Hi-Fiってなんだ (続編)

前回は、私が自分の装置を使ってやろうとしていることは収録会場のステージを再現すること、それはバランスエンジニアやプロデューサーの意思が加味されたパッケージソフトを使って行うこと。というようなお話をしました。

その時添付したレコードリブレットの写真はショルティ盤「神々の黄昏」でした。

恐らく、時間だけでいうと私が生涯で一番長く聴いているだろう演奏です。いまだに1回/週以上は飽きもせず・・・
LPで6枚:12面ですから1日ではとても無理ですが、今はもう、レコードのキズの場所まで全部覚えているほどです。

さて、このセッションの終盤近くをBBCがドキュメンタリー番組としてその模様を取材し、映像に残してくれています。
右側のDVDです。
DSC01959.jpg

映像は会場のセッティングから始まっており、Mr.バリーがマイクを吊っていたり、Mr.ブラウンがダクトに上半身を突っ込んでケーブルのハンダ付けをしている様子なども写されており、私には何よりのプレゼントです。
前述したブックレットの写真にまして、VPOのメンバー一人ひとりをより詳細な、しかも動画で見れる訳ですからシビレっぱなしです。

その上このDVDの貴重な点は、Mr.カルショウの強力な希望によりコンソールからミックスダウンされた音声信号(つまりレコードと同一音源)によって記録されていることです。  おお、神よ!

写真の左側は、一連のリング収録についてMr.カルショウが書いた手記です。これも曲に負けず劣らず、堂々の460ページです。
何回も何回も読みました。Mr.カルショウとMr.レイバーンを頭にした「デッカ・ボーイズ」が何を考えてかくも長大なドラマに挑んでいたのか。
そして、視覚要素の重要なオペラをいかに音だけで表現しようとしたかの一端を推し量る為の貴重な資料になりました。
最近は、さらにB・ニルソンの自伝記まで加わりました。

また、プレーヤーやEQアンプ(RIAA設定)の検討には必要に応じてマスターコピーを聴きます。
このときも、テープとLPでは楽音のタッチはかなり異なりますが、ステージの確認には有効です。
余談ですが、マスターがいい音(この「いい音」ってのが私には分からない)だなんてことはありません。これは素材ですから。
あくまで、プレスされたヴィニールになって始めて、製品として購入者からお金の取れる音になるのです。
DSC01963.jpg
Frcsay BPO  Beethoven Sym No.9 のLPとテープ


我が家では、ケーブルやその他の部品とは比較にならないほど、こういった「意識」が大きな影響を音に与えています。
結局のところステージの再現、すなわち(もし言い方が間違っていなければ)位相による距離情報の提示だけを検討対象としているのが我が家の装置です。

楽器の音は、位相のピントがバッチリあった時(いつもではありませんが)に死ぬほど躍動感が表現されるように感じています。
恥を忍んで告白すると、昔は聴こえてくる音そのものをどうにかしようと考えていました。しかしそれは自分には判断の付かない、比較すべき基準の無い「良くなったのか悪いのかが判らないファクター」だと気付きました。

もともと美声とは言いがたい、しかし誰よりも大好きなMr.フリックの歌声が、イタリア人テノールのように「キレイ」に聞こえるオーディオ装置なんて、それがどれ程特性の優れていたり、オーディオ関係者大絶賛の良い音の装置でも私には何の価値も無いものなのですから。

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