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デジタルなオーディオ  歌は世につれ世は歌につれ

みなさんご想像の通り、私はデジタルなオーディオに関してはからっきしです

その中で、いくつか不思議に思うことがありました

その1

横浜のTさんが2年ほど前までLUXMANの高級SACDプレーヤーを使っていて
当時は、同じLUXMANの高級セパレートアンプと ソナスの高級スピーカーだった

ご自分の家の音にどうも納得がいっていないらしく

「どうしたら良いですか?」と深夜のロイヤルホストで(青白い顔で)相談を受けたことがある
その時は、案外と軽い気持ちで「少し古いCDPを使って見たら」と答えて、早速REVOX B226という30年も前のCDPを購入し、その余りの音楽の違いに驚愕の声をあげたことがある



b226_2.jpg


その時はまだアンプやスピーカーが変わっていなかったのに

「LUXMANの SACDプレーヤーは、音楽にエコーが乗りすぎる」と力説していた
正直、そんなことあるのかなあ?と聞いていたのですが



今年になって、Mさんという方のシステムを一緒に作りましょうという段になって
CDを聞いた時に、とてつもなく嫌らしいエコーが付き纏って、深い霧の中に音楽が埋もれてしまっているように聞こえた

プレーヤーはSONYのSACD機で巷では名機と誉れ高い機種だった

その時、ハタと上で紹介したTさんの言葉を思い出した   ダメもとでCDPを変えてみよう!

そこで、MARANTZの古いCDーRを持ち込んで聞いて見た
cdr640.jpg


なんと言う事だろう
濃霧は立ち所に晴れ渡り、裸の音楽がむき出しに出現したので余りのことに尻込みしてしまった

Tさん、ありがと〜


この一件があった後、検証のつもりで幾人かの人に話をして見ました

ある人はLinnのCD12を使っていたが、音に芯が出ないことに我慢がならず今はSTUDERのA730 A727をお使いになっている、もちろん現在は満足されている

f0139948_1025288.jpg



さて、ここで考えてしまった

上記の新鋭機は業界ではいずれも高い評価を受けているものだし、ましてエコーが強すぎて音楽が曇るなんていっている人に出会ったことがない

自分には思い当たる節がある
でも、また色々と各方面にご迷惑を掛けてはいけないし、今日は感想は言わないとの思いもあるので詳細には書かないが

現代の思想で設計されたスピーカーやアンプと組み合わせた時に、最新のCDPはマッチした音楽を奏でると言うことだ

これは、音楽収録(録音)現場でも同じことが言える  一例として
1950年頃のピアノのLPと2000年以降の録音を比べてみれば一聴してわかるでしょう



ここに挙げたLUXMANやSONYのCDPがよろしくないと言うことではないのです  当然です
しかし、組み合わせるアンプやスピーカーと、それにも増して聞くCDを間違えると、悲惨な評価になってしまった



残念なのは、多くのオーディオマニアがこの点に対して全くと言うほど無頓着な事です
多くの人が雑誌の評判や、今ならネット上の評価、販売店や先輩の口伝によってなんの根拠もないまま

個々人の好み、イメージ、憧れなどご自身の都合だけで機械を購入し、機械の都合に耳をかさないのであればうまくいかない事が多いと思う

怖いのは自身の選択を信じているから、普段音楽を聞いているだけではエコーの付加を知る事も疑う事も出来ない

前述したTさんはたまたまREVOXと同居して聴き比べたのでおかしいと感じることになったし

次のMさんの場合は、システムを組む相談を頂いていたので忌憚無い処を申し上げたのだけれど、そんな事を言われたご本人は「ナニ言ってんだコイツ」と思ったでしょう

こちらとしても、ただ遊びに伺っていたのならそんな不遜なことは言う筈もないのです




歌は世につれ世は歌につれ  と申しますがオーディオも全く同じで

音楽収録やスピーカーの技術、それを駆動するアンプも全て一本の糸で繋がっているのです

時代があり、そこに生きている人の人生があり全てを包む時代の空気によってです

私の長きに渡るオーディオの時間は
ずーと、そのことの確認の歴史でした、ただの一つの例外もなく







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「すてれお」 の再生

実は以前も同じことを書いたなあ
僕はオーディオを始めてからウン十年同じことを言っているんだなあ
進歩のない人間だとつくづく思う

http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-266.html

メタボパパさんがブログ仲間とやり合っていて、うまい表現を考えてほしい
と言われて書いた記事だ、随分とブログの世界から離れているけれどパパさんは元気しているだろうか?


