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Klangfilmスピーカーとバフル (附録)

バフルというと、板を1枚買ってきて、穴を開けると一丁上がり。というような感覚がありがちなものです。
せいぜい、どうやって立てるか、共振を抑えるのに補強をどうするか、といった要素をクリアーするとバフルは完璧!ちょろいもんよ。のような。

あちこちの掲示板などで、バフルなんてサイテーだ、と言う(恐らく若年の人の)書き込みも見かけますが、何事にも奥の院というのは存在し自身がそこを垣間見て初めて語るべきなのに・・・と感じることがあります。

そこで、今日はバフルの様々な形態を挙げて、これから「やってみたいかな」と考えている方の参考になればと思います。
なお、先人の研究結果も拝借願いたく、池田 圭氏著 「盤塵集」 ラジオ技術社刊の記事を参考にさせて頂きます。関係各位におかれましては、不都合がございましたらご一報下さい。

①WE-TA4165型(約30cmフルレンジ)の背圧制御型 (盤塵集 P133)

幅1.52mx高さ2.42mx奥行き1.23m 平面バフルに奥行きって?
DSC02183.jpg
バフルの後方約1mのところに衝立と、ユニットの下にも斜めに板を設置して、一種の後面開放に近い動作と解説されています。

なお、TA-4165型を評して「裸のままで鳴らしても、もの凄い迫力のある感度の高い製品である」とされています。

②RCA  R-99型フロアースタンドラジオセット (盤塵集 P145-6)

ラジオ界の王による最高級品である故に、ラジオの王者「RCA R-99」の内部構造です。
DSC02184.jpg
◇ユニットはマグネット部を桟に固定され保持される。
◇バフルとユニットのフランジはフエルトが挿まれているだけでメカニカル的には絶縁されている。
◇ユニットのフレームの開口部には布が張られ、また後面板は薄いハードボードでコーン紙に制動を掛ける。
これは、ユニットの保持法が前回ご提案した「簡易バフル」とほぼ同じ思想です。ビックリしました。

バフルも薄い板なので、ラジオらしい低音の量感が際立つ(オーディオ的にはボンつきですが)迫力のある音を出したことでしょう。参考に背面写真を挙げておきます。
DSC02185.jpg

③壁バフルは理想か?

これも先人のお知恵を借りると サウンドボーイ 1981年2月号 ステレオサウンド社刊で、もう一人の昭和オーディオ界の立役者、伊藤喜多男氏は
「よく壁に穴を開けてこれがインフィニティバッフルだとばかりにお聴きになっている方がいらっしゃいますが、これほどたわけた話はないのですよ。・・・後略」  原文のまま
と、語られております。
部屋が音のエネルギーを吸い込んで響きが無くなると結んでいます。

④バフル板の補強で振動は収まるか?

オーディオブームの時に流行った超重量級LPプレーヤーに代表されるごとくに、日本のオーディオ界は、重いものは動き難いが、動き出したらとまり難い。その当然のことを理解できず、重量だけで振動を押さえ込めると無謀なことを考えているきらいがあるように思います。

音圧のエネルギーは途法もないのに!と思いますね。

私が知る限り重量に頼った欧州の製品は、NeumannのAM32(カッティングマシーン)だけで、プラッター重量36kgです。(有名なM社の最高級プレーヤーと同じくらい?)
ですが、キャビネットの総重量は400kg弱。しかもコンクリートの床から直接ボルトを立ち上げて固定するように指定されています。
ここでも、「地球とコモン。ということですね。動くのはニードルだけで良い」と。
その上、カッティングルーム内はリスニングルームとは違いフィードバックは殆ど無い状況での話です。

彼らは、重量では振動を抑えられないことを知っているのです。
その一例が次にあげる小さなスピーカーです。

⑤Lowther  L.I.B  (20cmフルレンジ)
この小型スピーカーは知人のH氏が昨年まで所有していましたが、今は手放してしまったので昔の写真です。
Lowther20Infinite20Baffle20-201.jpg

