QUAD ESL 雄弁なジョンブル

ESL-57ともう一週間ほど付き合ってみて、前記事の世評と異なる見解に引き続き今回は「やっぱりそうか」という項目について書いていこう。

世評通りだったこと その1

たぶん、だけれど使い方は難しいと言うのか、要素の変化に過敏な為に自分をしっかり持って取り組まなければふんわりとした音の印象に終始してしまうかも知れない。

先年惜しまれつつ夭逝された評論家の浅沼予史宏先生は編集子時代にこのESL-57をお使いになっていた時期があり、その当時のことを後年振り返って

「ESLを使うという事は、まるでMr.ピーター・ウォーカーとチェスをしているようだった」という名言と共に語られたそうだ。

こうしたら・・・そうくるか・・・おっとこう来やがったな・・・これでどうだ!


ちょっと使っただけなので決して偉そうなことは言えないが、けだし名言だと思う。

現在はマニュアルに沿って一辺2.5mの正三角形の一方の頂点に自分を置き、後の壁からは4mほど離している。(途中にEuropaあり)
そんな「フリースタンディング」丸出しの設置環境なのに1cmの前後で驚異的に印象が変わる。

詳細は後述するが、波形の特質で指向性が悪いので設置角度のわずかなズレが再生音の品位にダイレクトに悪影響を及ぼす。

また、スピーカー自体では響きが少ない(箱無いし)のは当然として、少しでも室内全体に響を行渡らせようと思ってちょっと上げてみたらテキメンに豊かに唄いだした。もう少し何とか成るかな?
PICT1648.jpg

世評通りだったこと、その2

ブレナー型スピーカーはそよそよとスピーカーの奥深くに音像が定位して・・・云々かんぬん・・・まあ、こんなイメージだろうか。
しかし、昔からESL-57は音が前に出るよ!と言われていた。>>これは、全くその通り!!

一説には平面フィルムから放出される音波は「平面波」であり、これは奥行きを表現し難い(出来ない?)んだそうだ。
QUADもその点は気にかけていたようで次期作のESL-63からはなんだか難しいディレイ回路を入れて電気的に球面波を作り出すことに腐心した跡が伺える。

これまでの記事の通り、奥行きを表現する事に狂信的?に取組んできた僕としては、知識はあったけれどさすがにこんな近くでステージを感じる事は稀なので大層面食らった。

こんな性格も、器楽曲や室内楽に向いているという世評の根拠かもしれない。
確かにチェンバロの軽々しく発音する様や、ヴォーカルの唇の内側までの湿度を感じるような表情は評判通りだった。

一方、演者が多く音の重なりが複雑で、かつ発音エリアの広大なオペラは苦手なのではと思っていたが・・・
Europaでは楽しく再生できなかった名演が実によく聴こえる。
PICT1649.jpg
我らがチュートン期待のティーレマンが2009年のバイロイトで振ったリング。
たしかにステージまでの距離は近い事は近いんだけど会場のほの暗さ、ステージ上の明るさの対比までも感じられるよう。

大好きな「ジークフリート」のDisc4まで来た。スピーカーの個性が増えることで愛聴盤が増えたなあ。
ありがいことだ。




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コメント
ESL いいですね。スタックスのヘッドフォン、持っていましたが、押し入れの奥に入ってしまつて、今は、見つかりません。ESLは、リビング・ベルの西沢さんの所に、ありました。ジャズには、向かない感じでしたが、室内楽には、良い感じの記憶が、あります。
この所、とても涼しいので、真夜中に、レコード、聞いています。小音量では、ヴィオリン、ピアノソロが、いいです。
WEのパワーアンプ 欲しいですが、とても高額すぎて、買えません。球は、用意できましたが、(WE350B 6L6 4本)本体は、遠い先となりそうです。WE141アンプにRIAAを組み込んだプリアンプ、作って貰っていますが、今年中に出来上がるか、わかりません。もう、半年経ちました。618は、レプリカトランスです。アウトはね何になるか、わかりません。6SN7 6J7 は、WEでは、ありません。本当は、WE348を使用したいのですが、これも、また、とても高額なので、後になりた。
115V 210mA×4 の電源を自作しようと思いましたが、真空管整流は、難しそうです。電源トランスも手ごろな物が、見つかりません。特注になりそうです。
RCAの2ウェイオリジナルネットワーク入手しました。500Ω入力です。マッチングトランス各2個です。当分、使用の予定ありません。
それでは、また。
2012/10/05(金) 03:08 | URL | momomo #-[ 編集]
momomoさんおはようございます。

ESLには噂はたくさんありますが、使ってみてなるほどと思うことはあまりなかった
ですね。
Jazz(っぽいもの)がCDで少しあります、はEuropaではカーネギーホールで聞く
ようでまったく「っぽく」ありません。
その点ESLは音が前に出ていい感じです。(いわゆる程度問題ですが・・・)

お話を伺っていると、イスタンブールから上海へ向かうシルクロード商人の旅立ち
のようです。
まあ、何につけてもスタートはありますから。踏み出す勇気に感服いたします。
疲れたらまたお立ち寄りください。
2012/10/05(金) 09:13 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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