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プリアンプ その6

このマイクアンプは少し時代が下って、1954年の発表となります。
全体の形状が小型化されているのは、ミキサーにプラグインして多チャンネルに備える必要が生じた為で、同一の取り付け寸法で、仕様の異なるアンプが相当数作られています。

Klangfilm Kl. V004 Magnetton-Abtastverstarker
DSC01535.jpg

球の構成は先に紹介した、EF-40とEF-804sのハイブリットです。
仮説ですが、EF-804sは極めて低ノイズでマイクアンプには最適ですが、まだ供給数が少なかった頃かもしれません。(或いはコスト的に高すぎた?)

入出力には当然のこととしてトランスが使われています。
入力は~200Ωでこれ以前と変わりません。対して出力には3kΩ~の負荷を指定しており、これはDanner(フェーダー)の仕様に合わせたものでしょうが、伝統的な低インピーダンス送りから変更した点は興味深いものがあります。

DSC01539.jpg
回路的には5結+3結の2段ともセルフバイアスを採用しており一般的な用法に添っています。

このアンプの特徴として、ストレートな使用でも14kHz付近に約5dBのピークを持っています。それなのに高音調整としてトータル16dBまでピークを上げることが出来ます。
何かの必要があって採用したのでしょうが、現場の人に確かめないと理由は分かりませんね。
DSC01541.jpg

この辺りが業務用機器を家庭で使う難しさで、Klangfilmだから音がいい!はずだ。などという心がけで使ってしまっては、見事に高域にピークのある音をありがたく聴くことになり、とんでもない結末を迎えると言う良い事例です。

こちらは、専用の電源です。
DSC01542.jpg

これにも電流供給能力によって幾つかバリエーションが存在します。
アンプのチャンネル数によって、写真のような21インチラックに必要数セットされて使われます。

DSC01545.jpg

+Bはチョークも入らない簡単なπ型フィルターです。WE20型のような念のいった安定化電源ではありません。
しかし、ヒーターへの供給はしつこいくらいに検討されており、この辺りにも製造者によるプライオリティの違いが垣間見れて興味をそそられる処ではあります。

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