この「音場」とか「定位」について、またまた愉快な書き物を見つけたので少し掘り下げて考えて見たいと思う


その名もズバリ
「オーディオに定位は不要」と云うのだから、一周回って実に潔くてよろしい!

細かく書くのはもうメンドくさいので、興味のある方は上記リンクの過去記事を読んで頂きたい
それで以上終了なのだけれど、読み物として愉快なのでもう少し掘り下げてみよう


話は簡単だ
ジャスやロックのナマ演奏、クラシックのコンサートのどこにも定位現象はない。


SRを使用する電気楽器とクラシックのコンサートを一緒するところから説明しなきゃいけないのか?と途方にくれるが
少なくともオペラやオーケストラを聞きに行って目を瞑って聞いていても何処で誰が演奏して居るかは、交差点で声をかけられて全くどの方向かが分からなくないのと同じくらいには当然分かる


それは特段ステレオ的な聞き方なんかしなくたって

耳が2個付いている人間の構造上の問題なのだから否でも応でも楽器の所在はわかる・・・と以前にも書いた




ステレオ再生において、”定位”なる概念が生まれたのは、いつだろうか?


その答えは「マタイ」を聞きに教会へ行けばどんな人にも一目で分かるはずです
蓄音器なるものが発明される遥か以前のことですよ

画像検索したのですが、演奏会形式ではマタイの醍醐味を味わえそうな写真を中々見つける事が出来ませんでした
その中で流石!の

マタイ_convert_20180116024910

魂のバッハ・カントル  リヒターです

もう一枚、マーベラスな配置を実現したのは

まったい_convert_20180116024330

やっぱりと言うか アーノンクールでした

Bachはマタイに立体音響の効果を織り込んで=演奏時に立体的に聞こえる音を期待して作曲したのですよ

ステレオレコードで聞く事で、バッハの想いをより正確に受け取る事ができるでしょう




当たり前だが、名盤の宝庫であるジャズ・クラシックのモノラル盤にも定位なんかない。


モノラルレコードを聞くと広大な音場情報が入っていて、それは21世紀の最新優秀録音盤なんかでは足下にも及ばないリアルな再現になります

モノラルどころか、蓄音器でSPレコードを聴いても天井の高さが見えるように分かります

大変恐縮な物言いですが
再生側の微少信号のクオリティが不十分な環境で音楽をお聞きになっている場合には絶対に音場感を認識出来ません



そして、音像は点じゃなく、馬鹿でかく肥大するのが正しい。
何故なら、ナマ演奏の音像はとてつもなくデカいから


これは、個人の自由で・・・といってあげたいところですが

胴の長さが40cm程のヴァイオリンを10m〜15m離れた場所(客席ね)から聴いてとてつもなくデカイ音像に聞き取れるとなると・・・困りましたね  とてつもなく困りました



前略・・この設置を実現できれば、モノラル盤から、演奏家の心が聴こえて来る。
モノラル盤が上手に鳴れば、ステレオ盤はさらに向上することが経験から分かっている。
結果として定位に優れる盤もあるかもしれないが、
演奏家の心が鳴っていれば、定位などラーメンの”なると”と同じようなモノだ



かと思うと、こんな鋭い感性も持ち合わせていたりするので余計に困った事だ

「なると」でも「チャーシュー」でもいいのだけれど、ステレオ再生における定位が勝手に付いてくるナルトのようなもの・・これは良い表現だと思う


音場情報はレコードの中にもう既に入って売っている(実際は入っていないレコードの方がはるかに多い、下記参照)
聞き手がいるとか要らないとか、出すとか出さないとか言うべきものとは根本的に異なる

ナルトもチャーシューも入っているならありがたく食う
好き嫌いやアレルギーとかで食べられない食品がある人は、本当にかわいそうに思う

作り手(ラーメン店主も作曲家も演奏家も同じ作り手)が考え抜いて時には命を削って作ったものは
一見取るに足らないと思う人がいるようなナルトであっても入ることで完成しているのです

聞き手が手前の嗜好で要る要らないなどと言い出すのは、僭越至極だと肝に銘じ厳重に慎むべき事です

あなたはモーツァルトを聞きながら「ここのフルートは要らないな」なんて言いますか?




