AD-1pp シャーシと部品の発掘?
過去に、ドイツの工業界は成熟しており、ある部品がディスコンになってもきちんと互換が保たれた後継機が用意されていることも多い。という記事を書いた。(まあ、逆の意味ではブレイクスルーが少なく、製品にイノベーションが少ないのは確かだけれど、目新しさを追いかけて頻繁に使い捨てる社会構造とどちらが本当のユーザーベネフィットだろうか?と思うことも多い・・・職業病的な話で失礼)
代表的な例では、
ライカ(Leica)カメラなどで、今日買ってきたデジタル式のボディに80年前のスクリュー・レンズが何食わぬ顔で使えるといった具合だ。
長いあいだ気になっていたのだが、戦争直後の主力出力管は「EL-12(ヒーター6.3v)」なのだけれどこれは戦前開発の「AL-4(ヒーター4v)」の進化系と言えるように思える。
そして、この「AL-4」は戦前の主力である三極管の「AD-1」の代替えと言って差し支えないほどこちらも動作条件が近しい。
(ヒーターが4vでソケットがサイドコンタクト。+Bと推奨負荷が同一、外見までそっくりだ)
後継機の球が先代のシャーシや部品のまま差し替え可能なら
その逆・・・つまり時代を遡って古い球を新しいアンプに差し替えも可能じゃないかとずっと考えていた。
今回AD-1が使えるのでは?とその候補に上げたのが、僕が初めて手にしたKlangfilm製のアンプ「KL-V401(1949年製造)」だ。

「EL-12」のPPで出力トランスはA-A間4.5k。AD-1のA級時の負荷が2.3kだからPPでピッタリ
電源トランスは320vX2のタップが有りこれは295vのAD-1にはちょい高いようだが、実はオリジナルのTelefunken製AD-1アンプでも320vのトランスを使い、75Ωのドロッパー抵抗で調整しているのでこれも同じ流れを汲んでいるようだ。
さすが規格統一に厳しいドイツ製だ。助かる。(ちなみに日本のトランスも260-280-320vと言う伝統的な系列を踏襲している。抵抗の値が240kとか470kとか歯切れの悪い数字なのに似ている)
さて、いよいよ最大の問題であるヒーター4vをどうやって取るか!になる。
ここでも、上で立てた仮説を裏付けるような見事な解決策が用意されていた。

数年前のメンテ前のバッチイ写真で恐縮だが
ここに3個並んだトランスの左端はチョークコイル、右端が上で述べた320vの高圧電源トランスだ。
そして、今回のハイライトと言えるのが真ん中のやつで、独立したヒータートランスである。昭和24年の同じ敗戦国の製造だというのに随分と金の掛かった機械じゃわい。
さっそくタップの電圧を調べてみたところ・・・
6.3vCTが2系統
そしてなんと 4vが3系統ある!!
このアンプは整流管(RGN-2504)以外は全て6.3v管なのに何故こんなにも沢山の4vタップがあったのだろうか。
異なるソケットを付け替えできる沢山のネジ穴や、トッププレートのキャップを出すための穴が空いている事を見てもある程度の汎用性を持たせたシャーシであり、少数注文生産だったであろう1949年という時代の事情を反映しているに違いあるまい。
結局、そうした時代の後押しもあって 2本の出力管は独立したバイアス回路を与えることができた。
もう一つの4vは当然整流管に使う。
そうなると、エキサイターは6.3v管で決まりだ。実にすっきりした気分で次へ進める。
代表的な例では、
ライカ(Leica)カメラなどで、今日買ってきたデジタル式のボディに80年前のスクリュー・レンズが何食わぬ顔で使えるといった具合だ。
長いあいだ気になっていたのだが、戦争直後の主力出力管は「EL-12(ヒーター6.3v)」なのだけれどこれは戦前開発の「AL-4(ヒーター4v)」の進化系と言えるように思える。
そして、この「AL-4」は戦前の主力である三極管の「AD-1」の代替えと言って差し支えないほどこちらも動作条件が近しい。
(ヒーターが4vでソケットがサイドコンタクト。+Bと推奨負荷が同一、外見までそっくりだ)
後継機の球が先代のシャーシや部品のまま差し替え可能なら
その逆・・・つまり時代を遡って古い球を新しいアンプに差し替えも可能じゃないかとずっと考えていた。
今回AD-1が使えるのでは?とその候補に上げたのが、僕が初めて手にしたKlangfilm製のアンプ「KL-V401(1949年製造)」だ。

「EL-12」のPPで出力トランスはA-A間4.5k。AD-1のA級時の負荷が2.3kだからPPでピッタリ

電源トランスは320vX2のタップが有りこれは295vのAD-1にはちょい高いようだが、実はオリジナルのTelefunken製AD-1アンプでも320vのトランスを使い、75Ωのドロッパー抵抗で調整しているのでこれも同じ流れを汲んでいるようだ。
さすが規格統一に厳しいドイツ製だ。助かる。(ちなみに日本のトランスも260-280-320vと言う伝統的な系列を踏襲している。抵抗の値が240kとか470kとか歯切れの悪い数字なのに似ている)
さて、いよいよ最大の問題であるヒーター4vをどうやって取るか!になる。
ここでも、上で立てた仮説を裏付けるような見事な解決策が用意されていた。

数年前のメンテ前のバッチイ写真で恐縮だが
ここに3個並んだトランスの左端はチョークコイル、右端が上で述べた320vの高圧電源トランスだ。
そして、今回のハイライトと言えるのが真ん中のやつで、独立したヒータートランスである。昭和24年の同じ敗戦国の製造だというのに随分と金の掛かった機械じゃわい。
さっそくタップの電圧を調べてみたところ・・・
6.3vCTが2系統
そしてなんと 4vが3系統ある!!
このアンプは整流管(RGN-2504)以外は全て6.3v管なのに何故こんなにも沢山の4vタップがあったのだろうか。
異なるソケットを付け替えできる沢山のネジ穴や、トッププレートのキャップを出すための穴が空いている事を見てもある程度の汎用性を持たせたシャーシであり、少数注文生産だったであろう1949年という時代の事情を反映しているに違いあるまい。
結局、そうした時代の後押しもあって 2本の出力管は独立したバイアス回路を与えることができた。
もう一つの4vは当然整流管に使う。
そうなると、エキサイターは6.3v管で決まりだ。実にすっきりした気分で次へ進める。
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