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不思議な縁と幸運と  直熱三極管 AD-1

もう、15年以上前の話ですが。
ある地方都市の電気屋さんへ仕事で伺ったときのことです。
店の片隅に社長さん手作りの真空管アンプが埃をかぶって置いてありました。見たことのない特徴的な形の出力管で、ソケットも噂に聞くだけの「サイドコンタクト」管です。私もオーディオ好きなんですう、などと話していると、この球はドイツ製の「AD-1」といい直熱3極管とのこと。
 「もう使わないからよかったら買わない?」
心臓と頭はドキドキですが、ここで慌ててはいけません!「おいくら?」と冷静に聞きました。
 実はアンプに実装されていた以外にも新品のストックを合わせて5本あるが、「明日ゴルフがあるのでそのプレー代くらいになれば・・・」

おおー!!この世の中には間違いなく神はいる。我々不遇な者にも喜びの瞬間はあるのだ。
今の相場で考えると1本分で5本を譲って頂いたようなものです。
この時の球は、RSDブランドの電極がライトグレーの物でバルボ辺りの製造でしょうか。
その後、Telefunkenの推奨回路でシングルアンプを作りました。今でも時々鳴らしています。

次は数年前のことです、清水の舞台から飛び降りる心算でスピーカーを買い換えたのは良かったのですが、Klangfilmの資料によるとそれぞれのスピーカーには専用のアンプが用意されているとあるではないですか。以来その専用アンプのことが頭から離れない日々が続きました。

しかし、ことAD-1については神はまだ傍にいてくれたようです。1年も経たないうちに1台、そして1台と手に入れることができました。そのアンプの出力管こそが「kl 72406」
そうです、Telefunkenが業務用に仕様変更してKlangfilmに納品していたAD-1だったのです。

DSC00417.jpg

写真は左がValvo製のUFソケットのものと元箱。
右がKlangfilmのkl72406と元箱。箱のプリントには小さく「TELEFUNKEN」の文字があります。
下が最初に譲られたRSDマークのもの。

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コメント
クラングフィルム仕様のAD-1なんてあるんですね。すごいなぁ~。
2008/12/24(水) 03:54 | URL | kawa #EnGitwzo[ 編集]
ものを知らず、大変恥ずかしいのですが、AD-1にはサイドコンタクトと普通のソケット版と二通りあったということでしょうか。
2008/12/24(水) 04:07 | URL | kawa #EnGitwzo[ 編集]
kawa様
ようこそおいで下さいました。早速のコメントありがとうございます。
確かAD-1はフィリップスの設計かと記憶していますが、使いやすい規模(250Vで4W取りだせる)だったようで各社様々な形状の物が生産されていました。
途中からAB級プッシュプル用に規格を上げた物がklangfilmに納入されたようです。Valvoの物は後年のKlangfilm代替という説もありますが、文献では未確認です。
P.S
Linkをさせて頂きました。よろしかったでしょうか。
2008/12/24(水) 12:49 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
矢継ぎ早のエントリー、感心しています。
早速リンクさせて頂きました。
2008/12/28(日) 16:48 | URL | kawa #-[ 編集]
kawa様

ありがとうございます。

休みに入りまして、少し根を詰めてしまいました。まだまだスカスカの内容なので、時間の取れるときにがんばってみます。
2008/12/29(月) 12:10 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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