非常に簡素で小さな箱(48cmx35cmx19cm)の裏板の一部が、有孔板になっており、ユニットの背圧にロードが掛かります。
これだけの仕掛けで、低域から高域まで実にスピード感のある歯切れの良い音を出します。
同社大型のホーンタイプが味わいのある音味なのに比べ、1970年の発売を疑うほど現代的な完成度を誇ります。(これは、Lowtherという卓抜したユニットがあってこその結果です。それ以外のユニットでは真似をしないほうが無難でしょう)

L.I.Bの名は 「Lowther Ideal Baffle」の略で「ローサーが造る理想バフル」という想いを込めた命名に違いありません。
The cabinet incorporated a specially designed anti-phase slave membrane to overcome resonance. と説明されています。

⑥バフルに向くスピーカーユニット

では、具体的に、機会があれば自身でやってみたいものを1つだけ挙げておきます。

◇Jensen A-12
  ウーハーとしてもフルレンジとしても使用可能。JensenにはM-10等の上位機種もありますが、玉数の多さによりA-12の求めやすさは際立っています。
ハカマ付きのものであればマグネット側の固定になんの苦労も無いことも大きな魅力です。


随分と長い間お付き合い頂きましたが、現時点でバフルに関するお話は終了と致します。

結局バフルというものは、スピーカーの後の壁からの距離と壁面の吸音具合を含めてコントロールできなければ中々に難しいものだと思います。
しかし、バッチリはまったときの低域の爽快感は他に比するものが無く、随分と長いこと戯れてきてしまいました。


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コメント
自立した(出来ればリム部分では無く、マグネット、ボイスコイル辺りが直接床に固定された?)ユニットと縁の切れたバッフルが理想だ。
猛烈に動くボイスコイルとその反作用を受けるマグネットを箱やバッフルに繋げる事で固定しようとしても、バッフルを振動させるだけだ。
と言った理解で宜しいでしょうか?
私自身は心ならずもバッフルとユニットの剛性確保と言った方向に進みつつあります。
仰る通りフラフラのバッフルを裸のオイロダインに足しても低域の量が増えるという事はありませんでした。
けれど、暫く鳴らしているいる内に質的な変化があった様に思います。箱やバッフルを変える事で音が変るというよりは、環境の変化がまずユニットに変化を与えて、新しい環境に適応しようとするユニットが変って来る様に感じます。だから一つのユニットを色々な箱に付け替えてその場で音を比べるなんて言う実験は科学的に見えて実は意味が無い様にも思います。
2009/07/28(火) 22:06 | URL | kawa #-[ 編集]
kawaさん、こんばんは。

使ううちに音が変化してくる・・・
全く仰る通りだと思います。
私もスピーカーが部屋のエアボリュームを覚えてスピーカー自身が鳴らし方をフィットさせるのだと考えるようにしています。 エッジがほぐれてエイジングが進んだなんて物理的に捉えても見えないものは解りづらいですから。
振り返ってみましたが、自分のスピーカー(LowtherやA-5など最初から箱入りの物は当然として)で箱を替えた過去はありませんね。

スピーカーに限らず、どんな小さな部品でも馴染むまで最低1年から3年と力説しているのですが、雑誌のインプレ記事の影響でしょうか?替えた途端に「激変」と叫ぶ声が多いようで、中々世間様にはご理解いただけないようです。

今回ご紹介した、ドイツやWE等の製品や記事は当時の技術者の考えが日本では途絶えて、というか殆ど入ってきていないのでディスカバーの一つとして取り上げました。勿論私の発案は一つもありません。
また、バフルは唯の板ですから、それ自体音を出しませんので最高も最低も無いと思います。

前回のEurodynでは平面バフルで残念な結果に終わったという結果報告と、
今回はEuropaを造った人の指示通りにやってみたら、我が家のプレーヤー、アンプ、部屋で偶々良い結果でしたよ、というご報告とお読み頂ければよろしいかと思います。
それにしたところで、聴く人の耳の癖如何では、逆の結果になるかもしれませんが。
2009/07/29(水) 00:47 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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