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悪魔なのか? 天使なのか?

本件は

WE594型テレフォンと言う絶品のラッパを使いながら、何十年と満足できずにいたmさんにRIAAイコライザー&ラインアンプの製作を依頼されたことに始まる

ラインアンプ

イコライザー

そのイコライザーを作る条件の一つに「パワーアンプも一緒に作ること」
つまり、プリメインアンプで使ってくれなきゃヤダよ!   こうしてこのプロジェクトはスタートした



七日間でこの世界ができる前はというと・・・

プリアンプは、(こちらではメンテを拒否した)涙が出るほど貧弱な有名ガレージメーカーのもの

パワーアンプは、これはこちらでメンテをしたWE124型だったのだけれど、それまでは沼に落ちていても誰も拾わないような酷い特性のまま使われていた

私はmさんの音を聞いたことがない=でもアンプを見れば音はツブサにわかる
ラッパの本来の性能には程遠い 無念な音でスピーカーは働かされていただろう

WE124のメンテを完了したのちトータルの音は随分と進歩したそうだが(はやり私は聞いていない)プリがこれでは・・・と言うことでプリを作ってくれないか、となった


仕事のご依頼であればもちろんアンプ製作にやぶさかでは無いが、現在の環境のままではこちらが想定した成功には遥かに届かないことは分かっていた

WE594テレフォンとWE124アンプでは、音の世界観が違いすぎて音楽に統一感が出ないでしょう
アンプはWE91型を使ってください・・・マジである

ちょうどその頃 WE91型の売り物があったのだけれど9,000,000円というプライスタグが付いていたので、流石のセレブリティのm氏でも諦める他なかった



                    「何を聞きたいのですか」

            「ブルーノートのモノラルから初期ステレオに移行するまでを・・・」



わかりました、では作りましょう
こうしてJazzのレコードを1枚も持っていない男による
Jazzしか聞かない男が使うべきアンプ作りのSAGAはスタートしたのです


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それは10ヶ月の時を経て、このようにでき上がりました

実はこの時点で私にとってアンプの音なんて、どうでもいいんです
納品先でどんな音がするか。は、オーナーさんの実力次第、能力次第なのだから
製作者としては音の良し悪しなぞは与り知らぬ話なのです

自分の中では
回路を決めて、部品を収集する段階でどのようにトランペットが炸裂し、喉の奥から絞り出すようなボーカルが歌い出すなんてずっと前から分かって作っていたのだから


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お披露目は 小布施町のJazz喫茶 BUDさんの店頭を借りて数人の好事家を前に行われました (mさんが前のめって集めていた)

お店には、あまり上手くならないとの事で忘れられたようになっていたスピーカーがある

Jensenの30cmフルレンジでM型だろうか、Westernの4151型に類似したすこぶる付きの名器だが
組み合すべき伴侶のアンプがなく、「音が悪い」なんて言いだす人もいた

ならば結構じゃないか、丹精込めたこのアンプにとってこれ程素晴らしいお披露目の相手は居ない


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B電源は独立しており、水銀整流管が妖しい光を放つ



そこに居た全員が「固唾を呑んだ」と思う

まるで、オールホーンの大型スピーカーがなっているようだった
喫茶店の建物は地主さん(老舗の味噌醸造場)の穀物倉庫をリニューアルして使用している
古い蔵作りで床面積は60畳もあるだろうか、天井高は優に10mはあろう
その店内の隅々に音響を満たしている様は圧巻だった

加えて
予想を超え突き刺さるようなブラスのウネリに体が揺さぶられるかと思うと
相反する
クラリネットや弱音器をつけたトランペットに女声のニュアンスの豊かさと言ったらどうだ
夢中で3時間もレコードを変え聞き続けた



一週間後、オーナーの元へ引き取られて行ったようだが・・・もちろん私は納品してもいないし音も聞いていない・・・結果は明らかなので聞く必要がないからです




自分がこれまで40年以上かけて オーディオの音に抱いていたイメージとは全く異なる印象の音がするアンプだった

苦労した部品収集から多数の穴あけ、複雑な配線から完成後の調整まで過去に経験の無いほど苦労したアンプだから思い入れも強いかもしれないが、自分自身の「オーディオの音」に付いての思いに新たな扉を開いてくれたアンプだと思う


オーディオの音って、あんなに熱に溢れたエグい音がするものなのだ

この冒険活劇は、これで終わりでは無いのです
まだまだ続くのです









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コメント
お久しぶりです!!
ブログを拝見していましたが、私も経験がありますが、シャーシー加工だけでも相当の労力です!!
お疲れ様でした(^^♪

>そこに居た全員が「固唾を呑んだ」と思う

BUDでのお披露目会、聴きに行きたかったです!!

どんな演奏だったのか!!

オーディオ関係で過去に「固唾を呑んだ」シーンに出くわしたことは2回しかありませんでしたが、勝手に頭の中で想像してしまいました。

その後長い間「固唾を呑む」シーンに出くわしていないです。

最近私はラジオスピーカーにハマッテいます(笑)
2018/10/25(木) 15:08 | URL | nyann #3CWxtMyM[ 編集]
コメントありがとうございます

このアンプは三極管アンプの爛熟の時代に産み落とされ、戦争の炎に巻き込まれて
時代の渦の中に消えていった回路を採用しました
まさに、ブルーノートモノラル時代にピッタリだろうと想定して作りました

BUDでの数時間は最初ブルーノート最初期のオリジナル盤がかかりました
その後はマスターの独壇場で、私はほぼ初見の曲でしたので詳細は分かりません

聞き進むにつれ、後半はSP時代の復刻盤がたくさんかかりました
音楽自体やプレーヤーのカロリーが壮絶なので仕方ありませんね

あの音はちょっとした「聴きもの」でしたよ
昔の大きな「蔵」の中に音が響き渡り、生バンドのステージの時のような
エネルギーを感じました

今ではJensenのM型を探している自分がいます
2018/10/30(火) 00:38 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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