直熱三極管の魅力を探る・・・だあ?
先般、いつもお世話になっているYさんから連絡があって、ちょっと相談したいことがあると。
で、お伺いするとこれも先日記事中でご紹介した、JBLの初期型ユニットに使うアンプを考えていたのだけれど「250」という球が肢体も良さげなので入手した。
ついては、アンプを組んで貰えないか? ということでした。
それは楽しそうですねーー、僕なんかがどんなものを作れるか分かりませんが・・・・て、素直に言えなかったんですね。
何となく、頭の中の「警笛」がやかましく鳴り響いて警告音を発していたのです。
その理由は、250(いわゆる50)の規格表を見てはっきりとしました。

こりゃダメだわ。
こんな規格を見たら、鬼でも裸足で逃げ出しますわね。
まず何よりも、グリッドリークを10kΩ以下で使えと、厳しく注意書きがされている。
警笛の理由はこれだった、随分と昔に50は恐ろしい球だと聞いていてその記憶があったようだ。
なのにですよ、わずか3.4Wの出力を発生させるためにはカソードには-70vを落とさないといけない。
ちゅうことは、50v以上の励磁電圧を5kΩ近辺の負荷で取り出せるエキサイターが要るってことですよ。
しかも、B電源がむっちゃ高い。450vクラスのブロックコンは使えなーい。2階建てか?
ここまで見てドイツ的な頭で考えられることは、ほとんど送信管を使ったブースターアンプの世界ですやん!
恐らく250が開発された頃の時代背景を考えると(ラジオや電蓄は別にして)
1.電源ユニット
2.ラインアンプユニット
3.パワーアンプユニット
4.ブースターユニット
といった構成が当たり前で、一つのアンプで3,4個の筐体が必要だった。
今ならステレオ2チャンネル分を1シャーシに組み込むくらいのモノをだ、時代の変遷はありがたいねえ。
自分用に作るなら小出力のシングルアンプをまず作ってから、別筐体で250ブースターを作ると思うけれど、まさか人様のアンプではそんなこと言えないですね。
その後手持ちの本や、NETであらゆる製作実績を調べてまわった。
さすがに皆さん、扱いにくさに閉口しながらもモノにしているようだ。
どちらの製作者さんもそれぞれの考え方で克服し、他の球では得にくい豪快さ、図太さなど音質面では絶賛の声が沢山聞こえる。 ちょっと楽しくなってきたな。
大まかにこの球の料理法を整理すると
1.インターステージトランス・・・スタンダードね。昇圧比考えると前段に無理をしなくてよいが、高いぞ!!
2.グリッドチョーク・・・・・ちょっとは昇圧もできる。イントラよりは安く済みそうだし、癖は少なそう。
3.カソード出し・・・・多分普通のカソードだと電圧不足なので、SRPPだっけ?とかが必要になるようだ。
4.出力管によるドライブ・・・・これもトランスの扱い方が色々ありそうかな。
5.ロフチン・ホワイト・・・・そして禁じ手! これはナシだなあ。
このあたりが一般的ですね。
そりゃ、TriadのHS型やUTCのLSシリーズが入手出来るならイントラが無難でしょうけれど、オーナーにも経済的な思いもあるでしょうしね。
実は、その後自分の中でひょんなことから決定版を探し当てたのではありますが、
全てはYさんがスタートの合図を出してからのことですから、私が一人で力んでもどうしようもありません。
その時までに考えを熟成させておきましょう。
で・・・この記事の何処が「三極管の魅力」なんだ?と、突っ込まれそうですが。
古典三極管を使うということは、こうした多々の不条理を克服し、最少効率でもって最大のコストをかけて雀の涙のような出力を取り出すことだと思うんですよ。
だから、計画の段階で七転八倒して「ヒーヒー」言いながら課題解決をした人だけが、そよ風のような音を聞けると。
こんな高尚?な趣味は、他じゃあ中々味わえません。
手軽で扱いやすい機械にはない、その「ドM」の精神こそが古典直熱三極管の魅力でしょう? でしょう?
賛同者無し! 閉店ガラガラ・・・
私を含め、現在95件のピュアオーディオ・ブログが参加している、ブログ村オーディオカテゴリーへのリンクです。
是非覗いてみてください。ウエスタンや自作アンプ、自作スピーカーの情報が盛りだくさんです

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同じく、現在315件のクラシック音楽ブログが参加しているリンクです。歴史的名盤から、ニューリリースの感想まで、私もレコード探しの参考にさせて頂いています。

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で、お伺いするとこれも先日記事中でご紹介した、JBLの初期型ユニットに使うアンプを考えていたのだけれど「250」という球が肢体も良さげなので入手した。
ついては、アンプを組んで貰えないか? ということでした。
それは楽しそうですねーー、僕なんかがどんなものを作れるか分かりませんが・・・・て、素直に言えなかったんですね。
何となく、頭の中の「警笛」がやかましく鳴り響いて警告音を発していたのです。
その理由は、250(いわゆる50)の規格表を見てはっきりとしました。

