ヴィンテージ・オーディオの醍醐味 完結編

さて、Westrexのトランジスタ・アンプはどうやら正しい道を歩み出したようで、ようやく音楽を語り始めた。

当初は部品の耐圧を気にしながら(これも今から考えると20v程度なので「高圧」ってこともなかった)自分が起きている昼間だけ通電していた、
この頃の音の印象は「ややうるさい」気がしたが、実際に組み合わせるスピーカーの性格が分からないので今出ている音なんでのは完璧スルー。

その後信頼を勝ち得てから昼夜を問わず通電したところ、3日くらいで活き活きとした表情に変わった。
これで本当の「やれやれ」である。

PICT1462.jpg
ちょっと見え難いが、2700μFが3本と1500μFが1本。現代の常識からすると大して大容量ではないのだろうが。



実は、このアンプのメンテの途中で、人さまの手に渡るかも?と言う話が持ち上がった事がある。

600Ωのプリアウトを持つ前段をたまたま入手したがそれを受けるパワーアンプが無く。
1970年代のスピーカーを使っているが十全に鳴らしきるアンプも模索すべき条件が重なって、こうした2つの要素に合致するアンプとしてこのWestrexのアンプがジャスト・フィットする事は疑問の余地無く確信できた。

このカップリングは結局まとまらずに終わったが、2セットとも手元に残すというオーナーの判断には大賛成だけれど再生音の面だけで考えれば惜しい別れだったと思っている。


でも・・・
このアンプを手にして普通に8Ωや15Ωのスピーカーを繋いだ時点での音の悪さを耳にしただけなら、どれ程の人がこれを使い続けようと思うだろうか?

気の強い人なら「音が悪い」と言って付き返すだろうし(それなら幾らでもやり様があるが)、気の弱い人なら我慢して手元に残しても、結局使わずにほとぼりの冷めたころ「ヤフオク」に出してしまうかもしれない。
そうして一人歩きを始めたアンプは今後二度と正しい使われ方をすることなく多くの人の手を渡り歩いて「名前だけ立派でも音は最低」だとか「やっぱりトランジスタはゴミ」といったトンチンカンな評価を身に付けて消えていくという顛末を迎えただろう。
世の中にはそうした運命を辿って破棄されたヴィンテージ機器が星の数ほどあると思う。


現行の民生機であればこんな心配もなく、どの組み合わせで、どんな使い方をしても一定の成果を発揮できるように作られている。
しかし、ヴィンテージ、加えて業務用途の機械は正しい使い方を発見できなければ悲惨な結果が待っている。
それでも本当のホンモノは条件さえ揃えば他の追随を許さぬ突き抜けたポテンシャルを発揮することもまた、紛れも無い事実だと思う。

その失敗の危うさと、成功時に得る物の偉大さこそが「ヴィンテージ・オーディオの醍醐味」だと僕は思うのです。

いつも試聴をしてモノを買ったことが無い。と書いていますがヴィンテージオーディオでは上記の通りメンテナンス前の音なんてのは全く摂るに足らないものですし、その機械のポテンシャルが大きければ大きいほど引き出すのに何年も掛かるのが当然だと思っているからです。

1kHz.jpg
基準の1kHz。これだけ見ても素直さは充分伝わると思う。正に「Westrex」なんですね。新しくても。


10kHz.jpg
10kHz これをどう見るか?トランス入りなので少しナマルことは確か。しかしトランス無しの音は・・・



さて、こうして結果的には大団円をむかえることになったのだが、一つ想定外の大きな問題を個人的に抱え込んでしまった。

試運転の為に使っている日本Victor製の10cmくらいのフルレンジから出てくる音が「とんでもなく」魅力的なのだ。
まさに現代のレンジとレスポンスを見せており、Europaで幾ら「広帯域」を力んでも全く別世界の魅力がある。

どうしよう!!
小さくても良いから新しい時代のスピーカーが欲しくなってしまった。

ぐぐったり、ヤフッたりする日々を過ごしています。



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