AD-1シングルアンプ 完結編(現時点で)
ブログというのは結構なもので、日記などとてもつけないものぐさな私でも過去の記事を探すとことで行動の足取りが判ります。
それによると、7月1日にAD-1sアンプの改装を一段落したとあります。
あれから一月半過ぎての経過を振り返ります。
大規模な改変だったので音の変化もあったのですが、低域で緩い感じがあり「初段に新品の球を使ったから、時間が掛かるかな」と思っていました。それまでのREN904は都合10年以上付き合った仲です。
そんな折、昨晩、初段のカソード抵抗(セルフバイアス=我が家では珍しい)の値に適当な手持ちが無く、OMITEかDALEの巻き線抵抗を使っていたことに思い当たりました。

この低音の鳴り方というのがA-5とWestrexのアンプを使っていた時の感じと同じなのです。
上の写真のような木目の凸凹をなぞるがごとき、柔らかく包容力のある音です。
もしかしたらと、カソード抵抗に当たりを付けて、近似値の金属皮膜と取り替えてみました。

写真上がSIEMENSのもの。右はRFTのアンプで使われていた抵抗です。左はある人が「ドイツのアンプの音を特徴付けている」と言っていたMPコンデンサです。ホントかしら。
結果は・・・皆さんご想像の通り、いや、それ以上の違いでした。
まさに、ヘアライン加工した金属の表面の凸凹を指でなぞる感触です。
自分自身でもちょっと驚いた結果です。
低音の出方が変化するということは、高音が変化したことに他なりません。
今回の一件は私に、以前、遠来の客人に訪ねて頂いた時のことを思い出させました。
その時は、Zeissのアンプに不備があり低音が薄く、高音で刺激的な音が出ていたと思います。
遠路来て頂き、全く申し訳ないことをしたと今思い出しても赤面の至りです。
その方は、所謂「凄耳」といえるタイプの方で、帰りしなに、控えめにアンプの不備を指摘され(凄すぎる!)
「300Bを使ったアンプなどいかがだろうか」とご提案を頂きました。
大人の振る舞いと、的確なご指摘に深く感謝をしましたが、当面アンプを代える心算も、経済的余裕もありませんでした。
そして、今回の抵抗事件でその時の自分の気持ちがはっきりしたように思います。
バイオリンを例に取ると、教育を受けた先生の系列でボウイングの仕方に個性があるように感じます。ドイツではK・フレッシュやクーレンカンプに代表されるような、高音が若干丸くなる、というかくすんだ感じを受けます。
オーケストラになってもその個性は発揮され、各地域の楽団の特徴を形作っているようです。
英国のオケのバイオリンは「サーーー」と流れるように弾かれます。
(しかし近年、地球が狭くなりオケの個性が消えたと嘆かれています。なんとウィーンフィルに女性がいた!!!)
今回米国の抵抗から、ドイツの抵抗に換えたことでドイツのボウイングの音を取り戻すことになりました。
確かに、300B(知人のご指名は91アンプ)はたいそう立派なアンプで、その素晴らしさは充分に存じております。我が家の幾つかあるアンプよりも、多くの面で勝っているかもしれません。
しかしながら、どれ程素晴らしい「音」に成ったとしても、バンベルグ響のボウイングが英国や米国、その他の地域の楽団のように聴こえてしまっては、私にとってはとても困ったことになってしまいます。
私は、一流の社の物であれば、部品や製品に優劣は無いと思っています。
使う人間が何を求めるかによって、選択をするだけのことです。
「A」という製品はずば抜けて良い。などという表現は全くおかしなことで、
「B」から「A」に代えることによって、得る物もありますが同じだけ失う物もあることを知らなければなりません。
ドイツの抵抗に変えることによって、金属の強さを得た代わりに木目の暖かさを失ったのです。
米国の抵抗が劣っているのでも、優れているのでもなく、私の個性が逆の物を選択したに過ぎません。
オーディオのマーケットやジャーナリズムに溢れている「最高」や「理論的に優れている」という台詞に振り回されてはいけません。
以前は自身がそちら側にいたことに自戒の念も含めて書き止めておきます。
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それによると、7月1日にAD-1sアンプの改装を一段落したとあります。
あれから一月半過ぎての経過を振り返ります。
大規模な改変だったので音の変化もあったのですが、低域で緩い感じがあり「初段に新品の球を使ったから、時間が掛かるかな」と思っていました。それまでのREN904は都合10年以上付き合った仲です。
そんな折、昨晩、初段のカソード抵抗(セルフバイアス=我が家では珍しい)の値に適当な手持ちが無く、OMITEかDALEの巻き線抵抗を使っていたことに思い当たりました。

この低音の鳴り方というのがA-5とWestrexのアンプを使っていた時の感じと同じなのです。
上の写真のような木目の凸凹をなぞるがごとき、柔らかく包容力のある音です。
もしかしたらと、カソード抵抗に当たりを付けて、近似値の金属皮膜と取り替えてみました。