こりゃダメだわ。
こんな規格を見たら、鬼でも裸足で逃げ出しますわね。
まず何よりも、グリッドリークを10kΩ以下で使えと、厳しく注意書きがされている。
警笛の理由はこれだった、随分と昔に50は恐ろしい球だと聞いていてその記憶があったようだ。
なのにですよ、わずか3.4Wの出力を発生させるためにはカソードには-70vを落とさないといけない。
ちゅうことは、50v以上の励磁電圧を5kΩ近辺の負荷で取り出せるエキサイターが要るってことですよ。
しかも、B電源がむっちゃ高い。450vクラスのブロックコンは使えなーい。2階建てか?
ここまで見てドイツ的な頭で考えられることは、ほとんど送信管を使ったブースターアンプの世界ですやん!
恐らく250が開発された頃の時代背景を考えると(ラジオや電蓄は別にして)
1.電源ユニット
2.ラインアンプユニット
3.パワーアンプユニット
4.ブースターユニット
といった構成が当たり前で、一つのアンプで3,4個の筐体が必要だった。
今ならステレオ2チャンネル分を1シャーシに組み込むくらいのモノをだ、時代の変遷はありがたいねえ。
自分用に作るなら小出力のシングルアンプをまず作ってから、別筐体で250ブースターを作ると思うけれど、まさか人様のアンプではそんなこと言えないですね。
その後手持ちの本や、NETであらゆる製作実績を調べてまわった。
さすがに皆さん、扱いにくさに閉口しながらもモノにしているようだ。
どちらの製作者さんもそれぞれの考え方で克服し、他の球では得にくい豪快さ、図太さなど音質面では絶賛の声が沢山聞こえる。 ちょっと楽しくなってきたな。
大まかにこの球の料理法を整理すると
1.インターステージトランス・・・スタンダードね。昇圧比考えると前段に無理をしなくてよいが、高いぞ!!
2.グリッドチョーク・・・・・ちょっとは昇圧もできる。イントラよりは安く済みそうだし、癖は少なそう。
3.カソード出し・・・・多分普通のカソードだと電圧不足なので、SRPPだっけ?とかが必要になるようだ。
4.出力管によるドライブ・・・・これもトランスの扱い方が色々ありそうかな。
5.ロフチン・ホワイト・・・・そして禁じ手! これはナシだなあ。
このあたりが一般的ですね。
そりゃ、TriadのHS型やUTCのLSシリーズが入手出来るならイントラが無難でしょうけれど、オーナーにも経済的な思いもあるでしょうしね。
実は、その後自分の中でひょんなことから決定版を探し当てたのではありますが、
全てはYさんがスタートの合図を出してからのことですから、私が一人で力んでもどうしようもありません。
その時までに考えを熟成させておきましょう。
で・・・この記事の何処が「三極管の魅力」なんだ?と、突っ込まれそうですが。
古典三極管を使うということは、こうした多々の不条理を克服し、最少効率でもって最大のコストをかけて雀の涙のような出力を取り出すことだと思うんですよ。
だから、計画の段階で七転八倒して「ヒーヒー」言いながら課題解決をした人だけが、そよ風のような音を聞けると。
こんな高尚?な趣味は、他じゃあ中々味わえません。
手軽で扱いやすい機械にはない、その「ドM」の精神こそが古典直熱三極管の魅力でしょう? でしょう?
賛同者無し! 閉店ガラガラ・・・
私を含め、現在95件のピュアオーディオ・ブログが参加している、ブログ村オーディオカテゴリーへのリンクです。
是非覗いてみてください。ウエスタンや自作アンプ、自作スピーカーの情報が盛りだくさんです

