色付けのない音・・・という悪い冗談

株式会社 音楽出版社  CDジャーナルムック  「傅信幸のオーディオ読本〜美しい響きの探求」 より
P122 音の博物館03 データとヒヤリングレポート、どちらがお好き?

より拝借しました、大好きな本なので多くの方に紹介したいと思っての上ですので、何卒・・・何卒

PICT4285.jpg

この六つの簡略化したグラフの要旨を説明すると
ある時評論家の傅さんと欧州で活躍する外国人のオーディオ評論家の方との対談の機会があった

ひとしきりオーディオ評論やジャーナリズムについての意見交換があったのち、ではランチでもと言う運びになってビールなどが入っていよいよ個人的で本音の(仕事抜きの趣味人同士でのという意味)オーディオ談義に入っていく

その中で、大人同士の余興というノリであったと思うが、スピーカーを聴いた印象とスピーカーのお国柄(スピーカー生産国毎の音色イメージと言えばいいか)との関連性をイメージしたグラフが上の図になる

右側 ①、③、⑤ が傅さんの見解
左側 ②、④、⑥ がドイツ人評論家の方の見解   各図の下にどの国のスピーカーの印象についてか書いてある

ここに少し加えると
ドイツ人は自国のスピーカーをフラットだと感じるが傅さんはドンチャリと聞こえると・・・
またイギリスのものはドイツ人にはこんもりと聞こえるが傅さんには高音に特徴がある・・・
そして奇しくもお二人に共通するのが、日本のスピーカーは「ハイ上がりである」と一致した





前回は音を言葉遊びしても中々思うように伝わらないよねという記事でした
それでも、今聴いた音の印象を何らかの形で伝える努力はわかります、傅さんを挙げるまでもなく、オーディオに限らずジャーナリズムの存在、もっと風呂敷を広げれば政治だって言葉の発信がなければ成り立たないでしょう


そこで、今日のテーマですが
自分の中で最も「オーディオの深い闇」を感じる事柄(ワード)についてです

「私は色付けのないオーディオが目標だ」

「このアンプはニュートラルな音色なので好みだ」

「オーディオで色付けすべきではない」

・・・・・・まだまだこのベクトルの発言は多数あるが、全く意味が、と言うか正解がわかりません

冒頭に前提を挙げましたので、多くは語りません

想像するに、オーディオという趣味を続ける上で多くの人が一度は通過する儀礼とでもいうのかな
魅力的に映る「ワード」なのでしょうね

昭和の頃に流行った「原音再生」が形を変えて、今の流行りかもしれませんが根っこは一緒ですね

私にとっては

・我が家のオーディオ装置はスピーカーを含めたトータルで歪率0.000000000000%を達成している
・俺は昨日、鉄で真球のタマを作った
・10年後には月まで歩いていける

これと同じくらい滑稽な話です





****こう書けば云いたいことは伝わるだろうと思っていたのだけれど言葉は怖いので少々加筆****

私が何をわからないかと申しますと

「みなさんご存知の」みたいなノリで「色付けがない」とか「ニュートラル」って言ってますけどのような状態ならばニュートラルなのか、どなたからも具体的な指針をお聞きした試しがないんですね

「お前のニュートラルなんて、あたしゃ知らないよ」と思うから、正解がわからない

それで、実際に音を聞かせていただくとですよ
ハイ上がりに聞こえる御宅もあれば、腰の太い音に聞こえる御宅もあるが、みんな「ニュートラルな色付けのない音」を目指していると仰る

結局のところ「俺の好みの(それぞれの)音」を皆さん出されているだけなのに、なぜそれが「ニュートラル」なのか???
実は全員まだ達成できていないだけで、達成した暁には全員同じ音になるのだろうか? それにしてはクセが強い!

それともオーディオをしていると、いつしか自分が世界の中心にいると思えるのか? (まずは中心の座標をおくれ)

本当に意味がわかりません



********ここまで読んだら、もう一度冒頭に戻って六つのグラフをご覧ください********



鋭い方はもう分かりましたね
遠い異国で生を受け、異なる文化で育ってきた人たちとの間には、当然のことですが異なる音の受け止め方があるでしょう
もちろん同じ日本人だとしても音の受け止め方は十人十色ですよ
DNAも育った環境も違うのだから