写真上がSIEMENSのもの。右はRFTのアンプで使われていた抵抗です。左はある人が「ドイツのアンプの音を特徴付けている」と言っていたMPコンデンサです。ホントかしら。
結果は・・・皆さんご想像の通り、いや、それ以上の違いでした。
まさに、ヘアライン加工した金属の表面の凸凹を指でなぞる感触です。
自分自身でもちょっと驚いた結果です。
低音の出方が変化するということは、高音が変化したことに他なりません。
今回の一件は私に、以前、遠来の客人に訪ねて頂いた時のことを思い出させました。
その時は、Zeissのアンプに不備があり低音が薄く、高音で刺激的な音が出ていたと思います。
遠路来て頂き、全く申し訳ないことをしたと今思い出しても赤面の至りです。
その方は、所謂「凄耳」といえるタイプの方で、帰りしなに、控えめにアンプの不備を指摘され(凄すぎる!)
「300Bを使ったアンプなどいかがだろうか」とご提案を頂きました。
大人の振る舞いと、的確なご指摘に深く感謝をしましたが、当面アンプを代える心算も、経済的余裕もありませんでした。
そして、今回の抵抗事件でその時の自分の気持ちがはっきりしたように思います。
バイオリンを例に取ると、教育を受けた先生の系列でボウイングの仕方に個性があるように感じます。ドイツではK・フレッシュやクーレンカンプに代表されるような、高音が若干丸くなる、というかくすんだ感じを受けます。
オーケストラになってもその個性は発揮され、各地域の楽団の特徴を形作っているようです。
英国のオケのバイオリンは「サーーー」と流れるように弾かれます。
(しかし近年、地球が狭くなりオケの個性が消えたと嘆かれています。なんとウィーンフィルに女性がいた!!!)
今回米国の抵抗から、ドイツの抵抗に換えたことでドイツのボウイングの音を取り戻すことになりました。
確かに、300B(知人のご指名は91アンプ)はたいそう立派なアンプで、その素晴らしさは充分に存じております。我が家の幾つかあるアンプよりも、多くの面で勝っているかもしれません。
しかしながら、どれ程素晴らしい「音」に成ったとしても、バンベルグ響のボウイングが英国や米国、その他の地域の楽団のように聴こえてしまっては、私にとってはとても困ったことになってしまいます。
私は、一流の社の物であれば、部品や製品に優劣は無いと思っています。
使う人間が何を求めるかによって、選択をするだけのことです。
「A」という製品はずば抜けて良い。などという表現は全くおかしなことで、
「B」から「A」に代えることによって、得る物もありますが同じだけ失う物もあることを知らなければなりません。
ドイツの抵抗に変えることによって、金属の強さを得た代わりに木目の暖かさを失ったのです。
米国の抵抗が劣っているのでも、優れているのでもなく、私の個性が逆の物を選択したに過ぎません。
オーディオのマーケットやジャーナリズムに溢れている「最高」や「理論的に優れている」という台詞に振り回されてはいけません。
以前は自身がそちら側にいたことに自戒の念も含めて書き止めておきます。
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コメント
抵抗1つで音が変化する、、ほんとですね。
小生もデールのカーボンや巻き線抵抗使っていますが、カソード抵抗1つ代えても音の変化は大きいですね。不思議ですね! 特性上はどの抵抗も大きな違いは無いのでしょうに。
でも反面失うものもある、同感です。結局当事者の取捨選択が好みの音のバランスをつくっていくのでしょうか。小生ももっと自分の感性を磨かなくては(>_<)
小生もデールのカーボンや巻き線抵抗使っていますが、カソード抵抗1つ代えても音の変化は大きいですね。不思議ですね! 特性上はどの抵抗も大きな違いは無いのでしょうに。
でも反面失うものもある、同感です。結局当事者の取捨選択が好みの音のバランスをつくっていくのでしょうか。小生ももっと自分の感性を磨かなくては(>_<)
2009/08/08(土) 16:03 | URL | kunitan #SFo5/nok[ 編集]
本当に不思議な世界ですね。
今回はカソード抵抗1本だけの交換でしたので、因果関係は間違いないものと思います。
やっぱり、パスコンやプレート抵抗でも変わるんでしょうか。
感性を磨く! 痛いところ突かれちゃいました。
オーディオでは部屋と並んで最もコストの掛かるファクターでしょうね。
部屋といえば、今が一番楽しい時ではないですか?
秋になったら是非もう一度お邪魔させてください。私も楽しみに待っています。
今回はカソード抵抗1本だけの交換でしたので、因果関係は間違いないものと思います。
やっぱり、パスコンやプレート抵抗でも変わるんでしょうか。
感性を磨く! 痛いところ突かれちゃいました。
オーディオでは部屋と並んで最もコストの掛かるファクターでしょうね。
部屋といえば、今が一番楽しい時ではないですか?
秋になったら是非もう一度お邪魔させてください。私も楽しみに待っています。
2009/08/09(日) 00:43 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
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