まあ、結論は

そもそもオーディオに定位なんてありません

定位(音場)情報はレコード(CDでも良いが)に入っています
その情報を聞いて脳が認識した際に、脳内で定位を再生成する人間の脳のメカニズムなのです


オーディオ装置の使い方や能力や特徴とは無関係です
したがって
「これは音場型スピーカーですね」
「バッフルは狭い方が音場作りには有利」だなんて聞くとコメントに困ります、お前が「音場」作るなよー  って



さて、その定位を感じる為には以下のような、極々簡単な条件があります

・2chステレオ録音された音源であること
   ほとんどのJAZZやPOP'sの音源では立体的音場再生は不可能です、レコードに音場情報が入っていないからです
  それらには、パンポットと音量差による多チャンネルモノラル信号しか入っていません


・再生装置が、楽音(ヴォーカルや楽器の音)から40〜50dB小さな音を再現できる能力を持つこと
  理由は、この暗雑音ギリギリの微少信号の中に方向や距離感を再現するための情報が入って居るからです
 それはピアニシモとかシャツの擦れる音などというレベルでは無く、音なき音=空気の動きのような微少信号です



マニアの方と話していると
ピアノは難しいとかオーケストラはもっとむっずかしい と言うのはよく聞く話です

でもそんなのはプレイボタンを押してヴォリュームを上げればいやだって出てきます
何も難しいことなんかありません

本当に難しいのは、耳には聞き取れないほどの  音ならぬ音=微少信号を正しく再生することなのです

淡雪のように、儚く脆く、すぐに壊れて消えてしまいますから







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Western Electric 124というアンプ

これは極めてありがたいお話なのですが

本当に多忙にさせていただいています
ブログを書く暇もない なんてのは大嘘なのですが、書くには相当の気力が必要なことも確かなのです


と言うわけで

今日は備忘として列挙だけしておきます

PICT4900.jpg

今年の夏前にメンテしたC形

入力は618AやBもお持ちなのですが、よりブロードに使えるピアレスのINPUTに決めて搭載しました
これが駆動するスピーカーがトンデモナイ化け物ですので正解だったかと思います

先日、術後の経過を見に立ち寄った際に
ビートルズの 「サージェントペパーズ ロンリーハーツ クラブナイト」のオリジナルLPを聞かせていただきました

椅子からお尻が浮き上がるほどぶっ飛びました!!

確かにWEとやらは、とてつもないのかも知れません

PICT4896.jpg

刻印の274B元箱入りですかね
最初についていたプリントの274Bが破棄値の30%ほどに減っていたので「こちらを付けてもいいですか?」と問うたところ
食い気味に「どうぞ・・」で挿入
この球を躊躇なく使える人でないと、このアンプを使えないのかも知れません

