作曲当時の演奏スタイルと言ったって実は、最新の解釈じゃ無いのか?と考えたんだけど
Ludwig van Beethoven (1770-1827) 独 作曲家
没年は幕末の文政年間
むかーしのえらい音楽家先生 音楽室の壁に難しい顔をした肖像画がかかっている事で有名
Joseph Böhm (1795-1876) 澳 ヴァイオリニスト 音楽教師
没年は明治の中頃
ベートーヴェンの音楽仲間 弦楽四重奏曲 第12番の初演時(正確には1ヶ月後の2回目)のメンバー
交響曲 第9番の初演時にもオーケストラに加わっていた
ウィーン音楽院の初代学長 弟子にヨーゼフ・ヨアヒム他 多数
Joseph Joachim (1831-1907) 洪 ヴァイオリニスト 音楽教師
没年は明治末
ブラームスのお友達、後にちょっとケンカする。でも仲直り。ヴァイオリン協奏曲の初演者
ベルリン高等音楽学校の校長 弟子にカール・クリングラー他 多数
Karl Klingler (1879-1971) 独 ヴァイオリニスト
亡くなったのは・・・つい先日だ、長生きだったねえ
ヨアヒム・カルテットのヴィオラ奏者
後に「クリングラー・カルテット」を結成
1911年(ベートーヴェンの没後84年)にOp 18-5を録音する

そのクリングラー・カルテットの1911年録音が収録されたCD
子供の頃のイメージだとベートーヴェンなんてはるか昔の偉人の印象だったけれど、年表に落としてみると結構最近の人なのね
上記ヨゼフ・ベームさんはベートーヴェンの生前に一緒に演奏をやって本人からOK
を貰っていたのだから
「作曲された当時の演奏スタイル」で正しいかどうかの議論なくズバリ!の人だよねえ
で、ベームの弟子のヨアヒムと一緒にカルテットを演奏していたクリングラーは、孫弟子に当たるのだけどプロの演奏家としては一世代だけ下なので周りの先輩や音楽関係者、もしかしたら下宿のおばちゃんとかベートヴェンその人と親交があったり触れ合った人がまだまだ沢山残っていた時代である
そのクリングラーはつい先日まで生きていたのだ
ノリントンの録音が1987年だから、あと15年ほど長生きしてくれていたらどんな感想だったか聞いてみたかった
(勿論プロの演奏家が他のプロに対して自己の意見を言う訳はないので、コッソリ耳打ちで)
と言う事で、CDを聞いてみました
端正で清涼感のある凛々しい演奏です
ウィーン風というのかポルタメントのチャーミングな面とインテンポの追い込みの対比がとてもはっきりしている
際立って感情的に歌い上げるのではなく、だからと言って即物主義に徹した機械的なんてとんでもない
勿論アゴーギグやデュナーミクを殊更強調して、どうだ!オレって先鋭的だろ。なんて自己主張からは対極にあると言っていいと思う
ベートーヴェンの没後90年経った時点でどれ程演奏スタイルの変化があったのか今となっては知る由もないが、最も作曲家に近い演奏として時代の空気感を想像するための良い資料であるのは間違い無いと思う
ただし演奏はとても素敵だけれど、機械吹き込み時代のSP盤を復刻したCDしか無いので音響的には少々の食い足りなさを感じてしまう
なのでこれをテキストにしてベートーヴェンの隣りに座って聞いている気分になるにはどのレコードが近しいか
ブタペストSQ アマデウスSQ スメタナSQ ズスケSQ ブッシュSQ バリリSQ A・ベルグSQ を纏めて聞いてみた
文句なしにバリリSQに相似点を一番多く感じた
自分はウィーン人でもなんでもないくせになんだか手前味噌の様で恥ずかしいのだけれど
W・バリリ O・シュトラッサーもウィーン音楽院の出身でヨゼフ・ベーム先生の直系の弟子になるのですね
ウィーン・フィルハーモニーに脈々と伝わる頑固なウィーン風の伝統はことある度に言われるが、室内楽ユニットであってもそのまま当てはまる様ですね
ただし大きな問題がある、バリリのレコードはバカ高いんだ、とても手が出ない
今回の記事を書くに至った動機は
クリングラーSQの演奏がベートヴェンの生きた時代の演奏法の継続であろうに、学究的でなくリリカルでロマンチックであった事と

