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「フラット」という名の音の個性 (笑)

ひと昔前のことです
当時、ケーブルの交換や真空管を取り替えて楽しんでいた知人(そんなことをする必要の全くない素晴らしい装置を揃えていたが、着せ替え遊びに飽きて現在はオーディオ休火山)から中部地区のとあるショップが運営するHPを紹介された

「プロケーブル」と書けば知っている人も多いだろう
思い込みの激しい文章で世間を騒がせていたらしいが、僕が知ったのは騒動が少し収まった頃だったろうか

HP自体は、同じことを何度も繰り返しているだけなので断片を読んだらもうゲップが出てやめたけれど、一つのワードに大変に心惹かれた

それはおそらく、こんな感じで使われていた

店「◯Xのケーブルを使うと、フラットな音を実現できます」 とか

客「おたくの◯Xケーブルを使ったら、フラットな音になりました、ありがとうございました!!」

てな感じ


ここのお客さんは比較的若い人が多いらしく、幾つかの関係するブログやHPがあったのでそちらも確認してみると
やはり「フラット」の大合唱じゃないか
素直な僕は

すごいなー「プロケーブル」の関係者諸氏は測定器を駆使してフラット・レスポンスを獲得されているんだなあ(憧れ)皆さんレベルが高いなあ、と

ちょと考えてみれば突っ込み所満載なのですが、その当時は本当にそうなのか?と思っていましたよ


しかし、店のHPを見てもお客さんの書き込みを見てもどこにも測定の「そ」の字もでてこない
それに、使っている機器や部屋の様子が映っている写真を見ても「フラット・レスポンス」の音が出ているようには到底思えない

不思議に思ったのでそれまで斜め読みしていたのを、内容を咀嚼しながら読んでみた
そうしたら、一つの重大な事実に到達してしまったのだ


ストラ邸_convert_20160213132413

このグラフは本文とは関係ありません、Yさん宅の実測値 勝手に出してごめんなさいね




彼らは、オーディオで音楽(まあ音ですね)を聞いた感想の新しいボキャブラリーの一つとして

「フラットに聞こえる音」という new wordを開発していたのですね(きっと、想像です。質問したのではない)

・音数が多い音
・音楽性のある音
・スピードが速い音
・生々しい音

云々カンヌン

そして、期待の新人登場!
・フラットな音

上の先輩ワードたちと同じように、オーディオを通じて聞いた音の感想を第三者と交流するためのコニュニケーション・ツールとしての「形容詞」だったのです

F特性をフラットにした時の音なんかでなく、音の特徴の一つ、つまり音のカラーの表現ですね、無色も色の一つだというような哲学的な深遠な意味を含むかもしれません・・・ よくわかりませんがきっと違うと思います、その証拠にプロケーブル・グループの一員でなかった私には「フラットな音」のテイストが全く想像もつきません・・・のでコミュニケーション・ツールとしての汎用性、普遍性はありません


まあ、僕自身も無音にも種類があるなんて奇特な記事を以前に書いていますから気持ちがわからないことはないんです

その際にコメントを頂いた方が北海道にお住まいだったので、雪が降る夜の「しんしん」とした静けさ
という表現を使いましたけれど、雪国でないところにお住いの方には分からないことですよね
もちろん、我が家のお隣に住んでいる人だからといって同じイメージを共有できるはずだなんて思い込みは、傲慢で独りよがりな実に鼻持ちならない幻想です


もとより、音を言葉遊びしても仕方ないですよ、ワードのベースとなる共通認識や前提が皆無なのですから
「赤いりんご下さい」と言われたら日本人なら緑のメロンを持ってきちゃいかんのです
そんなことは当たり前だと思われるかもしれませんが、当事者間に「赤色」とはこんな色で「リンゴ」とは青森とか信州名産のあんな果物だという共通認識があるからこそ「言葉というコミュニケーションツール」が機能するのです

でも、オーディオの世界じゃそんな簡単な前提を無視する会話が堂々とまかり通っている


だからね「フラットな音」や「音数が多い」なんて表現のイメージはそのワードを発した人の数だけ異なるイメージがあるんだと思わなきゃだめなんですよ
プロケーブル店主やお客さんのHPやブログに現れる表現を読んでいると10人寄れば、10通りの「フラットな音」があるように感じます

まあ、俯瞰して考えるとそれでいいんです
むしろそれこそが尊いことなんです、同じアンプ、スピーカー、プレーヤーを使っても出てくる音は使う人によって違うんです。感覚が異なる人間が使うのだから

PCで再生する時代が来たって「音は人なり」だよなあ、やっぱり間違いないです


この項続きます






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コメント
一度、天誅をとまでは申しませんが、思うところがありました。ご本人以上に何かに憑かれたかの様な崇拝者の存在に驚きました。何十万も掛ける前に、ケーブルの基本的な性能を確かめようと言う話であれば、やぶさかでない所もあるのですが、そこに留まる話ではない様でした。この続き期待してます。
2016/02/22(月) 14:08 | URL | kawa #-[ 編集]
こんばんは、コメントありがとうございます

私的には、いかなるメーカー、販売店、個人がどのような思想を持っていても
個々に違うのは当然と思うので。お好きにどうぞ、と申し上げるしかありません

今回の話題は「フラット」という単語が続出しているのにもかかわらず測定結果が
出ていないのは不思議だ!
ということで、こちらがどうのと言うよりもオーディオ界全体の音よりも言葉が先行
する滑稽さに着目しました

よって、ここの販売店さんがどのようなご活躍をされているかは興味の外ですが、
読み物としては同じことが何度も繰り返されるので読みきれなかったなあ
・・・が個人的感想ですね
2016/02/23(火) 00:00 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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