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良い音ってなんだ  (スピーカーの成長)

随分長い間、夢の為に自分に厳しく生きてきました。
もしかしたら、昼食を500円に抑えたり、好きな煙草を控えていたのかも知れません。

こつこつ貯めた貯金に、不景気の影響で数年前より目減りしたとはいえ今年も貰えた夏のボーナスを最後のダメ押しにして、夢にまで見た今日を迎えたのです。

                                    

今日のお話はこれを読んでくださっている貴方が主役です。
憧れの大型スピーカーをついに購入したのです。・・・オメデトウ! そんな晴れの日を迎えた心算で読んで頂けるとありがたいです。

これまでは所謂ブックシェルフ型のスピーカーでした。
長年の間、あちらこちらで試聴を繰り返し、検討に検討を重ねて選んだ1台です。
ALTECのA-7でもTannoyのフロアー型でもかまいません。憧れのスピーカーを手中に収めた日のことを思い浮かべてみて下さい。

家人を煙に巻きつつアンプだけは手抜かりなく大型スピーカーに見合うものを既に揃えてあります。
逸る気持ちを抑え、とりあえず結線を終了し、第一声を聞きました。

こんなはずじゃない!

そうです。磁気回路が強力で、コシの強い振動板を持った「卓抜な」スピーカーは、それが優秀であれば有るほど長い時間をかけて成長を待たなければ良い音にはなりません。

これは当たり前のこととして、オーディオ店やマニアの同胞に相談などしてはいけません。やれ、アンプが良くないだの、インシュレーターが必要だなど、果てはコードを変えろだの、方角が悪いだの先祖の供養にツボを買えだのと・・・
愚にも付かない出費を強いるばかりです。

スピーカーは成長の過程で音の傾向を変化させて行きますから、きちんと鳴ってからでないとアクセサリーや対策品をその度に何回も買い直さなければいけません。
雑誌に書いてある「確実に音の良くなる秘法」はもっと、ずっと後に試して下さい。

スピーカーがそれ自身で良い音を出す術を身に付けるまでは、最初におよその傾向付けをする位にしておきましょう。何かをいじると、その度に「0」からやり直しになってしまうかもしれません。

                                  

では、私の感じた範囲でスピーカーの成長過程を書いてみます。
全てこの通りでは無いと思いますが、これまでに使用したスピーカーはほぼ同じ育ち方だったように思います。
また、ある程度の段階まで行ってしまえば、何かを変更しても短期間で元のクオリティーに戻れるようです。

[導入段階=第1段階]

これは凹みます。
オーケストラですと、左右2台のスピーカーから直接2団体が演奏しているように聞こえます。
ピアノなら2台で連弾しているようなものです、ソロなのに。
センターからは何も聞こえないんじゃないか?というほどのこともあります。

劇場用スピーカーなどで長いこと使われていなかったものや、ウーハーが馬鹿げて強力なものほどこの傾向は強いように思います。Eurodynは2機種ともそうでした。それと、WE728B・・・くそー。思い出しても苦しい。でも結果的にはこの2機種は他を圧倒するパフォーマンスを示した訳です。
逆に、我が家では、JensenのType-HやVitavoxは始めからあまり苦労しませんでした。Lowtherもアコースタは穏やかでしたが、PW-2クラスになるとよっぽど手強かったです。

また、前のオーナーがきちんと鳴らしていた物は、始めは良い音がします。でも、金魚と一緒で水槽が変わると、結局一度は愚図りますね。

導入して半年も経つと、音は大分落ち着いてきます。
まだ、元気が良過ぎるというか、上滑りな印象が残ります。

我が家も含めてですが、オーディオマニアのお宅で鳴っているスピーカーは、けっこうな数がこの段階ではなかろうかと、不吉なことを言ってみたりします。
弄りすぎたり、我慢できずに「グレードアップ」と称してスピーカー自体を交換してしまったり。結局、次のステップに進めずにいつも第1段階の音ばかりを聴いているのが、良い音を求めているはずなのに機械いじりも好きなマニアという人類の宿命なのかも知れません。

Europaを使うようになってやっとそれまでの反省が活きて、2年ほど我慢して鳴らし続けたので少し進みましたが、初めての経験だったWE728Bの頃は奮闘しすぎて7年も掛かっちゃいました。
若かったからいいけど、今から7年もかけたら・・・死んじゃいそうです。

[初期段階=第2段階]

1年が過ぎた頃、随分と音がほぐれてきたように感じます。
左右のスピーカーからの直接音はまだ強いのですが、センターからも楽器が聞こえてきます。
ヴォーカルやピアノソロならば、かなりセンターだけから聞こえるようになりました。
ただ、フォルテの一撃が来ると、音が妙に前へ迫ってくる感じがします。

Jazzを聴かれる方の中には、ソロ演奏の時に音が迫って来て欲しいということで、この傾向を推し進めて聴くことを好まれる方も見えるようです。
山口氏でしたか、「オーディオとは別の世界にJazzオーディオなるものが存在する」と書かれていましたが、まさにその通りだと思います。