このクルレンツィスの演奏を聴いて、前世紀の古楽演奏の基本理念とされた「作曲された当時の演奏スタイルに回帰する」を離れて「最先端の新解釈による古典派、ロマン派の新たな演奏スタイルの構築」に移っているんだなと感じた事によります
まあ、そりゃそうなるわね
どんなに正しいと主張したって、演奏家自身も含めて誰も正否を検証できないんだから
結局は演奏家個々の到達した解釈によって演奏するしか無いじゃない
その意味でもクリングラーSQの伝統に則ったと伝わるCDを聴けたことは、私自身にとって一つの指標となる貴重な体験でした
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没年は幕末の文政年間
むかーしのえらい音楽家先生 音楽室の壁に難しい顔をした肖像画がかかっている事で有名
Joseph Böhm (1795-1876) 澳 ヴァイオリニスト 音楽教師
没年は明治の中頃
ベートーヴェンの音楽仲間 弦楽四重奏曲 第12番の初演時(正確には1ヶ月後の2回目)のメンバー
交響曲 第9番の初演時にもオーケストラに加わっていた
ウィーン音楽院の初代学長 弟子にヨーゼフ・ヨアヒム他 多数
Joseph Joachim (1831-1907) 洪 ヴァイオリニスト 音楽教師
没年は明治末
ブラームスのお友達、後にちょっとケンカする。でも仲直り。ヴァイオリン協奏曲の初演者
ベルリン高等音楽学校の校長 弟子にカール・クリングラー他 多数
Karl Klingler (1879-1971) 独 ヴァイオリニスト
亡くなったのは・・・つい先日だ、長生きだったねえ
ヨアヒム・カルテットのヴィオラ奏者
後に「クリングラー・カルテット」を結成
1911年(ベートーヴェンの没後84年)にOp 18-5を録音する

そのクリングラー・カルテットの1911年録音が収録されたCD
子供の頃のイメージだとベートーヴェンなんてはるか昔の偉人の印象だったけれど、年表に落としてみると結構最近の人なのね
上記ヨゼフ・ベームさんはベートーヴェンの生前に一緒に演奏をやって本人からOK

「作曲された当時の演奏スタイル」で正しいかどうかの議論なくズバリ!の人だよねえ
で、ベームの弟子のヨアヒムと一緒にカルテットを演奏していたクリングラーは、孫弟子に当たるのだけどプロの演奏家としては一世代だけ下なので周りの先輩や音楽関係者、もしかしたら下宿のおばちゃんとかベートヴェンその人と親交があったり触れ合った人がまだまだ沢山残っていた時代である
そのクリングラーはつい先日まで生きていたのだ
ノリントンの録音が1987年だから、あと15年ほど長生きしてくれていたらどんな感想だったか聞いてみたかった
(勿論プロの演奏家が他のプロに対して自己の意見を言う訳はないので、コッソリ耳打ちで)
と言う事で、CDを聞いてみました
端正で清涼感のある凛々しい演奏です
ウィーン風というのかポルタメントのチャーミングな面とインテンポの追い込みの対比がとてもはっきりしている
際立って感情的に歌い上げるのではなく、だからと言って即物主義に徹した機械的なんてとんでもない
勿論アゴーギグやデュナーミクを殊更強調して、どうだ!オレって先鋭的だろ。なんて自己主張からは対極にあると言っていいと思う
ベートーヴェンの没後90年経った時点でどれ程演奏スタイルの変化があったのか今となっては知る由もないが、最も作曲家に近い演奏として時代の空気感を想像するための良い資料であるのは間違い無いと思う
ただし演奏はとても素敵だけれど、機械吹き込み時代のSP盤を復刻したCDしか無いので音響的には少々の食い足りなさを感じてしまう
なのでこれをテキストにしてベートーヴェンの隣りに座って聞いている気分になるにはどのレコードが近しいか
ブタペストSQ アマデウスSQ スメタナSQ ズスケSQ ブッシュSQ バリリSQ A・ベルグSQ を纏めて聞いてみた
文句なしにバリリSQに相似点を一番多く感じた
自分はウィーン人でもなんでもないくせになんだか手前味噌の様で恥ずかしいのだけれど
W・バリリ O・シュトラッサーもウィーン音楽院の出身でヨゼフ・ベーム先生の直系の弟子になるのですね
ウィーン・フィルハーモニーに脈々と伝わる頑固なウィーン風の伝統はことある度に言われるが、室内楽ユニットであってもそのまま当てはまる様ですね
ただし大きな問題がある、バリリのレコードはバカ高いんだ、とても手が出ない
今回の記事を書くに至った動機は
クリングラーSQの演奏がベートヴェンの生きた時代の演奏法の継続であろうに、学究的でなくリリカルでロマンチックであった事と

このクルレンツィスの演奏を聴いて、前世紀の古楽演奏の基本理念とされた「作曲された当時の演奏スタイルに回帰する」を離れて「最先端の新解釈による古典派、ロマン派の新たな演奏スタイルの構築」に移っているんだなと感じた事によります
まあ、そりゃそうなるわね
どんなに正しいと主張したって、演奏家自身も含めて誰も正否を検証できないんだから
結局は演奏家個々の到達した解釈によって演奏するしか無いじゃない
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