参考になればと思いますが、思いっきり初級者向けですから、ベテランの方は覚悟して読んでください。



彼らの、その行動力もまた大物を予感するもので・・・

自身で作った真空管アンプを持ち込んでくれました。
出力管は 6BQ5ppでしょうか、MT管が4本立ったステレオ1ボディのラヴリィなアンプです。

これは僕の持論ですが、「何の球でもいいから、規格表通りに真空管アンプを組んで聞いてみると、結構な市販アンプより鮮度の高い真摯な音がするものだ」と思っています。(何百万もするアンプのが色気があるぞってのはその通りだと思うけど、それはなしで)

A君(仮)も初めて真空管アンプを組んでビックリしたのでしょう。
そこそこの価格の有名なアンプよりずーーーーといいじゃないか!

それで、「もしかしたらこのアンプは世の中でもソートーいい音なんじゃないか」って、思ったんでしょうね。
オーディオ界は年寄りばっかりだから古いものを有難がるけど、三極管なんて老人の寝息みたいに「はーふー」言うだけじゃないのか?俺の近代多極管の方がシャープでフラットないい音じゃないのか!って。


わが家のAD-1と聴き比べて(本音では)どのように感じたかは窺い様もありません。

「ベースの締りが・・・」とか「サックスの抜けが・・・」とかどこかで聞いたことのあるセリフを使って感想を述べてくれたけれど、それはみんな高低のバランスのことの表現を変えただけだね。

僕はしないけど、その気になれば音は好みで調整出来るし、バランスは揃えることもできるかもしれない、しかし
そこから先に何を感じるかは、もう少し音楽を聞き込むと変わってくるんじゃないかな。




まあしかし、音はどうでも良いのです。

音に対する感じ方や、求めるものは経験によって変化しなければならないものです。
今の内に偉そうな事、分かった様なことを言っていても構わないんです。
それは自身の中から出た言葉ではないし、僕だって身に覚えが無いわけじゃない。

経験を積んだところで、わかる奴もいるし、わからない奴もいる。続くか止めるかだってこれからのことですから。
それは当人の人生だから、もっと魅力のある、あるいは向いている趣味が出来たって他人が善悪を付けたりするもんじゃない。

桜の古木が多いことで有名になった、高山村一帯
PICT0018.jpg桜はいい、盆栽もいいが、芽吹きどきは良い。

黄色い菜の花が 信州名産「野沢菜」になるんだって、今年に入ってから知った (~_~;)



問題はそれ以前にあったのです。

そのアンプは電源トランスが「チンチン」に熱くなるというのですね。小さい扇風機を買って冷やしていると。


聞くところによると、そのアンプはある雑誌に載っていた記事を忠実に再現して組んだアンプだというのです。
穴開けの寸法や部品の銘柄に至るまで。(よって、今回は残念ながら写真他詳細なしです)

もう少し詳しく話を聞くと、
使用している6本の真空管の動作電流の合計と電源トランスの定格電流が同じ!!!!だと。
執筆者の解説では、B級動作だから通常の音量ならば大丈夫だとあった。



まあ、普通の常識から行くと・・「ハイ、ご苦労さん \_(^◇^)_/  当たり前じゃん」って感じでした。

力だって、液体だって、電気だって、人間関係だって、何かを通過するとロスが発生するとは思い至らなかったんだろうか?
彼らの頭の中では、ロスも摩擦もない「永久機関」が今日もコンコンと回り続けているのだろうか?

オーディオじゃなくたって設計値の1.何倍かのマージンは取るでしょう。
いくらB級動作だからって、組み合わせるスピーカーの能率はそれぞれだし、部屋の大きさだって・・・


これを教訓として部品の余裕度(ヘッドマージン)について勉強することだね。

でも、彼が偉かったのは、執筆者や出版社を責めず、そこに思い至らなかった自分を責めたことだ。

本当にそのような記事を執筆して市販する雑誌に載せたなら、中々チャレンジャーな著者だけれど、その著者を責めたって自分たちには一つのメリットもないのだ!

中々お目にかかれない経験をして勉強させてもらったんだから感謝するくらいの余裕でいいよね。



さて、ここでお笑いを一席。

その昔、浜松で働いていた時の会社の先輩がお金を貯めてステレオを買うことにした。
カタログを舐めまわすように見て、販売店で相談を繰り返し、いよいよ所望の機材を発注した。


お取り寄せに数日かかるとのことで、アンプやらチューナー、CDプレーヤーを入れるラックは自分でつくる計画を立てた。

フリーハンドで設計図を書いて板取の寸法を決定し、ホームセンターで板を購入して早速黙々と組み立てていた。
ラックもなんとか形になり、晴れて納品の日を迎えた。

その日、彼の部屋から「ぎゃあああああ」という忘れられない悲鳴を聞いた。

彼は、カタログに記載してあったコンポの寸法をそのまま棚板のクリアランスの寸法としたのだった。

「ハイルワケナイジャン」




さて、A君よ、この先輩を笑うことなかれ。
君は同じことをしたのだぞ。

でも、一作目から記事を参考にして自作した根性は見上げたものじゃないか。
果敢に挑戦したその精神は、今後のオーディオ人生(を続けるとして)に大きな助けになるんじゃないかな。



今回の教訓は

自分の頭で考えることの重要性を解いているのだと思う。

「考えて、行動する能力」は「色々知っている」ことより、余程重要だよ。

オーディオは沢山のパーツがあるから、それらを取り替えて組み合わせを楽しむことも大きな喜びだけれど、それだけでは分らないこともきっと分かるようになると思う。

それは、モノ作りに携わった人々の想いや苦労、考え方を分かるようになるというとても大切なことだ。

それと、部屋中の壁面をアンプで埋め尽くすまで作らないで、音楽を聞く為のアンプだってことを忘れないで頂戴ね。




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コメント
おはようございます。

この記事を読んでいてむか~しの事を思い出しましたよ(^_-)
「初歩のラジオ」とか「ラジオ技術」などを読み漁って
中古のラジオを古物商から買って来て完全にバラシテ
組み直し・・・鳴って喜んで居た頃を
それが高じて現在に至って居ますよ(^_-)-☆
2011/06/09(木) 09:18 | URL | altum #VQ8ezY4k[ 編集]
altumさん、 おはようございます。

ほんっとに、他人の事は言えないんですよねー
今から思うと、冷や汗の連続で・・・
でも、その苦労やお金の無いことも楽しかったんですよね。

この後、若い人たちが「高じて」くれるかなんです。
一人でも多くの人が高じてくれると良いのですが。
2011/06/09(木) 10:54 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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