と申しますのも
出力管の350Bと合わせて、予備球の半分近くが動作不良で使えないという殺生な現実があったのです



次は秋頃にメンテしたA型

PICT4939.jpg


お二人とも沢山の予備球をお持ちだったので全ての球の試験をしてみました
返す刀で、350Bを所有する知人の物も大概は計ってみた

かなりの数に達したので生存率は上がってきたが、各々の購入金額の総額を生存者数で割ったらバカバカしくて使えないような金額になるだろう




そういえば随分前より先人達から「350Bは寿命が短くてたまったもんじゃない」という話を度々聞いていた

今回の調査でその一端を垣間見たのかも知れないが、その逸話を聞いていた時分から僕の中では釈然としない想いはずっとあったのだ

Westernだからということもないが、どんなメーカーだって半年や一年でダメになる球やアンプを作っていたら社会問題になるはずだ。ありえないね・・・と

でも通と呼ばれるお人は、おかしな理屈を引っ張り出してきて自分をだましちゃうんです


当時は業務用だから球が切れる前に、交換時期が来たら強制的に取り替えていたから問題なかったんだ

なんて、いかにもそれらしい嘘っぱちで自分の方から都合よく騙されている

いやいや、バカをいっちゃあいけない
FM放送だって、映画館だっていつ切れるか知れない球を使って木戸銭とって営業なんてできやしねえんだ

高座で 寝ていてぇ許されたのは日暮里のお師匠さんだけでぇ
アメ公がそんなに気が長えわけはねえだろう



今回、アンプの方を見せてもらって、一体何があったのか凡その見当はついたような気がします

原因は2つに大別されるでしょう

一つは与太郎のアンプで使うと、立派な球もすぐに切れるということ

もう一つは球自体にも与太郎がいるということだ


実際にメンテの済んだアンプの球は半年以上経っても 切れるどころか電流の1mmだって減るそぶりはない


それと沢山の球を見せてもらって、なんとなく外見を見て「これはダメだろうな」という鼻が効くようになってきた
その目で、今のネット・オークションなんかを見るとやばい奴が相当数紛れて居る

多くは出して居る方もわからないんだろうが・・・お気をつけあそばせ




これは想像というより、統計学上の判断(選挙の時の出口調査→すぐ当確ほどの高精度である)なのだけれど
この世に実在する相当数のWE124はひどい状態でひどい音を出していることが容易に想像できるのが怖い



そうすると、あちこちでこんな会話も聞こえてくる

流石にウエスターンだねえ、他では出せない味のある音がするものだ

え? 帯域も狭いし低音なんか全くでないし、音が団子状になっているって?

おまいさんねえ、滅多な事を言うもんじゃないよ

こちらは、天下のウエスターン様だよ

なんだね。この奥深さがまだおまいには理解できないんだろうね・・若いね

私くらいの年になったらわかるからさ それまでに買えるように精々稼ぎなさいよ

てやんでぃ 何言ってんだい くれるったって要るもんかい  そんな変な音のアンプ!



全くもって「酢豆腐」そのものですよ

もう一度言いますけれど

WE124は 腰を抜かすほどトンデモなく素晴らしい音のするアンプです







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人真似で買ったレコード・・・結果は?

そうなんです

そろそろお暇しようかと、飲み残しのコーヒーなどをぐいと呷ったその時、レコードにニードルがコンタクトする「ポツ.パツ」という音が聞こえてきました

オーディオとは簡単なものです、ニードルのタッチダウンの音を聞けば全てがわかります
このタッチ音ならば悪い音がするはずがありません

リードグルーブを進む一時のしじまの後に、抑えたしかし力に満ちたアカペラのmezzoが滑り込んできました
カンツォーネかジプシーの音楽の様な悲しみを帯びた旋律でしたが、聞いた記憶がない曲です

1分ほどでしょうか手を止めてその声に聞き入っていました
すると、とてつもない実体感を伴ったギター伴奏が歌手の左奥3mほどの位置から飛び込んできたのです

これには心底びっくりして、何十年ぶりかにオーディオの音を聞いて腰を抜かしそうになりました
ジャケットを見せてもらうと、大して古くもない年代のレギュラー盤だったので拍子抜けしたことをはっきりと思えています


PICT4894.jpg

ベルガンサ先輩の「スペインの歌」  1974年のリリースとありますから最新録音盤!ですね(笑)
伴奏はイエペスのギター一本で全曲をカバーしています

我が家のKlangfilmではギターの胴鳴りの実像が全く及びません、最新録音そのもののスチール弦の振幅しか感じられず、ギター独特の乾燥した薄板が共鳴しあって膨らんだり縮んだりする様子が伝わってこない





その時私は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたでしょう
Kさんとオートグラフ・システムの構築に取り組んでまだ3ヶ月ほどしか経っていないのにこの出音は一体どうしたことなのでしょう

ポケーッとした頭で、どうしてこんなことが可能だったのか?遠くにベルガンサを聴きながら考えました



・とりあえず、一回ご自身の趣味嗜好を封印して、機械的な正しい使い方を受け入れてくださったこと

・・・・結局、ラインに入る全ての機材をメンテしてどこにも不確定要素を残さなかった
このことによって、途中「この機械が悪いかも?変えたほうがいいのかも?」とは一度も議論にならなかった


