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プリ(EQ) その7

これは TSD-15用として常用しているEQアンプです。

klangfilm 6 S Ela 2145. Eladyn-Steuerverstarker
DSC01351.jpg
Danner(ファーダー)で隠れている部分に専用電源を忍ばせています。
+B : 400V
H  : 6.3V で動きます。
球の構成は EF-40(3結)+EF-40(5結)+ECC-81(2段)という4段アンプで多彩なコントロールに対応できるよう十分なゲインを有しています。

以下の通り、業務用機器の中では日本で考えられる「プリアンプ」に最も近い構成を持っています。

入力 マイク1、2  ラジオ  レコードプレーヤ  テープヘッド
さらに、トーンコントローラーに相当すると思われる音質調整回路もあります。

マイク以外は150mV 500kΩが基準で2段目から入力されます。

マイクの入力は0.5mV 200Ωですが、贅沢なことに切り替えスイッチではなく、各入力に1個づつの入力トランスとEF-40をあてがい、他のライン入力と同じレベルまで昇圧してから2段目に渡しています。

上の写真にあるツマミの左側2個がマイクのインプット・ゲインセットです。
これらのマイクは(例えば映画の上映中に)メインの音声に被せて乗せることが出来るようにミキシング可能にしてます。

マイクの入力はMCカートリッジを入れるのに非常に都合がよろしいので此処にTSDを入力し、1段目の後にCRを入れてRIAAを取り出しております。

DSC01633.jpg
空いているソケットが使用していないチャンネル分です。

さて、このアンプを常用とする事情ですが。
これ以前に設計製造されたマイクアンプは前回ご紹介したV004のように5極管2段構成のものが殆どです。
2段アンプの後に別途ラインアンプを備えて+4dB(または+6dB)+1.55Vrmsの出力を送り出す仕様になっていました。

これ以前の2段アンプ単体でEQとして使うには出力電圧が低すぎるのは当然ですが、この2145型は最後に三極管2段の現代風に申すならば「ラインアンプ」が付加されていますので、現在の構成のままで+4dBまで持ち上げる事ができ、誠に都合が良いのです。

DSC01622.jpg

最後に、
この種の業務用機器をRIAA-EQに使う場合の泣き所は2段目のカソード電圧に規制されてヘッドマージンを取り難いことです。
その点もこのアンプは上記した通り、充分なトータルゲインのおかげでRIAA:1kHzを最大限落とすことにより、高域まで不満の無いダイナミックレンジを確保することが出来ました。

機会がありましたら、別項でRIAAの状態もご紹介できればと思います。

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コメント
私の買ったオイロダインには本来、縦型のラックに入ったアンプシステムが組み合わされていました。一緒にしておいて上げる事が正しいと思いましたが、私の懐ではアンプシステムにとても手が届きませんでした。一番上のプリアンプが貴アンプに良く似ていました。
説明はしてもらったのですが、コンシュマーユースとはまるで違う操作系に面食らって腰が引けたのを覚えています。手の届く値段であれば強く説明を求める手もあったとは思います。
何年かぶりに説明を聞ける機会に恵まれるとは思いませんでした。
同じグレーのハンマートーンでしたがどちらかと言えば赤みを帯びていた様に思います。
2009/05/11(月) 18:52 | URL | kawa #-[ 編集]
先日、将棋名人戦の第三局がありましたが、将棋の世界では「本局ではAという手が指されましたが、Bという手でも、また一局ですね」という味わい深い言い回しがあります。

連れ合いでも、オーディオでも同じ時間に2つの人生は送れないから、現在の選択も、別の選択もそれぞれ楽しからずや。ってことでしょうか。まあ、アンプやスピーカーは2台持っていても法律には触れませんので返って面倒が起きるわけですが・・・

与太話はこれくらいにして、kawaさんのすれ違ったアンプは、もしラックの高さ1m強のものでしたら、プリアンプKl-V002x2 パワーKl-V408x2 フォトセル電源Kl-Q509 がセットになった物を良く見かけます。これはラック1台で2chいけます。
もう少し大きな会場用にはパワーがKl-V502+Kl-V408の組み合わせもあって、ラック1台で1chです。
2mのラックの物はch数が増えるだけで基本的には同じものが必要数組み合わされていました。
どれも戦後のKlangfilmを代表する逸品ですね。

2009/05/11(月) 23:49 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
すいません。途中で更新押してしまいました。

先に挙げた型名の物や記事の写真の物は、グリーンっぽいグレー塗装です。
もう少し白っぽいか、薄茶色系ですとオーストリア製の可能性もありますね。
何分、バリエーションが膨大で全容を掴み切れないのが困りものです。
2009/05/11(月) 23:59 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
F2aPPのアンプが3台、それを自由に組み合わせ出来る切り替え装置が付いていました。これは確かです。故障時のバックアップ用でしょう。映画館らしいと思いました。プリ(ミキサーでしょうか?)がそれぞれのアンプに付いていたか(3台?)、ステレオ2チャンネルで2台だったか、グレイのハンマートーンは確かですがどんな色だったか、ハンマートーンの枠の中に少しへこんで黒いパネルがあったのは確かですが,つまみがあんなにあったか、かなり曖昧です。
その後、横須賀のとっても有名なお医者様の所に行ったと聞きました。
2009/05/12(火) 12:28 | URL | kawa #-[ 編集]
そうでしたか。
M先生のお宅のパワーアンプラックはKl-V403x3台、と電流監視メーターパネルx3台、信号の流れを選択するパッチベイ(昔の電話の交換局にあったようなピンを抜き差しするセレクターで、仰る通り2ch+予備にしたり、3chエフェクトを加えたりできます)x1台で2mのラックに入っていますから、1955年前後では一番大掛かりなアンプラックですね。

それはそれは、お高かったでしょうね。いずれにしても素晴らしい逸品には間違いありませんね。
2009/05/12(火) 13:41 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
判ってしまうのですね。凄いなぁ~。
だとするとプリもしくはミキサーだと思ったのは私の勘違いですね。素人がうろ覚えででたらめを言いました。申訳ありません。
2009/05/13(水) 03:13 | URL | kawa #-[ 編集]
いえいえ、とんでもございません。
蛇の道は蛇というか、血のにおいの周りをうろうろするサメのような下種の根性です。
さすがに情報が少ないのか、お好きな方々はどこかで繋がりがあるのですね。
2009/05/13(水) 11:37 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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