あるお宅で音を聞かせていただいている時の私は
私の「耳のくせ」と「脳の感性の個性」を避けて音は聴けないんです

私の癖を通じてしか自分は聞けないし、100人寄れば100通りの癖という耳のフィルターを通じて聞くのだから100通りの「音の感想」があるはずなのに

「ニュートラルな音のアンプ」

「オーディオでは色付けすべきでない」

こんなタワゴトは、人間の耳で音を聞き、人間の脳で音を感じる、という圧倒的な大前提を無視しています

さらに人間の創造物には全て個性=クセ=歪と言ってもいい、があるという大前提も無視している、たかだか300万や500万で買ってきた機器に何の幻想を抱いているんだキミ達は!と思う

それらを全部入れ込んだ上で
「色付けのない音」というワードは特に日本人の男子=お刺身を始めとする和食のように素材を活かした新鮮なものを善として育った=にとっては心をくすぐる麻薬のような単語なのでしょう
これを販売店やオーディオ先輩にささやかれたらイチコロでしょうね

だから深い闇だというのです
さらにタチの悪いことに、「このような根拠でニュートラルである」と誰も証明してくれません
広大で漆黒の誰もいない宇宙空間で「ここが宇宙の中心だ」と叫んでいるだけなのです

おじさんたちにこんなことを言ってももう手遅れですけどね、
若い人たちは、一人前の男になるには元服を過ぎたらこんな神経系のワードから卒業しなければ遺憾と思うのです



私は、心を許せるオーディオの友人とは測定値抜きで音の話をしません
慣れるのに時間がかかりますが、分かってしまえば確度の高い意思疎通が可能ですし
機械に癖があっても(測定器だって機械だからクセはある)毎回同じ癖を出しますからね、それ込みで(逆特性という)評価できます




なので、今日からは

「私の家の音は、私が聞く限り色付けのないニュートラルに聞こえる音という特徴を持った個性ある音色を目指しています」

と、言ってもらえないでしょうか?

それならば、こちらもスッキリと感想を言えます

「僕がイメージする色付けのない音と比べるとかなりハイ上がりに聞こえますが、これは僕の耳のクセですからご容赦を」


しかし現実は

「我輩の音は色付けを徹底的に排したニュートラルな音である故、そちも心して聞くように」 って言われちゃうので

「はは〜、御意に。さすがに鮮度感のある生々しい音(つまり、ハイ上がりでうるせーぞの意)ですねえ、ご立派なりー」
てな感じに答えざるを得ませんがな

なんだか平安貴族の雅な遊びのようです






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コメント
ご隠居、フラット、ニュートラルに、「生々しい」だの「ビビッド」だの足しておいておくんなまし。
一体どこの誰に陥れられて、そんな哲学書10冊もかけそうなネタにありつかれたんざんしょ?
百人百音、それぞれ耳骨の形状が違い、鼓膜の感度も違い、聴こえの同一化は無理難題!
絶対音感を授けられた人は、この耳骨が黄金形状(黄金比の真似ですよん! 突っ込まないでね〜)になってるはず、、、、(黄金形状ってどんな形? 知らん!)
で、旦那、オチは何処へくくるおつもり?
それ一番楽しみ!
2016/03/09(水) 02:10 | URL | mambo #n9Bk/wZI[ 編集]
やあやあ くまさんじゃねえか(爆)久しぶりだな。こっちへへえんなよ

どこの誰って、16、7歳の頃に初めてステサン誌の裏表紙の日本コロムビア(当時)の広告を見て以来ですよ
当時の日コロさんは「原音回帰」みたいなコピーを長いこと前面に打ち出して広告していました
あれから幾星霜、振り返れば(たまたまですが)日コロさんの機械は一度も手にしたことがないです、どこかで引っかかっていたのですかねえ

オチなんて何もねえですよ、文字のまんま
共通認識のないアヤカシの言葉を使うんじゃねえ!そんなものに心揺らいでんじゃねえ!ってだけです

絶対音感てのは音の高さの基準を記憶して持っている人の能力ことでオーディオをするときに特には関係ねえっす
街歩いていて、クラクションの音を「これBだ」とか音程で表現できる人がいます、訓練で身につきます
でも、音楽を聞いているときに色々気になって楽しめない人もいるみたいですよ(こっちにツッコんだ)

そういえばブラームスがある演奏会のときに、半音だか一音下で調律されていたピアノを前にして、咄嗟に鍵盤をずらして一曲弾き終えたそうです
その逸話からブラームスには絶対音感がなかったと言われていますが、単純に機転の利く人だったのかもしれません
2016/03/09(水) 12:51 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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