・開始して2週間ほどで音楽の姿に変化が出始めてからは、ご自身の「求める音」「好きな音」という音を良くするために一番障害となる意識を捨ててくださったこと


・当初描いたグランドデザインに沿ってこちらで手配した決して安くはないパーツに対して、100%何の疑いもなく採用していただけたこと
  

・・・・実はこれが難しいことで、部品を買う前から「音が気に入らなかったらどうしよう」「買う前に試聴できないかな?」なんてことを言っている様では全くお先真っ暗だ


以上のことは文に書くことも、まして読むことはとても簡単なことだ
しかし、やれと言われて簡単にできるものではない、ここを理解できずに波乱万丈の(音もお金も)オーディオ人生を送っている人を数限りなく知っている。残酷な、しかし疑いようのない現実だ





一つ、後日談を申し上げて今回のテーマを結びましょう


プリ・パワー間にお手持ちのケーブルを使用して問題が出た、「バズ・ノイズ」を引いている。ならばショートさせましょうとプラグを開いた時、ケーブルを見てとても嫌な気持ちになった
私はケーブルの音の評論なんかするつもりはない。構造を見て良からぬ気配を感じただけ


Kさんに聞いて見た。
「外国のガレージメーカでF◯ Aという会社のもので新品なら10mで数十万円以上するもの」とか

その構造、絶縁体の色や手触りからしてカナレ辺りと同じ工場製だろうか、だとしたら随分と吹っ掛けたものだ

ちょっと変えて見ましょうかと
その時持ち合わせていたバランス・ケーブルは長さが足りなかったので2種類の物を繋いで差し替えた
EMTを買った時におまけで付けてもらった物と、klangfilmのアンプラックをバラした時に一山いくらで買ってきた古いケーブルで、合わせても5千円ほどだろうか?

その時はKさんと、会社のMさんと私の3人がいたのだが、ケーブルを変えて音を出した瞬間に3人とも顔を見合わせていた

一休さんの虎退治ではないが、絵に描かれていた虎がその絵から抜け出して目の前にスックと立っていたから




この話には教訓がたくさん含まれるが、一つだけ・・・・

システム全体の整備が終わりスピーカーから望みうる最良の音楽が出現したその後にケーブルを変えたので意味があった

現状の音に納得できない、好みに合わないなど不満があり
ケーブルや真空管やその他の「テクニック」を使って「いい音にしてやろう」ではいつまでも同じ平面を回り続ける恐れがありましょう



まず、80点の土台を作る
ここに行くまでは必ず数字的な根拠が必要なのです

家を建てるのに設計図もなく、水準器や定規すらない状態で「自分が気持ちよければ」それでいいと工事を開始したのではまっすぐな家を建てることはできません




Kさんの音はこれから10年かけてKさんしか出し得ない音に育って行くでしょう

個性というのは自分から発表するものではない
一心不乱にその道を歩めば、時を経て周りの人から「あの人らしい音だ」と評価されるものです
「俺の好きな音はこうだ」なんてやるのはもっとも恥ずかいことと慎まなければいけません



逆に、Kさんがグランド・デザイン(設計図)を踏み外して好みの音にしようと、ケーブルや真空管を取り替えるならば瞬く間に10点の音に下がってしまいます

音を忘れて、10年間ただ音楽を聴く
その末に恐ろしいほどの個性と響きが付いてくることは小布施はBUDさんのマスターが証明してくれています


それほどにオーディオとは儚く、脆く些細なことで価値を損なう反面

実にシンプルに簡単にいい音がするものなのです

どんな音にするかは、あなたの頭の中で「もう決まっています」それ以外の音は決して出せません















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何年ぶりに影響を受けて買ったレコード・・・有り〼

その方は、一年ほど前から何度か我が家にお越しいただいたことはありましたが、こちらから伺ったことはありませんでした

今年に入ってから春頃に、BUDのマスターと旧知のTさんにお誘いいただいて初めて訪問が叶いました
40畳以上の立派なリビングにオートグラフとWEのモニタースピーカーが鎮座しています

