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機械の違いじゃ無くて、聞き方の違い?

前回の記事を書いて数日後、Tさんがレコードを購入にいらして下さった際に
ニコニコしながら部屋に入ってきました

「ブログ読んだよ、冗談でしょ?いくらアメリカ盤だってそんなに悪いわけじゃないんでしょ?」
言外に「話盛ってるでしょ?」と聞こえるよー

ではと、DECCAのコッペリア 、三角帽子を聞いてから、RCAの仮面舞踏会と展覧会の絵を聞いていただきました

「ムムム、おかしいな」

念押しで英コロムビアのブルーシルバーでシュトラウスの「こうもり」を・・・
音楽がスピーカーを飛び出して部屋中を跳ね回っているかの様でした、ことここに至っては二人とも言葉は無く、ちょっと笑っちゃいましたね


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左上と右側の2枚を聴きました





このオーディオはJAZZ向きか、クラシック向きか?
私は、機械の問題じゃ無く当事者自身が音をどの様に聞きたいのか?その違いだとずっと思っている


自称JAZZオーディオの雄の人は言った
「トランペットのラッパに頭を突っ込む様に、ツバキがかかる様に聞きたいんだ」


ビックリして僕は問うた
「演奏中の楽器と自分の距離が近いと良いの?」


答えて曰く
「5cmでも良い」


「でも演奏開始の時点では、一番前の席だとしても3mくらいは離れているよね?」

「うん」

「じゃあ、トランペット吹きながらこちらに走ってくるって感じ?」


「・・・」


「なんか、ごめん」



ちょっと意地悪な質問でしたね
普通、オーディオマニアはこんな風に考えていませんよね
「音が前に出る」とか「かぶりつきで聞きたい」なんてのは一種の常套句=昔何処かの雑誌で読んだキラーワードであって、ステレオ(モノラルでは無い)再生時の定位とか音場の問題でない事はわかっているのです、だからゴメン



一方、以下が掲載されていた雑誌を片付けてしまって出典を示せなくて申し訳ないんだけど
「管球王国」誌上で評論家のFooさんだったか、英国のBBCの音響技師へのインタビューが載った号があった
(確か「英国製スピーカーをまとめて聞く」みたいな特集の時だった)

技師さん曰く
BBCのスタジオに採用される音響機器への判断は、おおむね以下の通りである

「音のテクスチュアの基準は男性アナウンサーの声で確認する
判定には音楽も聞くがクラシックである
音楽再生の良否、合否はスピーカーの後方にきちんと音場展開しているかで判定する」

何一つ加える事も削除する事もない、私は完全に同じ意見です
本文ではもう少し強い言葉で「音は前に出てはいけない」旨の内容だった様に思うが記憶なので曖昧だ
後日、当該本を特定できたら訂正します


さて、これはどうした事だろうと・・・
等しくオーディオを行うだけなのにこれ程真逆な意識で音を聞いているとは・・・

私はこの2つ背反する意識を

A「音の方から聞かせに来るオーディオ」

B「自分から音を聞きに行くオーディオ」

と名付けた


Aの方はスピーカーの置いてある位置に限らず、音がドンドン前に出てきて
「ほら、ボクを聞いてよ、良い音でしょ?すごい演奏でしょ?」と迫ってくる
聞き手は足を踏ん張って体が反らない様にむんずと受け止めればいい


Bは見かけ上は楽器が10mも15mも彼方に居て、聞き手が耳を澄ましそこまで音を聞きに行かなければいけない
「あ、今フルートが裏拍でリズムを刻んだ」とか「ヴィオラとチェロのオクターブで主旋律弾いてる、すごい和音するなあ」とかね

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懐かしいなあ、引っ越してきたばかりの頃だ
しかし、何だよこの在庫は!  業者かよ!?



結局ね、JAZZ向きとかクラシック向きというのはその人の人それぞれの聞き方の問題なんですよ
コンポーネントの持つ固有の音色やテクスチュア=主に雑誌で刷り込まれた=から解放されて初めて見えてくるんです

前回、クラシック再生の正統と位置付けたドイツ製のオイロダインを使ってJAZZをガッツリ聴いている方も雑誌のお宅訪問コーナーで見かけたでしょう?

私はオイロダインなんてこの世で一番奥行きの深い(オーケストラが遠くに並ぶ)スピーカーだと思っているけど、その人は多分音が前に出るから良いぞと思って使っているんじゃないかな

オイロダインと同じ時期にALTEC A-5オリジナルを使っていたけれど、これも十分深い位置でオーケストラを定位させてくれた=結局使い方次第、スピーカーもハサミも一緒でしょう


また別の本ではTANNOYのアーデンなんて最も似つかわしくないと言えそうなスピーカーでJAZZを楽しまれている方も見えた

一方でクラシックに大変造形の深かった故瀬川冬樹先生はJBL使いだった事、それもBの聞き方だった事は万人の知る処です

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さて、書いている本人も忘れかけている本題ですが

これまでCDを聴き始めて35年
Bの聞き方、僕の言い方をするとスピーカーの間の空間に自分の神経が吸い込まれていく様な感覚

CDでは聞くことが出来なかったので諦めていたあの感覚ですが、LPだとがっかりする程あっさりと聞くことができる

それがケフレック嬢の「ラヴェルの左手」で出現したのです
なんだ、やれば出来るじゃんCD
そうなればシメた物、どんどんと色々なCDを心ゆくまでかけました

これで、2年に渡った私のCDをめぐるSAGAは終着駅に着きました



今はSP盤の電気再生に向かって頑張っています






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