特にオンマイクで録られたレコードには有効な手段かもしれません。趣味の世界は奥が深いもので、パラレルワールドを熱く生きる人の再生を聴いても素晴らしい物には等しく感動できるものです。

私はそちらの世界には暗いので、段階を進めていきましょう。

[青年期=第3段階]

導入から1年半程経ち、音質もかなり滑らかになってきました。
ヴァイオリンやチェロバスが手前で、管楽器は後方から聴こえるようになりました。
スピーカーの左右の間隔の1/2程度の奥行きが感じられます。

毎日、レコードで音楽を聴くのが楽しくなってきます。
「俺んちも結構いけてるじゃん!」
気が付くと、帰宅時間が早くなったような。兎に角、毎日少しでも長く音楽を聴いていたい。
家族サービスさえ怠らなければ家庭円満ですね。

このまま順調に成長を続けると、左右の間隔と同じくらいの奥行き感が得られ、いよいよ次のステージへ進むキッップを手に入れることが出来ます。

しかし、ここまでは、無用な「オーディオ的対策」をしなければ比較的達成し易いと思いますが、次のステージへ進むには、かなり長く険しい道が待っていると感じています。

私の家のEuropaも普段聴ける音は、この次の段階への成長過程の音だと思っています。
深夜まで聴き続けていられるときは、時々その気配を感じされるようになってきましたが、まだ第4段階と認定するには時期早焦のようです。

では、次回に後編です。


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コメント
磁気回路が強力で、コシの強い振動板を持った「卓抜な」スピーカーの話の後でこんな例を持ち出すのは気が引けます。
高校生の頃、廻りにはブックシェルフの2ウェイ3ウェイが一番多かったのですが、雑誌には毎回長岡さんの製作記事が載っていました。20センチのフルレンジで始めようという人も沢山いました。長岡教のFEシリーズを別にすれば、LE8Tとコーン紙の黒いproバージョンに人気がありました。人気はあっても高いJBLにはおいそれと手が出ません。人それぞれの選択があったと思います。
高校生の目にはGT管に比べてMT管の出力段は情けなく見えました。同じ様にプレスフレームよりダイキャストフレームのスピーカーが格好よく見えたのです。フルレンジや普通の2ウェイに比べて同軸は理想的に思えました。そうしたスペックで絞り込んだ松下の同軸2ウェイは重くて弾まない低音とドームツイーターの細い高域で思った通りには鳴ってくれませんでした。
ダクトをいじったり箱を換えたり、ツイーターを別置きのホーンにしたり色々いじりましたが全てが的外れでした。ただ最後に70リッターの箱に二つ入れてWウーハーにした時はこれは上手い手を見つけたと思いました。
Wウーハーは別の箱に入れろという話を見た事があります。まったく正しい意見だと思います。
二つのウーハーを一つの箱に入れるとこの世の物とは思えない酷い音がします。
けれど聴くに耐えない酷い音を半年我慢するとある日突然同調が取れるのでしょうか。レンジが延びて量感が増えて歯切れも良い、何よりあの重い低音が嘘の様に弾み出します。
何の話でしたっけ。スピーカーには調教が必要だ。それも済まさぬ前の右往左往はろくな結果を招かない、と言う話でした。
一つのユニットを箱を換えダクトを換えてあんなに色々いじったのはこの時だけです。
世界の銘記についての経験がお話出来れば良かったのですが、安物の話で失礼しました。
2009/08/15(土) 00:08 | URL | kawa #-[ 編集]
kawaさん、こんにちは。

貴重な体験談で、拙文を補完頂きありがとうございます。

「Wウーハーは別の箱に入れろという話」
先人の意見や理論は、助けられることも多いですが自宅では当てはまらぬこともあるんですね。

私にも理由はさっぱり分かりませんが、我慢して聴き続けると良い事があるような気がします。
SPレコードのコレクターで有名なあらえびすさんの言葉がもしかしたらオーディオの真実かなと思ったりします。

曰く 「良き曲、良き演奏、良き録音」

氏の仰る「名盤」の条件なのですが、
こうしたレコードを聴き続けることだけが、オーディオの音を良くするのではないかと。

調教というと、人間の意志で行う行為のようで私にはしっくり来ませんので、成長としました。
スピーカーの人(品)格によって、彼が勝手に成長してくれるという想いです。

私たち人間は、品格のあるスピーカーを選ぶことだけが最終行為のような気がします。
その後は、もうできることは僅かしか無いような。逆に子供に気を回しすぎて、嫌われちゃう親の気持ち子知らずみたいな。

*神田の古書センター9Fのレコード社にあらえびすさんの使っていたクレデンザが置いてありました。
(今は分かりません)時々聞けたようです。・・・いらんプチ情報でした。
2009/08/15(土) 16:36 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
調教する側に到達すべき目標が見えている場合と区別するべきでしょう。
スピーカーユニットがある環境の中で本来持つ素性を明らかにしてくれるのをひたすら心待ちにするという意味で成長という言葉が適当かも知れません。
2009/08/16(日) 03:52 | URL | kawa #-[ 編集]
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