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中口径 ドイツ古典コーン型フルレンジの魅力

最近では少し静かになったかも知れませんが、ここ10年程はドイツの古いコーン型スピーカーがブームの様に市場を賑わせていましたね。

フィックスドエッジの硬いコーン紙に、強いダンパー+強力なアルニコマグネットを搭載した精悍な面構えは、オーディオマニアの心をくすぐるに十分な存在感だったと思います。
また、こうしたスペックを鑑みるととても安価に感じたし、東西ドイツの大小メーカー(本当に作っているのは少数だろうけれど)で様々な種類を製造したので、宝探しの様な楽しみもあったのかと思います。


まあ、ベテランの(腕の逹つ)方なら、こうした特徴を列挙すると「こりゃ一上手く鳴らすのにはひと筋縄じゃいかねえな」と想像できると思うのですが、あちこちで見かけるこれらの評価は「音楽的だ」「スピードが速い(なんのこっちゃ?)」「なんだかすごく良い音」と絶賛の嵐でした。本当にそれほどのクオリティを発揮していたのでしょうか。

一時期、たしかに色々な場所で見聞きする機会が多くありました。
ただし、自分が持った印象は必ずしもポジティブな物ではなくどちらかというと「どこが魅力なのだろう?」と懐疑的なイメージしかありませんでした。
自分の中では紙臭い音がする。とかカピカピのハイ上がりなエキセントリックな音という感想に終始していたのです。

とまあ、ここまでは自分の体験した範囲の勝手な感想だから許して下さい。オレんちはそんな事ないぞ!素晴らしい音している。と思われる方はその通りです。今日は、そんな気付きのお話しなのです。




今年もゴールデンウィークには毎年恒例で名古屋から(主に山菜目的でー笑)お客様が尋ねて下さいました。

車を付けてから直ぐに家に入らず、なにやらゴソゴソしています。「どーした?」と出てみると大きな箱を抱えているじゃありませんか。

「この家にESLは似合わないから」

といって、ドイツはGRUNDIGのスピーカーシステムを運び入れました。

PICT2937.jpg

第二期バウハウスなのか、北欧ミッドセンチュリー調なのか、とってもレトロで雰囲気のある形ですね。

では、ますどんなユニットが入っているか、中を見てみましょう。
PICT2924.jpg

低域は22cmの板穴ですから、25cmウーハーですね。
高域は15cmx10cmの楕円型コーンユニットでいずれもアルニコマグネットです。

ネットワークも勿論純正。コンデンサーも全く抜けていないのはドイツ製品のいつものウルトラクオリティはそのまま。
バッフルと背面板をグランド結合させる魂柱があるのにはいささか衝撃でした、電蓄クラスのスピーカーのはずなのですから。
四角い箱を作ってポン付け的な同時期の日本製スピーカーの常識を当てはめて想像していたからです。

さらに感心なことにウーハーには「パンツ」が履かされていて、躾がなっていますね(笑)
しかし、通常パンツはプレーンバッフルや後面解放箱に付けられた業務用スピーカーが長年の設置に際して、ホコリの混入による不良防止のために使われるのだと思っていました。

それが、このような民生機のしかも密閉に近いキャビネットに内蔵されているのに「なんでだろう〜♫」と不思議に思えたんですね。




早速、小型スピーカーを試聴する定位置にセットし音を聴いてみました。
普段ESLを聴いている
EMT-981  →  Zeiss Ikon Dominal-L
 

PICT2930.jpg

う〜ん・・・やはり、これまでのイメージを覆すような音ではないなあ。

高音が勝っていて、輝きがあるを通り越して「五月蝿い」に踏み入れた感じ。パッキパキに薄っぺらな表現で、正直言って10分で心が折れそうになったんです。

でも、持って来てくれた本人の顔色を伺うとそうでもないんです。多分ねそちらのお宅でも同じ様な音だったんだと思います。そりゃそうですよね。

でも、僕の中には一筋の光は見えていたんですよ。
ネットワークが上手い感じで動作できているのか、コーン紙に負担がかかっていないのでしょう、大っ嫌いな紙臭い音がほとんど聞こえないんです。

これは・・・もしかすると、もしかするかもしれないなあ。
そんなことを思っていた連休の午後でした。

ここからは、疾風怒濤の後編につづく!





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