良い音と出会った話 その1

なんとなーーくだけれど、購入するレコードのレーベルが偏ってしまう。という現象はレコード好きの人にはご理解頂ける方も多いのではないかと思う。
もちろん自分の興味の中心にあるレーベルのラインナップや演奏家の所属するレーベルに力が入るのは当たり前だとこれは納得できるが、反対に主だった理由も無く「なんとはなしに」疎遠になるレーベルが有ると言う意味でだ。



自分の場合に限って言うと、まさにPhilipsのレコードが疎遠に当る筆頭レーベルになる。

LPレコードの末期には「音の良いレーベル」として各オーディオ雑誌で取り上げられたり評論家の方やメーカーがイベントで取り上げる事の多い、最高評価のレーベルであったように思う。

本来はオーディオ好きの末席を汚す身だから僕もPhilipsを沢山聞いていても良さそうな筈だが、そうはならなかった。
思い返してみると雑誌でも頻繁に紹介された「コンドラシンのシェエラザード」を期待に胸を膨らませて買ったことがある。

曲の好き好きも当然あるし、期待が大きすぎたのがいけないのかも知れないが、その後Philipsのレコードはほぼ買っていないと思う。
ほんの一部の例外はクナのパルジファルとベームとサバリッシュの同じバイロイトだがこれはPhilipsというレーベルを買ったというよりはバイロイトの記録を買ったらたまたまPhilipsだった。という意味合いになる。





そして時は流れ・・・・・数年前のこと

昔からどうしても欲しかったレコードをやっと縁ができて購入する事が出来た。
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Bach の無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 3枚で一組 A・グリュミョー
これはプラムレーベルでオリジナルと聞いていたけれど、Hi-Fi STEREOあるのでしょうか?ご存知の方見えたら教えて下さい。

先日、改めてこのレコードを聴き直して、新しい「良い音」の基準を発見したような気がした。
バカでしょう~!? 50年近く前にリリースされたレコードで今更気付くんですから。

何と言うか、これはオーディオで再生するヴァイオリンの音ではない。
じゃあ、生ソックリかって? 僕はそんな台詞を吐くほど若くは無い。

一言で、SP時代から脈々と続いている「欧州人が考えるヴァイオリンの音」と聴こえた。
くすんでいる。というのか?燻し銀なんていうのか。おお、燻しとくすんでいるってのは元は一緒か。

兎に角、Hi-Fiとか分解能とか周波数帯域とかとは、全く逆行する欧州人のDNAに入り込んでいる潜在意識のようなヴァイオリンの音であった。
もちろん、イチコロで参ってしまって手持ちのPilips録音(本当に僅かだけれど)を聴きなおしてみた。

その中で以前に紹介した「イ・ムジチ」のブリテン他を入れた一枚も、全く同じDNAを感じてほとほと感心してしまった。

流石にPhilipsほどのメジャーともなると多少の年代の差や収録場所、演奏家を越えて一本筋の通ったサウンドポリシーを具現化するだけの物を持ち合わせているのだと。
(その後、コリン・ディビス/コンセルトへボウの幻想を聴いて一層感慨を深めた)



では、最後にPhilipsを纏めて聴くきっかけとなった訳を記して置こう。

上の無伴奏はステレオ盤で揃えるのに結構な大枚を叩いて買った。そうすると聴くのも惜しくなって中々手が伸びない。
それでは、折角の銘演奏も宝の持ち腐れだ!
そこで、多少でもお安いモノラル盤を日常使いの予備役としてもう1枚求めてみた。
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もとよりヴァイオリン一丁だからモノラルでもたいして違わないだろう。
その程度の気持ちで聴いてみてこれは心底参った。

楽器の発するエネルギーは当然のことだが、弓が弦に触れる瞬間のノイズまでも、モノラル盤はオーディオ的にも遥かに強烈な印象を与えてくれた。
注)このときは面倒臭かったので、ステレオ用のNeumann-DSTとステレオRIAA-EQを使ったから針の違いは無い。


レーベルにしても、モノラル盤にしても世間の評価だけでは分からないものだ。

食わず嫌いを一つ外せたら、自分の好きな音に出会ったというお話し。






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コメント
いつもメンバー三人で、横須賀のオーディオ博物館に行って来ました。高名な「趣味の嶽道」と言うプログの方です。15組みにも及ぶ2億円をはるかに越える装置の音は、どれもこれも魅力的な音を奏で、その努力と情熱に感動しました。二階と三階の各部屋に、系列的に装置を並べ、それぞれの装置の組み合わせを思考し、M氏のトーンとも言うべき音に仕上げられていました。ただ、ただ、感動しました。オーディオに頂点などなく、それぞれの頂きが続く山脈があるのだと実感しました。すごい経験となりました。そして、少し長い放心状態が続くと思います。だだ、一人Mさんだけ帰りの新幹線でも元気でした。二人は、衝撃で沈黙でした。
今回のことで、自分は、JBLの音が好きなのだと自覚しました。また、新たなるオーデイオが始まりそうな予感があります。どんなモノなのかは、まだ、見えてきませんが、すばらしい体験でした。潮風が目に染みる横須賀の街でした。軍船が朝日をあびる港を見ました。
それでは、また。
2012/05/29(火) 23:19 | URL | momomo #-[ 編集]
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