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いつもより余計に廻しております。

Garrard 301の技術的ハイライトの一つである、回転軸をセルフ・センタリングさせる為の軸受け(メインプラッター用)がこちらの「ストラトパッド」と呼ばれる部品です。

これは現在整備中の軸にあった部品で、右端の金属ボタンのようなものが軸を受けているのですが、ほとんど摩耗の跡が有りません。使用時間が少なかったんでしょうね。

PICT2523.jpg

真ん中の樹脂製のパーツは中心部がお椀のように凹んでいます。

一方、右端の真鍮製のパーツの裏側が上記の凹に合わせた凸形状なっています。
写真に見えている平らな面にメイン・シャフトの底部が乗り、加重が掛かるとともに回転力が働くと、回転するコマが自立できるように部材同士で回転中心を作り出すことができます。



一方、過去にメンテナンスをご依頼された個体の中には、オイル切れのままある期間を廻していた形跡が見られ、すると重いプラッターの重量を直径数ミリの金属で擦り合せて回転していますから、どうしても削れる可能性があります。

これは何年か前に整備した時に、シャフトを取り出したところを写真に撮ったものです。
PICT1663.jpg

シャフトとストラトパッドの関係です。
この個体はパッド付近にわずかオイルが残っていました。命の一滴でしたね。
しかし、シャフトの上部はドライ状態で廻っていたようで幾重にも筋が付いています。シャフト自体は硬質なので傷までは付きにくいのですが、ドライのまま長時間廻し続けると加熱→膨張→柔らかくなる→傷になるの過程が待っています。

PICT1664.jpg

回転方向に溝が付いてしまったものです。
Garrardのノイズの原因の約半分はこの状態に寄るものではないでしょうか。1枚目の写真のパッドと比較して見て下さい。


さて作業はいたって順調に進み、電源レバーや速度切り替え機構の分解整備・グリスアップも完了しました。

PICT2515.jpg

頼まれ仕事の時は、金額が嵩むので特別な必要やご要望の無い限りはゴム製品までは交換しないのですが今回は自分用のつもりなのでゴムのインシュレーターやスプリング・パーツを出来るだけ交換しました。

こうした部品は回転するモーターの振動を遮断する目的の物もありますから、部材そのものの弾性性能に寄る所が大です。
ですから、本来は定期的に交換するべき部品ですね、決して高価ではありませんし。
最終的に高S/Nのプレーヤーを組む為には是非共手をつけたい箇所ではあるんですが・・・


最後に今日の教訓です!(笑)

昨年、Garrardのこのような交換部品について依頼主とお話ししていた時の事です。

上記した通り、ゴムの部品や軸受けパッドを交換しますから◯◯円ほどのお金になりますけれど、お願いします。と申し上げました。

するとその方は、Garrardだから要るのか?お前のEMTなら業務用だから強いから必要ないのか?と聞きました。

私は、いいえ、EMTも毎年メンテナンスをして、2個のベアリング・ボールは無条件に交換していますよ。と答えます。

するとその方は、こんなことを言い出したのです。

パットにしても、ボールにしても、柔らかい材質で作るからいけないんじゃないのか?
それは設計ミスだろ!
最初から材料の選定を間違えなければ、そんなに頻繁に交換の必要もなくコストも掛からないじゃないか!



自分が当たり前だと考えていた事に対し、真っ向から矛盾する意見を目の当たりにした時に、どう反応したかは記憶にありませんが・・・こう答えるしかありません。

交換部品が、クロム鋼や真鍮と言った比較的柔らかい材質なのは何故か?
答えは明確です。

金属同士を擦り合せて動く箇所は、黙っていても少しずつ削れます。まして、あなたのように何年もオイルを足さない人がいた場合、相当量削れる事もあります。

削れる事を前提に設計するならば、片方を削れ易い材質にしておく事は、何を守って、何を犠牲にして交換するかを私たちは選択しマネジメントすることができます。
つまり、パッドやボールといった交換し易い小物部品を削るように設計する事で、交換するにしても2000円とかせいぜい数千円という低コストでしかも特別な調整も無いから修理工場まで送る手間も時間も無く、素人が家庭でも簡単に交換する事が出来る恩恵を受けられます。

しかし、もし、軸受け側(パッドやボール)に、軸本体より硬い部品を使うと本体の方が削れてしまいます。
そうなると、EMTなら数十万の出費になり、またGarrardならその度に買い替えになります。

変な言い方ですが、交換部品というのは自分の身を削って人柱になることで、主要な構造部品の摩耗を防ぎ、多大な損失を回避してくれているんですよ。

これは私見ですが、硬いもの同士の軸受けよりも、S/Nや音質で有利かなあ?とも思います。この際は関係ないですが



これは機械屋ならば、改めて考えたことすらない普通の事ではないでしょうか?

もし、アスファルトより硬質な自動車タイヤの方が運動性能がいい!なんて新説がでてタイヤメーカーがみんなそっちに振られたら・・・恐ろしいでしょ?
ま、そんなことになったらタイヤが減らない=全く売れなくなるのでメーカーはそんなバカなことはしないですけれどね。

真夏の怖い話し でした。





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