プレーヤーは4台?5台?もあったでしょうか、それぞれに3本づつ、今では極めて希少になったORTOFONのヴィンテージアームとさらにそれに倍するカートリッジの数々が控えていました
プレーヤーの対面にはロンドンの新聞紙で作られたと言われる大型のストレートホーンを持つEMG製グラモフォンがあります

その方はKさんとおっしゃいます
以降ガラード、マッキンのプリアンプとメンテを担当させていただくうちに、オーディオへの想いやお悩みをお聞きするようになりました

Tannoyのオートグラフ(モニター・ゴールド搭載の英国製オリジナルセット)は世評の通り、低音の分解能が悪い「雰囲気」だけの音なのだろうか?と
自分自身そう感じる部分はあるし、誰に聞いてもらっても口を揃えて

「オートグラフとはそういうものだ、無駄な抵抗はやめて別のスピーカーにしたら」の大合唱だというのです

私は胸を張ってこう言いました

大丈夫です。オートグラフは全帯域で引き締まった、他のスピーカーでは出し得ないニュアンス豊かな音楽を必ず奏でます!へんてこりんな音しか出ないスピーカーが歴史的名器と言われるわけはないんです!信じてください

まあ、そんなこと言われたってKさんは全く信用していなかったでしょうね
それほど我が国におけるオートグラフの定評(良しにつけ悪しきにつけ)は根強いと言わざるを得ません




このブログで以前に書いたかもしれませんが

私は昨年の天高く晴れたある日 
ボーーーっと椅子に深く腰掛けて本を読んでいる時
Tannoy創業者のファウンテンおじいちゃんのお話だったが、その時ファウンテン翁その人から啓示を受けたのだ(ウソウソ)
オートグラフが生まれた必然と、その意図を忠実に理解、構築できればオートグラフはとんでもない音楽を描くのだぞよ・・・と

Kさんの御宅のオーディオシステムの構築を一緒に考えていくご依頼を承ったことにより
早くもその教えを実践する機会に恵まれたのです



個人情報の保護のためにお部屋の写真を載せませんが、機材のカットインでご覧ください

PICT4855.jpg


それから、3ヶ月ほど通いつめ、没頭してメンテを行いシステム構築のお手伝いをしました
梅雨入り前には当初に描いたグランドデザインを現実にすることができました

出現した音や音楽を言葉にするような無粋はしませんが、逆にいえば簡単に言葉にできるような音はその程度のクオリティに止まる
本当にうまいもの、本当に良い音楽を目の前にした時人間は息を飲み言葉を失うもの。とだけ申し上げておきます


この世の全てのオーディオマニアのオートグラフに対するイメージを覆す音楽が出現しています
低域の量感と解像度の両立は他の装置では中々味わえぬテクスチュアであり、オートグラフがまごうことなく時間を超越した歴史的名器であることが納得できます




一つ付け加えると、オーディオ雑誌やマニア推奨の

・音質向上策
・魔改造
・スペシャル・チューニング
・ルーム・チューニング
・ケーブルやアクセサリー類の比較選択 等々

の類は一切おこなっていません

それどころか、音に悩んで色々と施してあった対策やアクセサリーを一つ、また一つと取り除いてゆく道程でした
その度に厚く立ち込めた雲の向こうから少しづつ音楽が姿を現し始めました



只々ひたすらに、
パワーアンプとスピーカーの組み合わせに留意し
カートリッジとトランスとEQの総合周波数特性をマッチングさせることに腐心し
インピーダンスの整合に気を払い、ゲインの配分に集中しました
それと同時に各々のパーツが十全な性能を確保するためのメンテナンスを行ったに過ぎません

普通のマニアが見ると「ポン置き」にしか見えないだろう「音質対策」と言われることは何一つしていないのだから
しかし、水面の下では数値的な根拠に乗っ取り莫大な数のロジックというバタ足でもがいて推進力にしています


PICT4749.jpg


まだ、肌寒かった頃に漕ぎ出したこの冒険活劇も、半袖シャツが必要になる頃には帰る港が見えてきました
今日で一応、オートグラフのシステム構築は終了します、あとは聞き続けることで10年は成長を続けると思いますよ
なとど言いつつ工具などの片付けを始めた頃、Kさんは1枚のレコードをかけてくださいました


長くなったので、今日はこの辺で







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