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コメント
おはようございます
>課題解決をした人だけが、そよ風のような音を聞けると。
“そよ風のような音”ちょっとだけ聴かせてーーーーー
ん、でもJBL signatureでしたよね
AltecかSiemensフルレンジ辺りでないと難しくないですか?
敢えてJBLなら2115辺りかと
そよそよ、、、、、
そわそわ、、、、、
>課題解決をした人だけが、そよ風のような音を聞けると。
“そよ風のような音”ちょっとだけ聴かせてーーーーー
ん、でもJBL signatureでしたよね
AltecかSiemensフルレンジ辺りでないと難しくないですか?
敢えてJBLなら2115辺りかと
そよそよ、、、、、
そわそわ、、、、、
manboさん、おはようございます。
何時になるか(私のではないので)分かりませんが
組上がった時にはお聴きいただくのも可能だと思います。
○百万円の○百ワットのアンプに対比する比喩として
300BやPX25等の高性能管が誕生する以前の古典管を
総称して「そよ風」のようなわずかな出力という意味
でして、音を一括りには出来そうにないのですが・・・
一般的に三極管は筋肉質で強靭な音も出せると思いますし、
特に世評では250は 図太くてたくましい音らしいですよ。
まだ脳内計画の段階なので、早く出来たものを聞いてみたい
ですね。
何時になるか(私のではないので)分かりませんが
組上がった時にはお聴きいただくのも可能だと思います。
○百万円の○百ワットのアンプに対比する比喩として
300BやPX25等の高性能管が誕生する以前の古典管を
総称して「そよ風」のようなわずかな出力という意味
でして、音を一括りには出来そうにないのですが・・・
一般的に三極管は筋肉質で強靭な音も出せると思いますし、
特に世評では250は 図太くてたくましい音らしいですよ。
まだ脳内計画の段階なので、早く出来たものを聞いてみたい
ですね。
2011/06/10(金) 12:10 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
暫く前に亡くなった秋葉原の名物オヤジは300Bより50派でした。南米の廃業した映画館からストック用のNLやRCAの50を集めたなんて嘘か本当か分らない話をしていました。300Bと聞き比べもさせてもらいました。別のアンプでならす真空管をどちらが良いか問うのも間抜けですが、300Bより50、私もそう感じました。DA30を聞かせてもらった時にも300Bばかりじゃない、この世には良い真空管がある物だと思いました。50、楽しみですね。
御免なさい。250ですね。一緒にしたら失礼ですね。
kawaさん、こんにちは。
AKBの名物オヤジさん、
もしかしたら、一階の左の一番奥、シャッターが半分しか閉まらないお店のオヤジさんですか?
僕の想像と同一人物だとしたら、あんな方が居なくなると、社会全体の球のアンプを使う意味合い
が変わってしまうだろうな、と思います。(もし、別の方でもお話から同じ思いだと感じます)
「おニイチャン、音の良いアンプが欲しいなら、球なんかおよしよ」って僕も言ってみたーい。
「真空管アンプは最高だよ!」と言っていた販売店さんよりもずっと信頼できました。
自分の過去では45ppが忘れられなく、50はとても楽しみです。
AKBの名物オヤジさん、
もしかしたら、一階の左の一番奥、シャッターが半分しか閉まらないお店のオヤジさんですか?
僕の想像と同一人物だとしたら、あんな方が居なくなると、社会全体の球のアンプを使う意味合い
が変わってしまうだろうな、と思います。(もし、別の方でもお話から同じ思いだと感じます)
「おニイチャン、音の良いアンプが欲しいなら、球なんかおよしよ」って僕も言ってみたーい。
「真空管アンプは最高だよ!」と言っていた販売店さんよりもずっと信頼できました。
自分の過去では45ppが忘れられなく、50はとても楽しみです。
2011/06/12(日) 13:38 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
いやいや、電気的に同じならいいんじゃないですか。
・・・こうゆう発言見つかるとマニアの人に怒られるのだろうなあ。
どちらも良い球だと思いますよ \_(^◇^)_/ って遅いか!
・・・こうゆう発言見つかるとマニアの人に怒られるのだろうなあ。
どちらも良い球だと思いますよ \_(^◇^)_/ って遅いか!
2011/06/12(日) 13:52 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
ハハハ、真空管にまつわる胡散臭い世界、古い真空管だけが最高だなんて陶酔しきって言われると困る事も有りますよね。
あそこのおじさんとは別でした。でも気持ちは汲んで頂けたかなと。
あそこのおじさんとは別でした。でも気持ちは汲んで頂けたかなと。
kawaさん、こんにちは
時代の要求によって趣味の形が変わるのは当然でしょうが
メッシュや刻印じゃなきゃ球じゃない!とこだわる気持ちにもなれませんし。
真空管もディバイスの一種だから使い方次第でどうにでもできる
なんて、割り切ることもできません。
きっと、戦後の球を現役でいくらでも買えた時代に育った世代の感覚なのでしょうね。
時代の要求によって趣味の形が変わるのは当然でしょうが
メッシュや刻印じゃなきゃ球じゃない!とこだわる気持ちにもなれませんし。
真空管もディバイスの一種だから使い方次第でどうにでもできる
なんて、割り切ることもできません。
きっと、戦後の球を現役でいくらでも買えた時代に育った世代の感覚なのでしょうね。
2011/06/19(日) 15:57 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
迷信と妄信と狂信の彼方に光る黄金色の錯覚と どMとの自覚のはてにわずかに感じるそよ風とは同じものでしょうか。私はまだそよ風にはお目に掛かれていませんが、そよ風の喩えには共感します。周波数帯域やSN比では説明しにくい素敵な世界をチョットだけのぞいた事が有ります。(勘違いかも知れません。)
kawaさん、こんにちは。
アンプや真空管単体で見ると、如何にも非力で頼りないそよ風の
如くではありますが。
私たちには莫大な効率を誇るスピーカーがありますから、そこから
たたき出される音は暴風圏の真ん中でも何処でも自由自在なのでしょう。
そんな物凄くビバレッジの効いたアンプとスピーカーの関係が
大好きなのです。
アンプや真空管単体で見ると、如何にも非力で頼りないそよ風の
如くではありますが。
私たちには莫大な効率を誇るスピーカーがありますから、そこから
たたき出される音は暴風圏の真ん中でも何処でも自由自在なのでしょう。
そんな物凄くビバレッジの効いたアンプとスピーカーの関係が
大好きなのです。
2011/06/21(火) 15:31 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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